なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急遽自主的に退院

2013年02月18日 | Weblog

 60歳台男性が腰痛で整形外科病棟に入院していた。入院時の検査で糖尿病(HbA1c9%台)があると判明した。内科に診療依頼が来て、さっそく治療を開始した。健診などはまったく受けていなかったらしい。メトホルミンとDPP-Ⅳ阻害剤である程度改善して、少量のSU剤(グリミクロン)を追加した。血糖コントロールはかなり良くなって、そろそろ糖尿病としては退院でもいいとは思っていた。腰痛も大分良くなっているようだった。

 今朝病院に行くと、病棟看護師から、退院になるので退院時処方を出してほしいと連絡が来た。いつ決まったんですかと聞くと、患者さんが看護師さんのおしりを触って問題になってしまい、患者さんが退院すると言ってきたそうだ。あっけらかんとした明るい方で、それほど悪気もなくついやってしまったのだろうが、今時は当然許されない。今日検査を入れていたが、結果をみるとHbA1cは2%も下がっていた。もともと退院したら近くの内科クリニックを紹介する予定だったので、その時の紹介状も半分くらい書いて準備はしていた。希望するクリニック宛ての紹介状を渡して、2週間分の処方を出した。

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病院がドラマ撮影に使われることになった

2013年02月17日 | Weblog

 再来週に、2時間ドラマの撮影が病院で行われる予定だ。女医が主人公のドラマらしいが内容はわからない。単発の2時間ドラマだから、たぶん殺人事件が起きるのではないかと思う。主演は2時間ドラマによく出ているあの女優さんだ。首都圏から遠く離れた病院を使う理由はよくわからない。普段使っていない隔離を要する感染症患者用の病室を使うが、病院の正面や、エレベーターとか救急用の入り口も撮影するそうだ。病院名は架空のものになるのだろう。病棟の看護師長さんと、病院の収入になるのかと下世話なことを話していた。

 林寛之先生が編集したレジデントノートの救急・ERノート「腹痛の診断戦略」を購入した。多数の執筆者が参加しているが、全体に林色になっているのが面白い。

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平穏死

2013年02月16日 | Weblog

 昨日は書店に行って、「平穏死という選択」とそれを批判する「医療否定は患者にとって幸せか」を買ってきた。高齢者の誤嚥性肺炎を主に診ている自分としては毎日対応を迫られる問題ではある。しかし、最近はむしろどちらでもいい、何でもいいと思うようになった。一概に決められないので、ケースバイケースになる。家族の希望通りにすることにした。医師としての意見を求められれば、常識的な対応をお話しするが、無理強いはしない。

 今日は内科地方会の教育講演会に行ってきた実は、演題をみてあまり興味のあるものはなかったが、行けるときは必ず行くことにしているので、とりあえず行ってみた。重症高血圧症に対して腎動脈経由で交感神経アブレーションをするのがおもしろかった。中枢の交感神経の活動性亢進が本態性高血圧症の原因とは知らなかった。

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食べれば誤嚥性肺炎になります

2013年02月15日 | Weblog

 71歳男性で神経内科外来にパーキンソン病で通院している。すでに寝たきり状態で嚥下障害から誤嚥性肺炎を繰り返して、胃瘻造設による経管栄養を行っていた。しかし、まったく嚥下できなくはないので、家族が食べさせていた。今朝から発熱があり、反応もふだんより鈍くなって受診した。胸部X線・CTで右下肺野背側に浸潤影があり、誤嚥性肺炎を起こしていた。飲み込みやすいゼリーなどは大丈夫だと思うが、どんどんいろいろなものを食べさせれば、誤嚥するのは仕方ない。そこは指導するものの、何を食べさせるかは家族の自由なので、どうしようもない。ただ、一生ゼリーだけというのもさびしい気はする。

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緩和ケアを継続します

2013年02月14日 | Weblog

 78歳男性が呼吸器科外来(大学からの応援医師担当)を受診した。当院呼吸器科で診断してがんセンターに紹介されていた。小細胞肺癌で抗がん剤治療と脳転移の対する放射線治療を受けていた。骨転移も進行して、そろそろ癌に対する治療は限界になり、あとは緩和ケアのみで経過をみることになった。応援医師だと医療用麻薬の処方ができないので、内科で担当することになった。

 患者さんはまだ、というのも何だが、割に元気だった。食欲もあり、癌性疼痛はオキシコンチン20mg/日で治まっていた。子供はいないそうで、年上の老妻と二人暮らしだった。その妻の弟が何かと面倒をみていて、今日も車で送ってきていた。患者さんも病状の説明は全部聞いているというが、理解力が乏しいと思われた。難聴があって、かなり頑固な印象だった。肺内の転移もあるが、脳転移や骨転移の進行で病状が悪化すると予想された。まずは、がんセンターと同じ処方を継続とした。2週間から1か月おきに経過をみていくが、どのくらい持つものか。できるだけ自宅で過ごして、いよいよ悪化した時に入院という、いつもの方針でいくことにした。

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間質性肺炎

2013年02月13日 | Weblog

 精神障害で施設に入所している66歳男性が先週インフルエンザで入院した。当直の外科医がそのまま主治医となって入院させて、1週間で退院した。ところが、また呼吸苦があり、昨日の当直帯で受診して入院した。前回入院時の胸部CTで胸郭直下に間質性陰影が出ていて、今日の胸部CTではその陰影が広がっていた。間質性肺炎だが、インフルエンザ自体のウイルス性肺炎の可能性もあるが、もともとあった間質性肺炎が感染を契機に増悪していると思われた。さっそく基幹病院の呼吸器科医に連絡して転院となった。

