スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

トウカイテイオー&第一部定理一一第二の証明

2020-01-05 18:52:13 | 名馬
 昨年の中山大障害を勝ったシングンマイケルの母の父はJRA賞で1991年の年度代表馬,1993年の特別賞を獲得。1995年に顕彰馬に選出されたのトウカイテイオーです。父は1984年と1985年の年度代表馬のシンボリルドルフ。9つ下の半弟に2001年にアルゼンチン共和国杯を勝ったトウカイオーザ
                                   
 2歳12月にデビューし新馬を勝つと,暮れのオープン,1月のオープンと3連勝。皐月賞の指定オープンも勝って皐月賞に出走。重賞初挑戦で大レース制覇を達成。さらにダービーも勝って無敗の二冠馬になりました。骨折のため休養に入りましたが,この年の年度代表馬に選出されました。
 復帰戦は4歳4月の大阪杯。これを勝って天皇賞(春)に臨むもここはメジロマックイーンの5着。初黒星を喫しました。
 天皇賞(秋)で復帰するもハイペースに巻き込まれる形で5着。しかし続くジャパンカップを制して大レース3勝目。有馬記念は11着と大敗。また骨折で休養。
 復帰できたのが翌年の有馬記念。1年ぶりの出走ながらこれを優勝して大レース4勝目。僕の競馬キャリアの中で最も驚いたレースはどれかと問われれば,僕は迷わずにこのレースをあげます。この1戦だけでJRA賞の特別賞に選出されました。
 競走生活は3年でしたが休養が長く12戦しかしていません。種牡馬として輩出した重賞の勝ち馬は5頭だけ。ただそのうちの3頭が大レースを勝っています。数少ない能力の高い馬が輩出するというのが種牡馬としての特性であったのでしょう。

 第二の証明を,今回の考察に合わせて改めてやり直します。第一部定理一一の論証Demonstratioですから,神Deusすなわち絶対に無限な実体substantiaが必然的にnecessario存在することを示すためのものであることは,最初から念頭に入れておいてください。
 もし何かが存在するのであれば,それが存在する理由ないしは原因causaが存在するのでなければなりません。逆にあるものが存在しないとしたら,それが存在しない理由ないしは原因,いい換えればそのものの存在を排除する理由ないしは原因があるのでなければなりません。これは第一部公理三から明白です。ところで,ものの存在existentiaを排除する理由ないしは原因があるとすれば,それはそのもののうちにあるか外にあるかのどちらかです。その理由ないしは原因がそのもののうちになるなら,それはそのものの本性naturaが矛盾を含んでいるということです。四角い円というのはその一例になります。これに対して,その理由ないしは原因がそのものの外にあるなら,そのものの存在を排除する理由ないしは原因がそのもの以外に存在するということです。たとえば現実的に存在するある円は,その円の起成原因causa efficiensを有さないなら現実的に存在することができません。あるいはその円が作図される空間が存在しないなら存在することができません。こうしたことが,そのものの存在を排除する理由ないしは原因がそのものの外にある場合です。しかしそのような要因がなければ,その円は存在することになるでしょう。よって一般的に,そのものの存在を排除する理由ないしは原因をもたないものは必然的に存在します。
 神の存在を排除する理由ないしは原因が神のうちにあるというのは不条理です。このことは第一部定義六それ自体から明らかです。あるいは『エチカ』全体でいえば,第二部定義二の意味から明白です。一方,そうした理由ないしは原因が神の外部にあるとすれば第一部定理三によって,それは神という実体と共通点を有していなければなりません。ところが第一部定理五により,そのような実体は自然naturaのうちに存在し得ません。つまり神の存在を排除する理由ないしは原因は神のうちにも外にもあり得ません。よって神は必然的に存在することになります。
コメント
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