犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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ショートステイ七日目 法螺貝篇

2019年10月02日 | Do it myself
[あらすじ] 同居母86歳要介護2パーキンソン病認知症状少々、ショートステイ中。

[あらまあ] 毎月一日に法螺話を書いている。四月馬鹿ならぬ毎月馬鹿である。ばーかばーか

中学一年生でトロンボーンに出会い、ずっとオーケストラで吹いてきて、
二十歳頃にファンクバンドに参加して、バンド活動をしてきた。
ここ十年くらいは、仲間と金管アンサンブルを続けている。

金管楽器は、楽器の中でも特殊である。
何が特殊って、音が鳴らないのだ。鳴る仕組みが無いのだ。
なんだそりゃ。

叩けば鳴る、弾けば鳴る、
楽器とは鳴るように作られているものだが、
金管楽器には共鳴する形は有っても、発音する構造は無い。

奏者が自身の唇を振動させて、音を出している。
だから、金管奏者はただの筒を吹いても音が出せる。
ホースでも、割れたビール瓶でも、ラップの芯でも、なんでも鳴らせる。

そうさ。
先端の欠けた貝殻なんてのも、ただの筒なので、鳴らすことができる。



母が在宅する時にあちこちバタバタと片付けをすると、
母も張り切ってどこぞの棚の「片付け」を始めてしまう。
すると、必要な物が奥においやられていたり、わけのわからんもんが発掘されたり、
とかく、更なる後片付けが必要になる。

だから、いない間にこっそり片付けをする。
玄関先にたまっていた、朽ちてしまった薪を片付けた。
埋もれていた睡蓮鉢に、水が溜まっていた。

鉢には以前、睡蓮を入れて、メダカを泳がせ、近所の小川で拾ってきたカワニナを入れていた。
その残骸の、カワニナの殻が有った。



巨大化は法螺である。
ややこしいな。
巨大化したというのは嘘です。

法螺貝は、ネットオークションで購入した。

法螺貝には、歌口つまりマウスピースを取り付けて吹く。
完成品は何万円もしがちだ。
30㎝は有る大きさの貝と、歌口がセットになったものが意外に安く買えた。(写真)

いまどき、歌口を取り付ける作業の説明など、
インターネットで知ることができる。助かるぅ



歌口には、宗派によって種類がある。
木製のもの、金属製のもの、
真言宗、天台宗、出羽三山、戦国のものなどと、
目的と吹き方によって、それに適した歌口の形状になっている。

なるほど。
リムの厚さ、カップの深さ、スロートの太さ、シャンクの長さなど、
金管楽器のマウスピースも、部分のサイズや形状が
楽器や演奏ジャンルによって異なる。

自分で木を削って作る、ということも考えた。
硬い木の枝は、良質の薪になる。
朽ちにくいから、無事に残っている。

それを適当なサイズに切って、電動ドライバーに固定して轆轤がわりにして、
削ることができる。

とても楽しそうだが、
今回はやめた。
歌口もセットになった商品が安かったからだ。



近所の深大寺は天台宗だ。
私の宗教観は、仏教の中では天台宗の本覚思想に近いと思う。
源流はヨーガにある。

オークションの法螺貝にセットになっている歌口は、
真言タイプだった。
ちょっと残念だが、どんどん妥協する。



貝の先端を少し、ディスクグラインダーで切り落とす。
そして、電動ドリルで穴をあける。
新しく買った電動ドリルドライバーのセットになっているビットでは細かったので、
更に、電動ルーターにφ6mmのハイスカッターをセットして、穴を広げた。

途中、なんか汁が出てきた。
うーん、潮の香り。。。



歌口を仮にかぶせてみる。
6㎜の棒を固定して、石膏で固めた後にその棒を抜く、ということだが、
より外しやすいように、ストローを通してその中に割り箸を入れることにした。

歌口を下にして、支え無しにバランスよく直立するように固定するのが理想だという。



石膏を買ってもちょっとしか使わないので、友人Mに聞いたらやっぱり持っているというので、
ちょいともらった。

石膏を解いて、ちょっと固まりかけてきたところで、
歌口の内部に石膏を詰めていく。

吹き口の側からどんどん入れる。
どんどん入る。
入り切った、と思った頃、石膏が固まり始まる。やばい。

逆さに立ててみると、うまく立たない。
ぐいっとずらそうとするが、もうずれない。

立つ角度になるように、平面の上に歌口を叩きつけるようにして、
わづかにずらすことに成功した。やれやれ。

石膏が固まるスピードとの勝負だった。

つづく
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