なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急激な認知力低下?

2023年06月29日 | Weblog

 6月9日に意識が時々低下する、食事摂取ができないこともあると、82歳男性が内科の新患外来を受診した。

 担当医は頭部MRIと血液検査を行った。頭部MRIは陳旧性の左基底核のラクナ梗塞と全体的な脳委縮を認めるが、新規の病変はなかった。血液検査でも特に有意な異常はなかった。発熱も炎症所見もない。

 車椅子に乗っていて、見当識障害があるが、以前からなのかもしれない。帰宅して経過をみることになった。

 

 翌週の6月15日にまた車椅子で外来を受診して来た。同じ先生が診察したが、嚥下障害で食事摂取ができないため、入院となった。

 初診の時に検査していないビタミンやホルモンの検査を追加したが、やはり原因となるような異常はなかった。点滴して経過をみるしかなかった。脳炎をきたす疾患も考えていたようだが、わからなかった。

 6月21日に脳神経内科の外来(非常勤)で相談したが、初診時に見られた所見だけで、それで現状を説明できないといわれた。急激な認知機能障害というのは本当なのか。

 6月22日にそれまでバイタルサインとしては問題なかったが、突然心肺停止になった。救急蘇生で心拍再開したが、気管挿管・人工呼吸を要した。

 瞳孔散大・対光反射消失が確認されて、その後に瞳孔はpin point pupilになっていた。脳幹梗塞?。

 家族に病状を説明して、心停止時はDNARの方針となっていた。心停止に至るまでは、人工呼吸は継続する。

 人工呼吸器関連肺炎を来して、その治療も行っている。そもそもの原因がよくわからないが、到底回復の見込みはないだろう。

 

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