なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

「パニックだと思う」

2022年05月09日 | Weblog

 先週の金曜日に、発作的な動悸・呼吸困難感が出現する51歳女性が受診した。ふだんは糖尿病・高血圧症・甲状腺機能亢進症で通院している。 

 先月に喉の違和感・閉塞感と嗄声で受診して、耳鼻咽喉科にで声門下喉頭炎と診断された方だった。入院は高次医療機関が好ましいと判断されて、県内有数の市立病院に紹介された。

 経過は良好で、ステロイドと抗菌薬投与で軽快したという返事が来ていた。(内科でもふだんの疾患についての診療情報提供書を送っていたので、返事が内科にも来た。)

 

 受診した時は無症状だった。今回の症状は声門下喉頭炎で入院したことがきっかけだった。なんでも先方の病院で、「悪化した時は気管切開になるが、肥満があり手技が難しく、死ぬかもしれない。」と言われてからだという。

 患者さんの表現なので、何とも言えないが、「悪化した時は気管切開になる」とは説明するだろう。それもあって当院の耳鼻咽喉科医が紹介したわけだから。言い方は受け取り方によるが、「体型的にやりにくい」くらいは言っているか。

 それから動機・呼吸困難感が発作的に出現した。その日は3回目の発作だった。症状は突然起こり、数分でピークに達する。30分くらいで治まるようだが、またそれより軽度の症状が何度か起きる。

 

 3月にも同じ症状で、夜間に当地域の基幹病院を受診したそうだ。その時は咳をした時に、1回だけ痰に血が混じった(少量)。知人に話したところ、肺癌かもしれないと脅かされた。

 受診時には症状は治まっていて、胸部X線・心電図・血液検査では異常がなかったという(糖尿病のコントロールが悪いので、血糖は高かったはず)。何度が起きて、その後治まって来ていた。

 

 予期不安もあり、今回も夫と(車を出す関係で妹も)来ていた。ふだんは。病院まで送ってくれる人が診察ブースまで付いてくることはない。

 自分でインターネットで調べたところ、「パニックだと思う」と言う。おそらくそうでしょうと、同意した。この患者さんは他の先生から回ってきて当方が診ることになったが、最初の時から精神的に不安そうな方だという印象は持っていた。

 受診できるならば精神科の方が好ましいと伝えた。郡部だと、都市部のような精神科のクリニックがあまりない。精神科病院になってしまう(ちょっと敷居が高い)。

 ちょっと遠方だが、自分で調べた精神科クリニックの名前も上げていた。相談の結果、自宅のある隣の市から当院への通院の途中にある精神科病院に行ってみたい、ということになった。

 当面の薬がほしいと処方を希望して、精神科への紹介状(診療情報提供書)を希望された。SSRI(ジュイゾロフト)と発作時のアルプラゾラム屯用を少し処方して、紹介状を持たせた。

 

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