犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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モミヂ

2012年11月21日 | おらほ調布
深大寺周辺の紅葉はまだまだです。
まだまだなだけに、早々と紅葉しているものは枯れ色が混じらずきれいですが。

以前と、紅葉を見る目が変わった。

ある年、同じように思ったことがあった。
それまでは紅いのばかりがきれいだと思ったが、
その年、黄色くぼんやり染まった様子を
良いと感じたのだ。

「絵に描いたようね」とか
「着物の柄みたいね」なんて言っているのを聞くと、
違和感を持つ。

自然に打たれて絵を描いているのだし、
自然の中から色を知ったのだし、
自然の物を用いて糸を染めたのだし、
まず景色を美しいと感じてそれをどうにか生活の中に取り込もうとして
絵だの服だのに綴ったのだろうから。

キレイな部分だけを切り取って絵にかく。
更に意匠として布を染める。
実際の自然は、きれいではないものだらけ。
一様の朱とはならないし、虫喰いもあれば枯死もある。

そういう、ぐちゃっとした様子が、今、私は好ましい。

一昨日も見たように、朽ち木に棲む虫もある。
枯れ葉に身をやつす虫もいる。
雑多であればあるほど、いろんな種類の生き物のすみかができる。



ヒトの世も同様だと思う。

高校生の頃、美術準備室で過ごすのが好きだった。
窓も無く、狭い部屋の中は机や画材や何年も前からの堆積物で一杯だった。
ガヤガヤとした学校の中で、ここは自分や自分と似た虫のすみかだった。

私の通った学校の今の校舎は、教室も明るく、廊下も見通し良く、どこもオープン。
隠れたい子どもはどうしているのだろう。
みんな保健室?
保健室まで賑わったら、次はどこへ行けばいいの?

思春期ムシのために、学校にも朽ち木や落ち葉が必要だと思う。

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