[あらすじ] 同居母86歳要介護2パーキンソン病認知症状少々、ショートステイ中。
いない間に家の補修を進める。
いる時に私が家事をすると、「自分も何か役に立ちたい」と家の中を動き回り、
"掃除"や"片付け"をしてしまい、その後片付けがまたたいへんなことになるのだ。
母が室内で転倒するようになり、薪ストーブは危険だからということで、
数年前にやめた。
去年からは、ストーブを置いていた場所に介護ベッドを置くようになった。
薪が余る。
隣近所にお願いして、庭木を切ったときなどにもらっていた。
東隣は農家で土地持ちなので、どこかで切った大量の生木をどんとくれた。
近所の人は趣味で油絵を描くが、ある時たくさんの作品を処分したので、
その木枠をくれた。これも焚きつけになる。
そうやって集めていた薪が、余っている。
積んだまま、朽ちている。
玄関先にも積んでいた。
家の中から取りに行きやすいからだ。
しかし、使わなくなったので、ただの廃材の山となった。
※
玄関先に大きめの鉢を置いて、睡蓮を入れ、メダカを泳がせていた。
玄関あたりに蚊が多いので、その対策でもあった。
鉢もいつしか廃材にうもれ、メダカもやめてしまった。
廃材の山で、風通しも悪い。
雨のあがった後に、玄関前の水たまりがいつまでも乾かない。
これはよろしくない。
気も滞る。
バイクや自転車を置いている。湿気ていては傷んでしまう。
※
気になっていた、大量の薪を移動することにした。
※
トイレに入るたびに、すんなりとトイレに入って便座に腰掛けられる幸せを噛みしめる。
いつも、自分の便意尿意をひとまず抑えて、ひとしきり掃除しなければならない。
トイレが汚れていたら、汚れはトイレだけでは済まない。
おててやあんよに汚れが付いているのに気付かずに歩き回っていかねないからだ。
そういう心配と作業が無い日々の時間が、穏やかである。
まったく、あれこれの不都合や負担を考えてばかりいたら、おかしくなる。
どうしても母がこの家で暮らしたいと言うのなら、
私が出ていくしか無いんじゃないか。とも思う。
そうだ。
出る。
出奔!出奔!出奔!
ムカシのタモリの安産祈願みたいだな。
※
片付けてみると、空になっていると思っていた鉢に、水が溜まっていた。
考えてみればそりゃ当たり前なのだが、見えず、気付いていなかった。
これでは蚊が多いのも当然だ。
近所の小川で拾ってきたカワニナが、ちゃんと生きていた。
ちゃんとちゃんと生きて、意外と栄養が豊かだったらしく、
巨大に成長していた。
泥まみれになっているのを洗ってみると、思いがけず美しい殻だ。
これなら、と思い、南無三、
身に針金を突き通して、木の枝に吊るして、殻から引っ張り出した。
貝だって必死である。
びよーーーんと身が伸びて出てはくるが、
最後の踏ん張りが強い。
私は全体重をかけて引っ張った。
※
貝の身が大きな音を立てて抜けた後、
大きな鍋で殻をよく煮た。
においが消えるまで、水を何度か換えて煮た。
そして、貝の細い先端をディスクグラインダーで少し切り、
電動ドライバーで中心に穴をあけて、
そこに割り箸を突っ込んで、歌口をかぶせて、
石膏を流し込み、固定した。
※
家になんかいられるか!
出てやる!
出家して山に入るわ!
ぼオお~オおオお~
さらばじゃ
いない間に家の補修を進める。
いる時に私が家事をすると、「自分も何か役に立ちたい」と家の中を動き回り、
"掃除"や"片付け"をしてしまい、その後片付けがまたたいへんなことになるのだ。
母が室内で転倒するようになり、薪ストーブは危険だからということで、
数年前にやめた。
去年からは、ストーブを置いていた場所に介護ベッドを置くようになった。
薪が余る。
隣近所にお願いして、庭木を切ったときなどにもらっていた。
東隣は農家で土地持ちなので、どこかで切った大量の生木をどんとくれた。
近所の人は趣味で油絵を描くが、ある時たくさんの作品を処分したので、
その木枠をくれた。これも焚きつけになる。
そうやって集めていた薪が、余っている。
積んだまま、朽ちている。
玄関先にも積んでいた。
家の中から取りに行きやすいからだ。
しかし、使わなくなったので、ただの廃材の山となった。
※
玄関先に大きめの鉢を置いて、睡蓮を入れ、メダカを泳がせていた。
玄関あたりに蚊が多いので、その対策でもあった。
鉢もいつしか廃材にうもれ、メダカもやめてしまった。
廃材の山で、風通しも悪い。
雨のあがった後に、玄関前の水たまりがいつまでも乾かない。
これはよろしくない。
気も滞る。
バイクや自転車を置いている。湿気ていては傷んでしまう。
※
気になっていた、大量の薪を移動することにした。
※
トイレに入るたびに、すんなりとトイレに入って便座に腰掛けられる幸せを噛みしめる。
いつも、自分の便意尿意をひとまず抑えて、ひとしきり掃除しなければならない。
トイレが汚れていたら、汚れはトイレだけでは済まない。
おててやあんよに汚れが付いているのに気付かずに歩き回っていかねないからだ。
そういう心配と作業が無い日々の時間が、穏やかである。
まったく、あれこれの不都合や負担を考えてばかりいたら、おかしくなる。
どうしても母がこの家で暮らしたいと言うのなら、
私が出ていくしか無いんじゃないか。とも思う。
そうだ。
出る。
出奔!出奔!出奔!
ムカシのタモリの安産祈願みたいだな。
※
片付けてみると、空になっていると思っていた鉢に、水が溜まっていた。
考えてみればそりゃ当たり前なのだが、見えず、気付いていなかった。
これでは蚊が多いのも当然だ。
近所の小川で拾ってきたカワニナが、ちゃんと生きていた。
ちゃんとちゃんと生きて、意外と栄養が豊かだったらしく、
巨大に成長していた。
泥まみれになっているのを洗ってみると、思いがけず美しい殻だ。
これなら、と思い、南無三、
身に針金を突き通して、木の枝に吊るして、殻から引っ張り出した。
貝だって必死である。
びよーーーんと身が伸びて出てはくるが、
最後の踏ん張りが強い。
私は全体重をかけて引っ張った。
※
貝の身が大きな音を立てて抜けた後、
大きな鍋で殻をよく煮た。
においが消えるまで、水を何度か換えて煮た。
そして、貝の細い先端をディスクグラインダーで少し切り、
電動ドライバーで中心に穴をあけて、
そこに割り箸を突っ込んで、歌口をかぶせて、
石膏を流し込み、固定した。
※
家になんかいられるか!
出てやる!
出家して山に入るわ!
ぼオお~オおオお~
さらばじゃ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます