犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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鰭の名残

2017年03月22日 | イキモノタチ
右手の人差し指と中指に、ほくろがある。

ちょうど同じ高さの位置にチョンチョンと並んでいる。
最近やっと気付いたのだが、これは、元は一つだったのだろう。

よく、胎児の成長は進化をたどることだ、と言われる。
脊椎動物は、魚類から進化してきた。
手は、魚の胸鰭が変化したものだ。
胎児の手も、最初は鰭のような形をしている。

指が分かれるのは、妊娠第7週頃のことだ。
私のほくろも、その頃に二つにいき分かれたのだろう。



魚の鰭の中には、たくさんの骨が放射状に並んでいる。
陸地に初めて上がるようになった四本足の動物には、8本の指があった。

ヒトの場合、5本の指が1本の拇指と4本の指とで対立している。
樹上生活をする哺乳類には、2本と3本で対立しているものもいる。

ひづめの発達した牛や鹿は、ほぼ2本指で立っているようなものだし、
馬に至っては現在では一本だ。



多指症と呼ばれるものがある。
生まれつき指が多い。

先天的なもので、原因は解明しておらず、
頻度は手で1000人に1~2人、足で2000人に1~2人と言われる。
手の場合は親指、足の場合は小指のケースが多い。
1~2歳くらいに大きくなってから、一本に機能をまとめる手術が可能になる。



知人の子が、多指症で生まれた。
片手の指が、一本多い。

老母が「かわいそう」と言う。
「見た目がひとと違うし、いじめられたりもするでしょうし。」と言う。

いじめる輩と、かわいそうと言う人と、
差別感覚があることにさほどの違いは無いと思う。



魚類が出現したのが5億年前か。
両棲類が陸に上がったのが3億8千万年前か。
爬虫類が生まれたのが3億年前か。
人類の祖先が直立して前足が手になったのが、700万年くらい前か。

人、一個人の一生から見たら長い700万年だが、
脊椎動物の歴史から見たらハナクソみてえなもんだな。

じっと手のほくろと見つめ合う。

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