第70回東京大賞典。
好発はフォーエバーヤング。外からクラウンプライドが追い掛けていくと譲り,クラウンプライドの逃げに。控えたフォーエバーヤングが2番手。2馬身差でウィルソンテソーロとグランブリッジ。その後ろにデルマソトガケとグランデマーレ。さらにラムジェットとサヨノネイチヤとウシュバテソーロ。キングオブザナイルは10馬身ほど離されました。向正面の入口でクラウンプライドのリードが3馬身くらいに。内からラムジェットが進出してグランブリッジと並んでの3番手となり,ウィルソンテソーロはその2頭の後ろに。前半の1000mは63秒0の超スローペース。
3コーナーでクラウンプライドのリードは1馬身くらいに。外から押してフォーエバーヤングが追い上げていき,さらに外からグランブリッジ。直線に入るまでクラウンプライドは頑張りましたが,外からフォーエバーヤングが先頭に立つと内からラムジェットが追い上げて2番手。勝ち馬を追うようにウィルソンテソーロも追ってきましたが,フォーエバーヤングが2頭の追撃を許さずに優勝。外のウィルソンテソーロが1馬身4分の3差で2着。ラムジェットがクビ差で3着。
優勝したフォーエバーヤングはジャパンダートクラシック以来の勝利で大レース3勝目。今年はチャンピオンズカップよりもメンバーのレベルが高くなりましたが,現3歳馬はレベルが高い上に,古馬との対戦も前走で経験していましたから,勝てるのではないかとみていました。1キロの斤量差があったとはいえこれが能力の差とみてよく,ダートでは日本でトップに立っているのは間違いないと思います。世界を駆け巡って大きく崩れないのは肉体的にも精神的にもタフな証明で,その点も特筆に値するでしょう。父はリアルスティール。3代母がローミンレイチェルでひとつ下の半妹が今年のアルテミスステークスを勝っている現役のブラウンラチェット。
騎乗した坂井瑠星騎手はチャンピオンズカップ以来の大レース13勝目。東京大賞典は初勝利。管理している矢作芳人調教師はジャパンダートクラシック以来の大レース27勝目。東京大賞典は初勝利。
ステノNicola Stenoの地層学の革新性,というのは当時にとっての革新性ですが,これは各々の地層の均一性および異質性を比較することによって,その地層が形成された年代を把握するという点にありました。これはちょうど,聖書の各部分の執筆時期および編纂時期を確定させ,そのことによってそこに書かれていることの意味を確定させようとするスピノザの方法に類似しているといえるでしょう。そしてこのスピノザの文献学的方法が現代の聖書解釈学にも通用する内容を有しているのと同じように,ステノの方法も,現代の地層学に通用する内容をもっているのです。ただステノはその方法を用いても,5700年という年数に縛られていましたから,そこから正しい答えを導き出すことができなかっただけです。
高地から海の生物,たとえば魚や貝の化石が発見されるということがあるのはなぜかということは,僕たちには答えを導き出すことができますが,ステノの時代にはそうであったわけではありません。そしてステノが発見した方法は,その答えを正しく導き出すのに役立つことになります。ですからステノ自身の研究がゆくゆくは行き詰まったであろうということは確かだと僕も思いますが,ステノの研究が方法論としてはきわめて優秀であったということは,僕は否定し難い事実であると思います。
ステノとスピノザが類似した方法論を採用したということは,偶然であったかもしれませんが,何らかの関係があったとみることもできないわけではありません。少なくともステノとスピノザは,ステノがオランダにいた時代には親しく交際していたわけで,その当時のスピノザがこうした方法論についてステノに語ったことがあったかもしれません。後に地質学の研究を開始したステノが,そのスピノザが語ったことをヒントとして,地質学の研究にそれを生かしたのかもしれません。ステノの先駆的論考が出版されたのは1669年ですから,その内容が『神学・政治論Tractatus Theologico-Politicus』から直接の影響なりヒントを得たなりしたことはありませんが,ステノがスピノザから方法論に関してヒントを得ていたという可能性は,完全には否定できないのです。
この部分はここまでです。
