なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

なんとか経口摂取を

2013年02月08日 | Weblog

 基幹病院呼吸器科に誤嚥性肺炎入院した77歳男性は、食事開始で再度誤嚥性肺炎になり、経口摂取は中止となった。認知症で介護していた家族は特に経管栄養を希望せず、末梢からの点滴で経過をみることに同意した。長く入院させられないので、当院内科に紹介されて転院してきた。改めて家族に聞いてみると、点滴で経過をみて看取ってもらっていいという。あっさりした対応なのは、認知症の介護で苦労してきたためだろうか。

 2週間ほど点滴をしながら経過をみていたが、少なくとも食事をしなければ肺炎は起こさなかった。食事がほしいというパフォーマンスもなく、会話も通じなかった。飲み込めるような気がして、今週初めから昼にだけゼリー食を出してみた。嚥下は多少怪しいが、何とか飲み込めた。ムースのようなソフト食にしてみようということになった。家族はそのまま病院に最期まで置いてもらえると思っている。ものすごくうまくいって食事摂取できるようになっても、施設入所の話をするとかえって迷惑がるかもしれない。結局食事を勧めていくうちに誤嚥性肺炎になるような気もする。でも、なんとか経口摂取をさせたいという方針は間違っていないと思う。まずやってみよう。

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熱のない肺炎でした。

2013年02月07日 | Weblog

 関節リウマチの75歳女性は施設に入所して車いす生活だった。脳出血後遺症で左片麻痺もある。先月に浮腫で外来を受診して、利尿剤投与で改善していた。その後朝方に喘鳴があると再受診した。数年前まで喫煙歴があり、画像上は肺気腫の変化には乏しいが、COPDが基礎にあると判断された。喘息症状を伴ったもの、あるいは喘息そのものの症状のようだ。ただし心臓喘息との鑑別はむずかしい(浮腫の改善後なので気管支の問題とは思われるが)。吸入ステロイドを開始して、喘鳴は改善していた。心肺疾患それぞれが良くなったものと思っていたが、酸素飽和度が軽度に低下して今日受診した。

 胸部X線・CTで右肺に浸潤影があり、肺炎を併発していた。発熱はないが、NSAID(セレコックス)と少量のプレドニンをずっと内服しているためと思われる。入院して酸素吸入を開始すると呼吸苦は改善した。浮腫だけではなく、肥満も進行して糖尿病にもなっていた。満身創痍の方だが、うまく抗菌薬が効いて治癒するだろうか。

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リウマチ性多発筋痛症?

2013年02月06日 | Weblog

 5年前にリウマチ性多発筋痛症として治療を開始した84歳男性の経過がすっきりしない。プレドニン少量投与で症状と炎症所見は改善したが、通常の治療期間である2年を過ぎても治癒しなかった。そのうち、炎症反応上昇し始めて、上下肢の疼痛も少し出てきた。軽度の認知症もあって、きちんと内服していないこともあった。入院できちんと内服させて、軽快して外来治療にもどしたが、プレドニン5mg/日では足りないようだ。といって側頭動脈炎の症状・所見はなかった。

 これまでリウマチ性多発筋痛症を10数例みてきたが、きっちり治癒する患者さんが多い一方で、数例だが完治しない患者さんたちがいる。プレドニンを増量すると反応するので、感染症などではない。側頭動脈炎が合併している可能性が一番考えられるが、症状もないのに生検もできない。別の膠原病かというと、そうともいえない。

 リウマチ膠原病の専門医に紹介したいところだが、なにしろ高齢者で紹介は希望されない。どうしたものかと思いながら、プレドニンの量を調整しつつ継続して診ているというのが現状だ。

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また肺炎

2013年02月05日 | Weblog

 脳梗塞後遺症・認知症で施設に入所している80歳男性が発熱・意識レベル低下?・摂食不良で紹介されてきた。右肺に被覆された膿瘍像があった。抗菌薬治療でそのくらい反応するか、何とも言えないが、ます入院治療を開始した。

 内科クリニックからの紹介で81歳男性が呼吸苦が救急搬入された。大腿骨頸部骨折後で筋力低下がひどく数か月前から寝たきりになっていた。酒精綿で拭くと、真っ黒になる。ずっと入浴はしていないのだろう。もともと数年前まで喫煙していたそうで、両側肺炎があるが、浸潤影の程度以上に低酸素血症を呈している。COPDが基礎にあるのだろう。酸素10L./分リザーバー付きでやっと酸素飽和度90%となった。頻呼吸40/分で炭酸ガス濃度は低下していた。

