犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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ブワッと伸びる

2022年06月01日 | 毎月馬鹿
菊の盆栽をいつかやってみたいと思っている。
けれど、どうも、毎日ちまちまと植物の世話をするということができない。
そんなことできないくらいには、若いのだと思う。

以前、世話になっていた接骨院の先生も言っていた。
「盆栽いじりするようになっちゃ爺だよ。」
そう言いながら、盆栽に水をやっていた。



盆栽に憧れを持っている。
だいたい、ミニチュアってのは楽しい。
子どもの頃、プラモデルが好きだったのと、
今、盆栽に憧れることは、繋がっている。

小さな盆の中で、大きな世界を表現する。
ほんの数十cmのもので、老木のように見せる。
かっこいい。

菊は、草花だと思っていた。
実際、草花だ。
宿根草、つまり同じ所で毎年生えてくる、多年草だ。

なんだが、茎が緑ばかりでなく、木の肌の色になる。
そして茎の表面はゴツゴツとした風合いでもある。
だから、うまいこと曲げたり切ったり太く作ったりすると、
樹木のように見せることができるのだ。

古木の幹の風情のところに、菊の花が明るく咲く。
そんなものが作れる。
岩場を這うように成長した、生命力溢れる大樹に見せることもできる。
そんなこともできる。

やればできる。



この頃、庭の一部で畑を始めた。
葱やスナップ豌豆や南京豆やのらぼう菜などをやっている。

今、旬なのは春菊だ。
毎日、摘みたての柔らかい春菊をもりもり食べている。
毎日毎日、食べても食べても、後から後から伸びてくる。
追われる思いだ。

一昨日あんなに切ったのに、今日はもうこんなに繁っている。
驚くほどの勢いだ。
一体、何が起きているのだろうと思うほどだ。



お隣にお裾分けした。
お隣のお子はまだ小学一年生なので、
口に合わないかな、と思った。

「胡麻和えにしたらおいしいって言って食べましたよ。」と
お母さんが報告してくれた。
お子も「食べた。」と言う。
お子自身は「おいしかった。」とは言わず、
「食べた。」だったが。



庭では他にも、芹だの茗荷だのが勝手に生える。
蕗なんかはいっときは庭を覆い尽くす勢いだった。
わしゃコロポックルか。と思うくらい、蕗が育っていた。



夜、なにやら物音で目が覚めた。
犬が起きて、庭のほうをじっと見て緊張している。
時々、低くうなり声を漏らしている。

なんだろう。
庭を見るが、何かがいる様子は無い。
気配も特に私には分からない。

しかし、犬の様子を見ると、きっと庭に何かがいるのだろう。
ずっと緊張している。

ヤだなー。
人間には見えない何かが見えているのか。
狸かな?猫かな?ハクビシンかな?
それとも目に見えない系の何やらの存在かな?

飼い犬ウーゴくんよ、
何がいるのであれ、
そんなに緊張しなくていいよ。
庭に来ているものは、来ていればいいよ。
好きにさせてやればいいよ。
気に入って来ているなら、来ればいいよ。
良くないものが居着くのは困るけれど、
そういうものじゃないと思うよ。

そう思いながら、私はまた眠ってしまった。



それからどれくらい経ったのか、
直後だったのか、数時間後だったのか、分からないが、
地震が有った。

ゆさ、ゆさゆさゆさ、
と家が揺れた。

ああ、さっき犬が警戒していたのはこの地震のことだったのかな、
と、ねぼけながら納得した。

後で考えると、今まで地震の前に犬が反応していたことなど無いので、
関係無い気がする。

しばらく後にまた揺れた。
余震か。
またどこかで大きい地震が有ったのだろうか。
朝になったら調べよう。



この頃、飼い犬ウーゴくんの目覚めは4時頃だ。
日の出前、明るくなり始めくらいの時間である。

その日の朝も、ウーゴの起きた気配で目を覚まして時計を見ると、
4時ちょっと過ぎだった。

まだ暗い。
けっこう暗い。
今日は曇りか、雨の前くらいの雲なんだろうか。
そう思って、窓の外を見る。

いやに暗いな。
と思うと、
庭の上に葉が繁っている。
正面にはぶっとい幹が立っている。
うおおお。
何やら、
庭の真ん中に大樹が生えている。

???こんなもん無かった。
手前に生えていた山椒やネムの木は、
大樹の根の盛り上がりに押されて傾いている。

地震と思ったのは、この根が家を押していたのか。

驚いて、窓に寄って見た。
木をよく見上げてみようと思って窓を開けた瞬間、むっと香りが流れ込んできた。
木の香りなのだろう。
ネムの木の花が咲き始めているが、その香りとは違う。
もっと青い香りだ。
なんか、嗅ぎおぼえが有る。

やや、
これは。
これは、春菊の香りだ。

大樹を見上げると、確かに、
ごつい枝々の梢には、春菊の葉が繁っている。

春菊って大樹になるんだな。
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