なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

間質性肺炎+細菌性肺炎

2022年05月18日 | Weblog

 金曜日に当院の呼吸器科外来に通院している85歳男性の搬入依頼が来た。間質性肺炎で在宅酸素療法を受けていた。間質性肺炎の増悪だと当院では診られないがと思いながら、来てもらうことにした。

 

 2016年に健診で胸部異常影を指摘されて、近医からがんセンターに紹介されていた。扁平上皮癌と診断されて、左下葉切除術を受けた。StageⅠAだった。

 術後に間質性肺炎の進行(増悪)があり、ステロイド(プレドニゾロン30mg/日)が開始された。幸いに軽快して、プレドニゾロンは漸減中止されていた。

 2021年11月に術後5年か経過して、肺癌再発なしと判断された。しかしその後に息切れが悪化して、間質性肺炎の増悪を認めた。ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン500mg/日を3日間)からプレドニゾロン60mg/日で治療が行われた。

 ちょっと漸減が早いようだが、そこからプレドニゾロン15mg/日まで漸減された。家族が通院しやすい病院への紹介を希望した。癌が治ったと判断されれば、がんセンターとしては間質性肺炎を長く診る気はないだろう。

 間質性肺炎は、できれば地域の基幹病院に紹介してほしいところだが、当院呼吸器外来に紹介されてきた。当院の呼吸器外来は、全部外部の先生方のバイトだけなので、増悪時は対応できない。

 肺疾患とは別に、数年前に基幹病院の脳神経内科を受診して、アルツハイマー型認知症と診断されて、処方が開始されていた。ADLは自宅の室内を動く程度だった。

 

 在宅酸素は、安静時1L/分、労作時4L/分となっていた。今回の搬入時は安静時だが4L/分を要した。聴診上は右肺の方にcoarse cracklesが聴取されるようだが診断には自信がない。

 胸部X線・CTで確認する、右肺下肺野に浸潤影があり、左肺にはなかった。間質性肺炎の悪化ではなく、細菌性肺炎の併発だった。発症は急で誤嚥性肺炎かもしれない。これなら当院で診られる。

 ステロイド内服もあり、スルバシリンではなくゾシンで開始した。入院後は解熱してきて、酸素投与量も通常と同様になってきた。

 

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