なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

非常勤泌尿器科の対応

2022年05月20日 | Weblog

 水曜日に泌尿器科医から、尿路感染症の患者さんのことで相談された。

 患者さんは72歳男性で、脳梗塞で地域の基幹病院に入院していた。リハビリ目的で前の週に当院回復期リハビリ病棟に転院していた。担当は神経内科になる。

 前医入院中から尿カテーテルが留置されていた。尿道口にびらんがあり、尿カテーテルを抜去できないかと、泌尿器科外来に紹介になっていた。

 その日から神経内科医は学会出張に出かけていた。神経学会が東京で開催されている。webで視聴するつもりだったのが、急遽学会場に出席することにしたらしい。

 泌尿器科外来に紹介になった日の朝から高熱が出現した。炎症反応の上昇と尿混濁を認めたが、尿カテーテル留意なので他疾患を否定しないと尿路感染症と決められない。

 泌尿器科医は、尿培養・血液培養2セットを提出して、胸腹部CTで肺炎などの他疾患の検索もしていた。肺野に若干肺炎疑いの淡い陰影はあるが、たぶん尿路感染症なのだろう。(血液培養と尿培養の検出菌が一致しないと確定できない)

 食事摂取が少ないので、補液と抗菌薬を週明けまで出していた。対応としては完璧だった。

 泌尿器科医は8年くらい当院の常勤医だったが、定年退職後も非常勤医として週に2回勤務している。他の日は施設の嘱託医をしているそうだ。

 病院の事情も、内科での対応も知っているので、ここまでやってくれたということだった。まったくのバイト医師だったら、主治医に訊いてくれか、常勤の内科で診てくれ、になるだろう。

 

 先方の病院に4月初めから入院して、当院転院後1週間なので、完全に院内感染になる。起炎菌としては緑膿菌などのいわゆるSPACEや腸球菌も考えられる。もっと広域抗菌薬でいった方がいいかもしれない。

 発熱以外のバイタルは問題ないので、1日セフトリアキソンの効果をみて、解熱軽快しない時は広域抗菌薬に変更します、ということにした。

 幸い翌日には解熱して、そのままセフトリアキソン継続・培養結果待ちとした。

 

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