なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

低カリウム血症

2023年06月17日 | Weblog

 火曜日は腎臓内科の若い先生が当直だった。翌水曜日の朝方に41歳男性が救急搬入された。

 症状は低カリウム血症による脱力だった。血清カリウム1.6と極端に低い。心電図はT波平低はあるが、洞調律で不整脈はない。何度か同じ症状で短期間入院したことがあり、昨年同じ先生が担当して入院治療をしている。

 入院治療を勧めたが拒否したため、外来で点滴をしてカリウムを補充した。動けるようになったので、カリウム製剤内服が処方されて、1週間後の外来予約となった。

 

 そもそもの一番最初の受診は2011年で、当方が担当している。市内のクリニックからの紹介だった。血清カリウム1.9と低下していた。入院して点滴でのカリウム補充と内服での補充を行った。

 学生時代から家庭内暴力があり、パトカーが駆けつけることも何度かあったと親から聞いた。体型は肥満だったが、その後無理なダイエット(下剤の大量服用、自分で嘔吐)をきっかけに拒食となったそうだ。入院した時は体重が30kgまで低下していた。

 話かけても「うるさい」という。殴ろうとして拳を突き出して来るが、ないしろ筋力低下が著しく、スローモーションになってしまうし、こちらまで拳がとどかない。(両親が入院希望で連れてきたが、本人は入院する気はなかった)

 血清カリウムが2.5になって動けるようになったところで、病院として入院継続も難しいし、本人も退院すると主張した。拒食症としての専門的な治療を要するが、家族が精神科病院に相談することにしていた。

 2016年の入院時は内科の別の先生が担当した。血清カリウムが1.7から3.1になったところで希望で退院していた。昨年の腎臓内科入院時は血清カリウム2.0で入院して、2.7で退院している。外来には通院して来なかった。 

 

 現在は一人暮らしをしているが、入院すると仕事に行けなくなるのを気にしていたそうだ。その点では以前より立派になられた?のだった。仕事を続けるためにも、外来通院を継続してほしい。

 腎臓内科で入院した時に、尿中にはカリウムが(異常に)排出されないことを確かめていた。純粋に摂取不足なのだろう。低カリウムが続いたことから尿細管障害を来して(腎臓内科医の診断)、腎機能低下がある。

 

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