goo blog サービス終了のお知らせ 

犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

モミヅ

2012年11月22日 | 国語真偽会
植物公園で。

あまり人のいない奥の細い道を歩いていると、前方に一人の女性が見える。
暗い木立の中の一本の木の名札を見ている。

「バクチノキ。博打の木・・・あんまりいい名前じゃないわねぇ~」

独り言を言う人を私は嫌いでない。
とっかかりがつかみやすい。

木の皮が剥けて、朱い肌が見えているから、博打で赤裸にされた
というのでバクチノキと言うんだそうですよ。

「へえ~!!あら~、ほんとだ。
負けちゃったのね、このひとは。」
ト、しきりと幹を撫でる。



そんな話も実は受け売り。

神代植物公園では、月替りで見頃の植物の解説シートを作っている。
入ってすぐのところに置いてある、A4サイズの色紙がそれだ。
きれいな紙に色刷りの地図なんかいいから、この案内をぜひもらって欲しい。

9月の案内に書いてあったのを憶えていただけのことだ。

11月、今月の解説には、モミジについて書いてある。

モミジは元、モミツという動詞が有ったのだ。

以下は、日本国語大辞典からの受け売り。
植物の解説シートにはここまで言葉のことはネチネチ書いてない。

動詞のモミツ、はじめは四段活用だったのが、平安初期に上二段活用になったという。
(こういう変化は、ままある。誤用が広がったりして。)
紅葉する、という意味のモミツが濁って(こういう変化もままある。)モミヅ、
その連用形のモミヂが紅葉という意味で、名詞的に使う連用形だけが
現代に遺ったわけだ。

古今集の用例が載っている。
「雪ふりて としのくれぬる時にこそ
つひにもみぢぬ 松もみえけれ」

雪が降りしきって年が暮れきっちゃった時こそ、
最後まで紅葉しない松が見えてくるってもんだあね。

常葉(とこは)はめでてえな、ってな歌。


イの段で終わっている言葉は、動詞の連用形かもしれない。
今は使われなくなった動詞をまた使ってみるのも面白いかも。

「東京もそろそろもみぢそうだね。」


コメントを投稿