菊の盆栽をいつかやってみたいと思っている。
けれど、どうも、毎日ちまちまと植物の世話をするということができない。
そんなことできないくらいには、若いのだと思う。
以前、世話になっていた接骨院の先生も言っていた。
「盆栽いじりするようになっちゃ爺だよ。」
そう言いながら、盆栽に水をやっていた。
※
盆栽に憧れを持っている。
だいたい、ミニチュアってのは楽しい。
子どもの頃、プラモデルが好きだったのと、
今、盆栽に憧れることは、繋がっている。
小さな盆の中で、大きな世界を表現する。
ほんの数十cmのもので、老木のように見せる。
かっこいい。
菊は、草花だと思っていた。
実際、草花だ。
宿根草、つまり同じ所で毎年生えてくる、多年草だ。
なんだが、茎が緑ばかりでなく、木の肌の色になる。
そして茎の表面はゴツゴツとした風合いでもある。
だから、うまいこと曲げたり切ったり太く作ったりすると、
樹木のように見せることができるのだ。
古木の幹の風情のところに、菊の花が明るく咲く。
そんなものが作れる。
岩場を這うように成長した、生命力溢れる大樹に見せることもできる。
そんなこともできる。
やればできる。
※
この頃、庭の一部で畑を始めた。
葱やスナップ豌豆や南京豆やのらぼう菜などをやっている。
今、旬なのは春菊だ。
毎日、摘みたての柔らかい春菊をもりもり食べている。
毎日毎日、食べても食べても、後から後から伸びてくる。
追われる思いだ。
一昨日あんなに切ったのに、今日はもうこんなに繁っている。
驚くほどの勢いだ。
一体、何が起きているのだろうと思うほどだ。
※
お隣にお裾分けした。
お隣のお子はまだ小学一年生なので、
口に合わないかな、と思った。
「胡麻和えにしたらおいしいって言って食べましたよ。」と
お母さんが報告してくれた。
お子も「食べた。」と言う。
お子自身は「おいしかった。」とは言わず、
「食べた。」だったが。
※
庭では他にも、芹だの茗荷だのが勝手に生える。
蕗なんかはいっときは庭を覆い尽くす勢いだった。
わしゃコロポックルか。と思うくらい、蕗が育っていた。
※
夜、なにやら物音で目が覚めた。
犬が起きて、庭のほうをじっと見て緊張している。
時々、低くうなり声を漏らしている。
なんだろう。
庭を見るが、何かがいる様子は無い。
気配も特に私には分からない。
しかし、犬の様子を見ると、きっと庭に何かがいるのだろう。
ずっと緊張している。
ヤだなー。
人間には見えない何かが見えているのか。
狸かな?猫かな?ハクビシンかな?
それとも目に見えない系の何やらの存在かな?
飼い犬ウーゴくんよ、
何がいるのであれ、
そんなに緊張しなくていいよ。
庭に来ているものは、来ていればいいよ。
好きにさせてやればいいよ。
気に入って来ているなら、来ればいいよ。
良くないものが居着くのは困るけれど、
そういうものじゃないと思うよ。
そう思いながら、私はまた眠ってしまった。
※
それからどれくらい経ったのか、
直後だったのか、数時間後だったのか、分からないが、
地震が有った。
ゆさ、ゆさゆさゆさ、
と家が揺れた。
ああ、さっき犬が警戒していたのはこの地震のことだったのかな、
と、ねぼけながら納得した。
後で考えると、今まで地震の前に犬が反応していたことなど無いので、
関係無い気がする。
しばらく後にまた揺れた。
余震か。
またどこかで大きい地震が有ったのだろうか。
朝になったら調べよう。
※
この頃、飼い犬ウーゴくんの目覚めは4時頃だ。
日の出前、明るくなり始めくらいの時間である。
その日の朝も、ウーゴの起きた気配で目を覚まして時計を見ると、
4時ちょっと過ぎだった。
まだ暗い。
けっこう暗い。
今日は曇りか、雨の前くらいの雲なんだろうか。
そう思って、窓の外を見る。
いやに暗いな。
と思うと、
庭の上に葉が繁っている。
正面にはぶっとい幹が立っている。
うおおお。
何やら、
庭の真ん中に大樹が生えている。
???こんなもん無かった。
手前に生えていた山椒やネムの木は、
大樹の根の盛り上がりに押されて傾いている。
地震と思ったのは、この根が家を押していたのか。
驚いて、窓に寄って見た。
木をよく見上げてみようと思って窓を開けた瞬間、むっと香りが流れ込んできた。
木の香りなのだろう。
ネムの木の花が咲き始めているが、その香りとは違う。
もっと青い香りだ。
なんか、嗅ぎおぼえが有る。
やや、
これは。
これは、春菊の香りだ。
大樹を見上げると、確かに、
ごつい枝々の梢には、春菊の葉が繁っている。
春菊って大樹になるんだな。
