なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性膵炎・IPMN

2023年06月16日 | Weblog

 月曜日に地域の基幹病院消化器内科から94歳男性が転院してきた。担当は別の先生だが、COPDの肺炎による増悪で何度も当院に入院していて、当方も2回担当したことがあった。

 最後に肺炎で入院したのは2021年3月で、内科の若い先生が担当していたが、その後は肺炎の入院はなかった。しばらく名前をみなかったが、先方の病院に急性膵炎で入院を繰り返していた。(肺炎も併発して併せて治療されていた)

 診療情報提供書には「膵管内乳頭粘液性腫瘍IPMNによる繰り返す膵炎で当科かかりつけ」とある。

 

 2021年当院に肺炎で入院した際に、CTで膵尾部に嚢胞性病変を認めたことから、MRCPを行っていた。放射線科の読影レポートは「膵嚢胞」となっていた。壁在結節(腫瘤)はなかった。

 

 総胆管や主膵管には問題がないようだ。急性膵炎発症時(2か月前)の造影CTを見ると、膵頭部の腫脹と周囲脂肪組織の浸出液を認める。

 総胆管は問題ないようだが、主膵管はびまん性に拡張している。膵尾部の嚢胞性腫瘤は同じようだ。主膵管の拡張があるので、IPMNは膵尾部以外に膵頭部にあるのだろうか?。(CTで読めない)

 

 5月末からカテーテル関連血流感染症でCVカテーテル抜去・PICC挿入を行い、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MSCNS)に対する治療が行われていた(肺炎にも効果があるようにABPC/SBTと記載していた)。さらに心不全の悪化で循環器内科に相談して利尿薬を投与して・・・ともある。

 病状悪化時はできる範囲で治療して、反応しない場合はDNARとはなっているが、難しい患者さんだった。

 

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