富士山に登ったことが無い。
「一度も登らぬ馬鹿、二度登る馬鹿」という言葉が有るという。
馬鹿のまま一生を終えたくない。
けどたいへんそうだなあ。
※
という人のために、富士塚が有るんだよ。
江戸時代人よありがとう。
富士講の人よありがとう。
神社の境内に築山が有って、
登山道が付いていて、山頂に富士山と書いてありゃ
それは富士山なのである。
富士を祀るのは浅間神社である。
ただ、神社の仕組みとして、
一つの神社の境内に色々な神様を祀る神社が集まっているので、
看板としては浅間神社ではなくとも、
境内に小ぃこく浅間神社が有ったりもする。
※
夢の中で、時々、山に登る。
家から思いがけず近くにこんなにかっこいい岩山が有ったとは!
と喜んで登る。
そんな夢が叶うのが、富士塚だ。
「一合目」「二合目」と数メートルおきに記してあったり、
ちゃーんと中腹に「お中道」が有ったり。
富士講が盛んだった土地では、
大きな富士塚を、すべて本物の富士山から運んできた
ごつごつとした溶岩で築いてある。
現在では富士山の石は持ち出してはいけない。
なんちゃらに指定されているのでなんちゃら法に触れる。
「いっこぐらいよかろ」と思ってはいけない。
年間なんちゃら人の登山客全員が「いっこぐらいよかろ」と思って持ち帰ったら、
富士山の標高が擦り減ってしまう。
やや、
そう考えると、
江戸時代に富士講が大流行して
富士塚を作ることも流行って
あちこちの人が溶岩を持ち帰ったのだから、
ひょっとすると富士山はもう少し高かったのかもしれない。
※
今までブログに書いてこなかったのだが、
私は富士塚が好きなので、あちこちで登っている。
とは言え、マニア的コレクター精神に欠けるので、
まるで網羅はしていない。
ざっと「葛西に多いなあ」くらいの知識しか無い。
都内にも数多く有る。
調布市深大寺に住んでいるが、
2㎞圏内に2つ思い出せる。
ただし、そのうちの1つは
20年くらい前に道路の拡張に伴ってつぶされてしまった。
社殿をセットバックして移築するために、
もとの社殿の裏に有った富士塚をつぶしたのだ。
富士塚の無い浅間神社なんて、コーヒーの無いクリープじゃねえか。
※
探してみたらそうでもなくて、いくつか富士塚について触れてはいた。
https://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/5bb7180756bc140bd2d1c71b9a0982f9
https://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/9e401dbeec7b2a70e71a4d665baeed40
あとは、早稲田のや渋谷のや浦安のが印象的だったが書いていないな。
自分の記録のために今後は書こう。
※
先日やっと品川神社に行ってきた。
都内でも富士塚として有名なほうだと思う。
鳥居をくぐって、長い階段の途中の横ちょに富士登山口が在る。
山頂からの眺めはかなり良い。
ビルの間からレインボーブリッジも見える。
江戸時代ならば、すぐそこに天王洲だの台場だのが見えて
江戸前の海が見渡せたことだろう。
ちょっとずるいと思うのは、塚だけの高さではない、という点だ。
台地が張り出している縁に位置しているのだ。
富士塚の裏手に下山してみると、
あっけなく神社の境内に降り着く。
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