なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

非代償性肝硬変

2023年06月07日 | Weblog

 先週の土曜日の午後に、前日からの呼吸困難感が続く70歳男性が救急外来を受診した。地域の基幹病院に肝硬変・糖尿病で通院している。

 詳細はわからないが、肝炎ではなく、アルコール性らしい。画像で胸水・腹水の貯留があり、浮腫もあった。日直は大学病院からバイトで来ている外科医だった。酸素飽和度が95%(室内気)と良好で発熱もなかったので、当院入院でも治療可能と判断していた。

 入院として利尿薬静注を行っていた。2000ml/日前後の排尿があり、その効果が出ていた。先方の処方を見ると、リフキシマ1200mg分3・エルカルチンFF750mg(少な目)・ラグノスNF経口ゼリー6包分3などの肝硬変の処方に、ダイアート15mg/日・サムスカ7.5mgも入っている。

 掻痒症に対するレミッチ(ナルフラフィン)2.5μg1錠もある。心房細動はないが、DOAC(リクシアナ30mg)も入っていた。どこかの(深部静脈?門脈?)静脈血栓症の治療か予防なのだろう。

 糖尿病は、インスリン強化療法(朝夕が超速効型のノボラピッドで、夕が超速効型+持効型のライゾデク)で治療されている。HbA1cが5.9%と低いが、Hb9.7g/dlと低いせいもあるのだろう。血清アンモニア値は正常域だった。

 胸水が右側だけで、肺炎・胸膜炎なども疑われるが、炎症反応はほぼ陰性だった。心電図でもST-T変化は特に有意なものは認めない。

 利尿薬静注でいけそうだが、いうことを聞いてくれない雰囲気がある。

 

 院内にエルカルチンFF錠とレミッチはない。リフキシマは1錠204.40円で、1日6錠分3だと1日1226.4円かかる。エルカルチンは250mg1錠237.50円で、1日1.5gだと1425円だが、ジェネリックにすればオリジナルの半額にはなる。レミッチは1錠812.0円でジェネリックでも334.90円。サムスカ7.5mg錠は1084.70円で、ジェネリック(AG)でも491.60円。内服薬だけでけっこうな高額になる。

 

コメント (1)
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