なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

頸椎偽痛風

2023年06月10日 | Weblog

 昨日記載した転院してきた86歳女性の続き。

 転院直前の6月5日に、「前日に発熱があったが、そのまま転院でいいででょうか」、と連絡がきた。その時、基幹病院の別の病棟でコロナの患者さんが発生していた。転院予定の患者さんはコロナの検査陰性(抗原定量)という。

 尿混濁があるが、入院時からあるので関係ない(無症候性膿尿)ではないか、となっていた。偽痛風が疑われるという。

 基幹病院のベットを空けるように協力することになっており、そのまま転院してもらうことにした(ただし数日個室で観察)。

 

 転院して来ると、後頚部に湿布が貼付されていた。偽痛風疑いというのは膝関節かと思っていたが、頸椎偽痛風疑いだった。いわゆるCrowned dens syndromeになる。

 前日(6月4日)から発熱とあったが、看護師さんの方の紹介状によれば6月3日かららしい。本人に訊くと、ずっと前から後頚部が痛かったような話になってしまう。

 NSAIDs(セレコキシブ)が処方されていて、解熱していた。送られてきた画像は頭部MRIとCTだけで、検査はしていないらしい。

 頸椎CTで確認すると、軸椎の歯突起周囲に石灰化があり、(他疾患がなければだ=除外診断)頸椎偽痛風でいいようだ。抗菌薬は投与されておらず、セレコキシブだけで解熱しているのも合う。

 

 入院時検査としての心電図をとった看護師さんから、変なので確認して下さいと連絡が来た。心電図の波形を見たというより、心電計機械読みの所見が気になったらしい。

 V1-2でR波増高があり、V1-5でT波が陰性化している。胸部症状はないが、高齢女性なのでそれで大丈夫とはいえない(病名になかったが、糖尿病もあった)。

 基幹病院の地域医療連携室に問い合わせて、心電図のコピーをFAXしてもらった。先方の入院時も同様の波形で、特に変化はない。心原性酵素の上昇もなく、急性の変化ではなかった。

 

 

 

 

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