なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

透析患者さんの菌血症

2022年05月07日 | Weblog

 連休中も血液透析はしている。4日に70歳男性の透析患者さんが高熱で受診していた。通常の救急外来ではなく、透析部門の方での対応になった。その日の当直に当たっている若い腎臓内科医が、透析を診るために朝から来ていた。

 症状は発熱だけで呼吸器症状などはない。血液検査で白血球7900(ふだんは4~5000くらい)・CRP26.5と炎症反応は著明に上昇していた。CRPがすでにこれだけ高いので、数日前からの発症だろう。

 胸部X線、さらに胸腹部CTを行ったが、発熱の原因になるような異常はなかった。透析患者さんだと透析用のシャントの穿刺を頻回に行うので、血流感染のリスクが高い。血液培養2セットを提出して、ゾシン(PIPC/TAZ)で治療を開始していた(入院)。

 

 入院後、翌日には解熱していた。2日後の6日に、血液培養2セットからグラム陽性球菌が検出されていた。シャント穿刺に関連した感染症が疑われる。

 それを受けて心エコー検査(経胸壁)が行われたが、明らかな疣贅は指摘できなかった。大動脈弁が石灰化して、以前と同様ではあるが評価し難い。それ以上の検査はできないので、菌の同定・感受の結果待ちになる。

 ゾシンが効いているので、MRSA・MRCNS(MRSEなど)ではない。連鎖球菌かMSSAだろうと思うが、腸球菌もあり得る。週明けには菌名がわかるので、感染症専門医(呼吸器外来担当で大学から来ている)に相談しよう。

 

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