先週、地域の基幹病院腫瘍内科の先生から連絡がきた。50歳代の結腸癌術後再発の緩和ケアをお願いしたいということだった。
3年前に結腸癌の手術を受けて、stageⅢbだった。その後、何種類かの癌化学療法を受けて来て、転移性肝癌の手術も受けていた。治療が継続されたが、転移が広がり、今後は緩和ケアとなった。
「患者さんは入院はできるだけしたくない。外来で診て、診れなくなったら入院にして、看取りまで貴院で」という依頼だった。
外来予約されたが、早期の受診希望があり、月曜日に外来を受診した。倦怠感と食欲不振があり、ゼリー状の補助食品を摂取しているそうだ。やはり「入院はしたくない。終活があるので。」という。
先方の画像は2月のものだったので、胸腹部CTで癌の進行を確認した。肝転移が広がって、腹水貯留もあった。門脈圧亢進によるのか、癌性腹膜炎なのか。両肺にも細かな転移が多発していた。腹部に腫瘤が何個もあり、これも転移巣だった。
予後半年を保障することはできない。「予後1~3か月で、急変の可能性もあり」と見込まれる。可能なら1か月は自宅で過ごせるといいが、何ともいえない。
糖尿病はなかったので、倦怠感・食欲不振(癌性悪液質)に対して、ステロイドを使用することにした。