 昨年インフルエンザにかかって、一気にウイルス性肺炎(急性間質性肺炎)となり、夜間に受診した患者さんがいたことを思い出した。当直医が、救急を扱ってくれる専門病院へ搬送してくれた。酸素10L/分リザーバー付きで酸素飽和度がやっと90%だった。搬送された病院でもあまりの重症さに、すぐに家族全員を呼ぶようにと言ったそうだ。幸い、ラピアクタなどの投与で軽快して、すっかり治って退院した。

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全身浮腫が改善

2013年02月12日 | Weblog

 施設に入所している79歳女性が、先々週全身浮腫で施設嘱託医の紹介で受診した。低蛋白血症があり、蛋白尿が出ているが、ネフローゼというほどではなかった。便は不消化の傾向があり、軟便が続くという。消化管の吸収不良による症状のようだが、今どき便中蛋白の測定はしないから確定はできない。ラシックスが処方されていて低カリウム血症になっていた。

 数年前からこのような患者さんには、胃腸薬の組み合わせを処方して案外いい結果を得ている。ウルソとミヤBM(整腸剤ならなんでもいい)とエクセラーゼ顆粒(消火剤ならなんでもいい)だ。今回もこの処方で2週間経過をみたところ、まだ低いもののアルブミンは0.5上昇していた。胸水も減少して、全身の浮腫はからり改善していた。個々の薬は何ということもないが、この組合せが何故かいい。

 昨日の日中に救急搬入された老衰の95歳女性は夜間に亡くなり、当直の大学から応援の内科医が看取ってくれた。内科病棟では他の科の患者さんも2名亡くなって、当直医は一晩で3名看取った。今朝その先生に会うと、悪い流れですかねと言っていた。いえいえ、お疲れ様でした。

 昨日の休日は日直をしていて、70歳台後半の男性が心肺停止になっていると救急隊から連絡が入った。すでに冷たくなりかけていて、硬直もしてきているという。20年近く前に肺癌で手術と放射線治療を受けていたが、それは治癒している。。その後はCOPDと高血圧症で内科クりニックから処方を受けていた。数日前から咳痰があったが、病院に行くのを嫌がっていたという。家族が出かけて2時間後に戻って気づいた。心肺蘇生は家族も希望せず、病院で死亡確認だけお願いしたいということだった。AIとして頭部CTと胸腹部CTを施行した。頭部は脳萎縮だけで、脳出血やくも膜下出血はなかった。脳梗塞もない。両側肺に肺炎の陰影が広がっていた。かぜをひいただけではなくて、両側肺炎を併発していたのだった。

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確かに老衰

2013年02月11日 | Weblog

 1年前から寝たきりになっていた95歳女性が救急搬入された。1か月前からしだいに食事をとれなくなってきていた。通院していた内科医院に往診を依頼して診てもらったそうだ。老衰と言われたという。昔だったら、そのまま自宅で看取ったと思うが、今は親戚などからいろいろ言わるので、病院に入院させたいという家族の希望だった。救急外来で一通り検査した。頭部CTでは脳萎縮だけで、脳梗塞はなかった。腹部大動脈瘤があるが、全身状態には影響ない。肺炎もなかった。やはり、老衰というしかない。以前おられた内科の副院長先生は老衰とするのが嫌いで、多臓器不全と診断書に書いていたが、老衰と表現してもいいのではないだろうか。

 家族に検査の結果を説明して、内科病棟に入院とした。点滴をすると目を開けるようになった。脱水症自体は改善すると思うが、はたして食事摂取できるようになるだろうか。点滴を継続して経過をみるしかない。

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研修医当直御法度百例帖第2版

2013年02月10日 | Weblog

 寺沢秀一先生の研修医当直御法度症例帖が、症例を増やして百例帖として出たのでさっそく購入した。まえがきにご自身が悪性腫瘍で治療中とあって、驚いた。かなり以前になるが、寺沢先生に病院で講演していただいた。研修医といっしょに研修医当直御法度(赤本)にサインしてもらった。

 今回の改訂では特に謝罪の項目が加わっている。昨年の若手医師セミナーの講演で、患者さんとその家族への対応の大切さ(特に謝罪の態度について)を講演されて感動したことを思い出した。先日も病院側からいえば無理な要求をする家族があったが、なんとか適切に対応することができた。繰り返して読みたい本だ。

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脳梗塞の40歳

2013年02月09日 | Weblog

 脳梗塞の40歳男性が、リハビリ目的に基幹病院の神経内科から当院の神経内科に転院してきた。右中大脳動脈が閉塞して、t-PAなどの治療により動脈は再開通したが、梗塞巣は残って左半身麻痺となった。糖尿病・高血圧症があって、HbA1cが10%と血糖コントロールは悪かった。心房細動などの不整脈はなく、心腔内血栓の有無も検査したが、血栓はなかった。動脈解離でもないらしい。MRAやDSAでは中大脳動脈に不整な狭窄があった。特別なものはなく、結局脳動脈硬化とするしかないのかもしれない。

 糖尿病科から当院の内科宛に糖尿病の治療についての紹介状がきていて、糖尿病の治療を担当することになった。インスリン強化療法を行っていたが、肥満があり血中Cペプチドが3と高い。前の病院に1ヶ月半入院して9Kgくらい減量していた。さらに食事療法での減量が望める。徐々にインスリン量を減らして経口血糖降下剤に変更していくことにした。仕事は公務員だが、はたして職場に復帰できるのだろうか。

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