好発はフォーエバーヤング。外からクラウンプライドが追い掛けていくと譲り,クラウンプライドの逃げに。控えたフォーエバーヤングが2番手。2馬身差でウィルソンテソーロとグランブリッジ。その後ろにデルマソトガケとグランデマーレ。さらにラムジェットとサヨノネイチヤとウシュバテソーロ。キングオブザナイルは10馬身ほど離されました。向正面の入口でクラウンプライドのリードが3馬身くらいに。内からラムジェットが進出してグランブリッジと並んでの3番手となり,ウィルソンテソーロはその2頭の後ろに。前半の1000mは63秒0の超スローペース。
3コーナーでクラウンプライドのリードは1馬身くらいに。外から押してフォーエバーヤングが追い上げていき,さらに外からグランブリッジ。直線に入るまでクラウンプライドは頑張りましたが,外からフォーエバーヤングが先頭に立つと内からラムジェットが追い上げて2番手。勝ち馬を追うようにウィルソンテソーロも追ってきましたが,フォーエバーヤングが2頭の追撃を許さずに優勝。外のウィルソンテソーロが1馬身4分の3差で2着。ラムジェットがクビ差で3着。
優勝したフォーエバーヤングはジャパンダートクラシック以来の勝利で大レース3勝目。今年はチャンピオンズカップよりもメンバーのレベルが高くなりましたが,現3歳馬はレベルが高い上に,古馬との対戦も前走で経験していましたから,勝てるのではないかとみていました。1キロの斤量差があったとはいえこれが能力の差とみてよく,ダートでは日本でトップに立っているのは間違いないと思います。世界を駆け巡って大きく崩れないのは肉体的にも精神的にもタフな証明で,その点も特筆に値するでしょう。父はリアルスティール。3代母がローミンレイチェルでひとつ下の半妹が今年のアルテミスステークスを勝っている現役のブラウンラチェット。
騎乗した坂井瑠星騎手はチャンピオンズカップ以来の大レース13勝目。東京大賞典は初勝利。管理している矢作芳人調教師はジャパンダートクラシック以来の大レース27勝目。東京大賞典は初勝利。
ステノNicola Stenoの地層学の革新性,というのは当時にとっての革新性ですが,これは各々の地層の均一性および異質性を比較することによって,その地層が形成された年代を把握するという点にありました。これはちょうど,聖書の各部分の執筆時期および編纂時期を確定させ,そのことによってそこに書かれていることの意味を確定させようとするスピノザの方法に類似しているといえるでしょう。そしてこのスピノザの文献学的方法が現代の聖書解釈学にも通用する内容を有しているのと同じように,ステノの方法も,現代の地層学に通用する内容をもっているのです。ただステノはその方法を用いても,5700年という年数に縛られていましたから,そこから正しい答えを導き出すことができなかっただけです。
高地から海の生物,たとえば魚や貝の化石が発見されるということがあるのはなぜかということは,僕たちには答えを導き出すことができますが,ステノの時代にはそうであったわけではありません。そしてステノが発見した方法は,その答えを正しく導き出すのに役立つことになります。ですからステノ自身の研究がゆくゆくは行き詰まったであろうということは確かだと僕も思いますが,ステノの研究が方法論としてはきわめて優秀であったということは,僕は否定し難い事実であると思います。
ステノとスピノザが類似した方法論を採用したということは,偶然であったかもしれませんが,何らかの関係があったとみることもできないわけではありません。少なくともステノとスピノザは,ステノがオランダにいた時代には親しく交際していたわけで,その当時のスピノザがこうした方法論についてステノに語ったことがあったかもしれません。後に地質学の研究を開始したステノが,そのスピノザが語ったことをヒントとして,地質学の研究にそれを生かしたのかもしれません。ステノの先駆的論考が出版されたのは1669年ですから,その内容が『神学・政治論Tractatus Theologico-Politicus』から直接の影響なりヒントを得たなりしたことはありませんが,ステノがスピノザから方法論に関してヒントを得ていたという可能性は,完全には否定できないのです。
この部分はここまでです。
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