けれど、どうも、毎日ちまちまと植物の世話をするということができない。
そんなことできないくらいには、若いのだと思う。
以前、世話になっていた接骨院の先生も言っていた。
「盆栽いじりするようになっちゃ爺だよ。」
そう言いながら、盆栽に水をやっていた。
※
盆栽に憧れを持っている。
だいたい、ミニチュアってのは楽しい。
子どもの頃、プラモデルが好きだったのと、
今、盆栽に憧れることは、繋がっている。
小さな盆の中で、大きな世界を表現する。
ほんの数十cmのもので、老木のように見せる。
かっこいい。
菊は、草花だと思っていた。
実際、草花だ。
宿根草、つまり同じ所で毎年生えてくる、多年草だ。
なんだが、茎が緑ばかりでなく、木の肌の色になる。
そして茎の表面はゴツゴツとした風合いでもある。
だから、うまいこと曲げたり切ったり太く作ったりすると、
樹木のように見せることができるのだ。
古木の幹の風情のところに、菊の花が明るく咲く。
そんなものが作れる。
岩場を這うように成長した、生命力溢れる大樹に見せることもできる。
そんなこともできる。
やればできる。
※
この頃、庭の一部で畑を始めた。
葱やスナップ豌豆や南京豆やのらぼう菜などをやっている。
今、旬なのは春菊だ。
毎日、摘みたての柔らかい春菊をもりもり食べている。
毎日毎日、食べても食べても、後から後から伸びてくる。
追われる思いだ。
一昨日あんなに切ったのに、今日はもうこんなに繁っている。
驚くほどの勢いだ。
一体、何が起きているのだろうと思うほどだ。
※
お隣にお裾分けした。
お隣のお子はまだ小学一年生なので、
口に合わないかな、と思った。
「胡麻和えにしたらおいしいって言って食べましたよ。」と
お母さんが報告してくれた。
お子も「食べた。」と言う。
お子自身は「おいしかった。」とは言わず、
「食べた。」だったが。
※
庭では他にも、芹だの茗荷だのが勝手に生える。
蕗なんかはいっときは庭を覆い尽くす勢いだった。
わしゃコロポックルか。と思うくらい、蕗が育っていた。
※
夜、なにやら物音で目が覚めた。
犬が起きて、庭のほうをじっと見て緊張している。
時々、低くうなり声を漏らしている。
なんだろう。
庭を見るが、何かがいる様子は無い。
気配も特に私には分からない。
しかし、犬の様子を見ると、きっと庭に何かがいるのだろう。
ずっと緊張している。
ヤだなー。
人間には見えない何かが見えているのか。
狸かな?猫かな?ハクビシンかな?
それとも目に見えない系の何やらの存在かな?
飼い犬ウーゴくんよ、
何がいるのであれ、
そんなに緊張しなくていいよ。
庭に来ているものは、来ていればいいよ。
好きにさせてやればいいよ。
気に入って来ているなら、来ればいいよ。
良くないものが居着くのは困るけれど、
そういうものじゃないと思うよ。
そう思いながら、私はまた眠ってしまった。
※
それからどれくらい経ったのか、
直後だったのか、数時間後だったのか、分からないが、
地震が有った。
ゆさ、ゆさゆさゆさ、
と家が揺れた。
ああ、さっき犬が警戒していたのはこの地震のことだったのかな、
と、ねぼけながら納得した。
後で考えると、今まで地震の前に犬が反応していたことなど無いので、
関係無い気がする。
しばらく後にまた揺れた。
余震か。
またどこかで大きい地震が有ったのだろうか。
朝になったら調べよう。
※
この頃、飼い犬ウーゴくんの目覚めは4時頃だ。
日の出前、明るくなり始めくらいの時間である。
その日の朝も、ウーゴの起きた気配で目を覚まして時計を見ると、
4時ちょっと過ぎだった。
まだ暗い。
けっこう暗い。
今日は曇りか、雨の前くらいの雲なんだろうか。
そう思って、窓の外を見る。
いやに暗いな。
と思うと、
庭の上に葉が繁っている。
正面にはぶっとい幹が立っている。
うおおお。
何やら、
庭の真ん中に大樹が生えている。
???こんなもん無かった。
手前に生えていた山椒やネムの木は、
大樹の根の盛り上がりに押されて傾いている。
地震と思ったのは、この根が家を押していたのか。
驚いて、窓に寄って見た。
木をよく見上げてみようと思って窓を開けた瞬間、むっと香りが流れ込んできた。
木の香りなのだろう。
ネムの木の花が咲き始めているが、その香りとは違う。
もっと青い香りだ。
なんか、嗅ぎおぼえが有る。
やや、
これは。
これは、春菊の香りだ。
大樹を見上げると、確かに、
ごつい枝々の梢には、春菊の葉が繁っている。
春菊って大樹になるんだな。
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