 アルコール性慢性膵炎急性増悪で入院した男性は発熱があって、心窩部痛も続いていた。右肘関節と膝関節の疼痛を訴え、腫脹・発赤を認めた。関節炎による発熱と炎症反応上昇も加わっていた。心窩部痛は入院時より良くなったという。前回入院時は5日くらい絶食だったので、今回もそのくらいだろうと思っているそうだ。明日また血液検査を行うが、データが改善しなければ、再度腹部CTを行って感染性壊死巣の有無をみる必要がある。

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肺炎、肺炎、肺炎

2013年02月04日 | Weblog

 昨夜の当直だった循環器科医が92歳女性の両側肺炎を内科に入院させていた。低温熱傷で外科に入院していたが、3日前に退院していた。退院直前に微熱があり、すでにその時から肺炎があったらしい。かなり広範囲の浸潤影で厳しい状態だ。

 内科外来をやっていると、内科医院から78歳女性の肺炎が紹介されてきた。もともと元気な方だが、胸部CTで確認すると、主に左下肺野背即だが、右肺にも軽度に陰影があった。さっそく入院としたが、なんとか10日くらいで治したいところだ。

 外科内科クリニックから33歳女性が高熱で紹介されてきた。3日前にインフルエンザと診断されていた。胸部X線で右肺に浸潤影があり、肺炎を併発していた。肺炎球菌尿中抗原が陽性で肺炎球菌肺炎だった。個室に入院とした。

 92歳女性は病院肺炎と同じで、誤嚥性肺炎と判断されるので、抗菌薬はメロペンを使用した。78歳女性と33歳女性は市中肺炎なのでセフトリアキソンを使用した。

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パーキンソンのようです

2013年02月03日 | Weblog

 深夜に60歳女性が左上下肢のピクピクすると受診した。意識は清明だった。当直医がけいれんの治療を行って症状は経過したという。午前8時半に当直医から入院させておきましたと連絡が来た。さっそく病院に行って診てみると、けいれんではなくて振戦だった。昨年の10月から左上肢の振戦が始まり、今年の1月からは左下肢の振戦も加わったそうだ。両側上肢に筋強剛(鉛管状)がある。数年前から階段の昇降がひとくなっていた。周囲の人から動きが悪いことを指摘されていたという。パーキンソン病のようだ。明日神経内科医に紹介することにした。

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血便、膵炎

2013年02月02日 | Weblog

 今日土曜日は大学病院の医師(循環器科)が内科の日直当直に来ていた。68歳男性が血便が続いて受診したという。以前にも大腸憩室出血で入院していた。そのごもあったらしいが、血液検査で異常が出たことはなかった。今回はHbがふだんの13g/dl(といっても一番最近は8か月前のデータだが)から10g/dlに下がっていた。点滴するともっとさがるはずで、明日の値によっては輸血が必要になるかもしれない。今日の腹部CTでも大腸に腫瘍や虚血性腸炎の所見はなく、上行結腸に多発性憩室を認めた。

 59歳男性は一昨日から心窩部痛があり、昨日かかりつけのクリニックを受診して、今日再受診してから腹膜炎疑いで党員の救急外来(外科系)に紹介された。血液検査と腹部CTで膵炎だった。膵頭部に石灰化(膵石)が数個あり、若いころは日本酒一升飲んでいたというアルコール多飲者で、アルコール性慢性膵炎の急性増悪と診断された。膵炎の腹部所見は腹膜炎と区別がつかない。心窩部痛は昨日よりは少しいいという。2週間前に飲んで、その後は飲んでいないというが、どうだろうか。γGTPが500と高く、AST・ALTはAST優位に高いがそれほどの値ではない。アルコール性肝障害のパターンを呈している。胆石膵炎との鑑別だが、MRCPで総胆管は拡張しておらず、総胆管結石はなかった。むしろ膵内胆管は全周性に細い印象がある。線維化した膵臓に圧迫されている。膵体部から尾部の主膵管は拡張していた。8年前の急性膵炎で入院していた。上記の憩室出血の患者さんとこの患者さんを入院で担当したのは同じ先生だった(5年前に退職)。

 

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高齢者の誤嚥性肺炎続々と

2013年02月01日 | Weblog

 また今日も誤嚥性肺炎で入院していた高齢者(90歳男性)が死亡した。両側の誤嚥性肺炎で心房細動・心不全も悪化していたため、回復困難と見込まれていた。またというのは、この3日間で高齢者が5名亡くなったから。一番年齢が若いのが78歳だが、褥瘡のある実年齢以上に老化した方だった。治すのは困難な患者さんたちではあるが、こうも続くとがっかりしてしまう。やれやれと思っていると、また内科クリニックから、誤嚥性肺炎の高齢女性を救急車で送ると連絡が来た。

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