どうやって帰って来たのか、憶えていない。
酒飲みなら経験があるのではないかと思う。
まったく記憶が無いのに、ちゃんと自分の部屋で寝ている。
ただ、やたらに残る酒気が昨夜のお楽しみを思わせる。
この日は、午前中に本郷三丁目でサンスクリットの講座に出席し、
そこから一駅だけ乗って上野御徒町から鶯谷に歩いて書道博物館へ。
見学後は浅草寿町までバスに乗って、そこから蔵前まで歩き浅草線に乗った。
そして五反田で降りてひと駅歩いて大崎へ。
なんで不便な移動をしているかと言うと、都営の一日券を使っているからだ。
都営地下鉄と都バスだけで移動している。
本当は都営地下鉄だけの切符を買おうとしていたのだが、
なぜか新線新宿駅ではその券は無く、間違ってバスも乗れる700円の券を買ってしまった。
だから意地でも一回はバスに乗った。
都営の初乗りは180円、一日乗車券は500円なので、
間違えて買わなければかなりお徳である。
うっかり、浅草線で眠った。
気付くと、列車は地上に出て、駅をぶっ飛ばしてぐんぐん走っている。
京急に乗り入れているのだ。
呆然と景色を眺め、京急蒲田まで連れ去られる。
戻る。
品川で乗り換えて大崎へひと駅乗れば簡単だが、
都営一日乗車券の意地があるので、もうひと駅、泉岳寺まで戻って、
浅草線に乗り換える。
そして五反田で降りてわざわざひと駅歩く。
乗り過ごしのせいで気分的にも疲れた。
それに、行き先の地図を忘れて来てしまった。
私はスマホを持っていないので、家にいる間に地図で調べて、
メモをして出かける。旧態依然である。
しかたない、調べたときの記憶を頼りに、会場を探すしか無い、
たぶんこんな感じのマンションの何階かだったよなー、
と見ると、展覧会の看板が出ていた。
すんなりと見つかって、元気回復。
「酒の書と酒の文化展」
好きなものと好きなものの組み合わせですわよ。
入場無料。各地の酒の試飲あり。
行かざなるまいエエ。
マンションの3室にわたって、日本と中国の
酒にまつわる書作品が、ところ狭しと展示してある。
すごい量だ。
見ごたえがある。
そしてさらにもう一室が開放してあり、ずらりと一升瓶が並び、
ご自由に試飲なさってくださいなんて夢のような
あ、はい、小さなそのカップに3杯までですね、はい。
愛媛の酒は初めてだ。
まずはこれから。「伊予 賀儀屋」無濾過純米吟醸
愛媛県産 松山三井100%使用 精米歩合50% alc.15.5%
うおう。ほどほどの酸味によい香り。
いろんな地方の酒が飲みたい。次は関東。
「まつのことぶき」
とちぎ酒14 100%使用 精米歩合88%! alc.16-17% 酸度1.6
酸味強い。それにしてもご飯食ってるかのような精米歩合だこと。
味が濃いというより味が強い。
ひとやすみしてテーブルについて飲んでいると、声を掛けられた。
「酒販関係の方ですか?」
妙に熱心にメモなど取っているので、商売かと思われたようだ。
いえいえ。酒も好き、書もただ好きなだけです。
「あまり広く宣伝していないので、書道関係の方か
うちのギャラリーのお客さんくらいしか見えないんですが」
へえ、もったいない、面白い企画なのに。
「十月一日が日本酒の日ということなので、来年もこの時期にやろうと思っています」
ほっほーー!楽しみにしています。
佐久の天来記念館と、大澤酒蔵の書道美術館の話などをちらっとする。
テーブルを囲んでギャラリーの常連さんらしき人たちがワイワイしゃべっている。
その人たちが指して、みんなあれがおいしいって言う、と噂している一本を最後に。
「白木久 BASARA」 純米大吟醸
コシヒカリ100%使用 精米歩合50% alc.16-17%
無濾過原酒 一回火入れ 瓶囲い
わー、なんというとろみ。舌触りがたまりません。
「それおいしいわよね」
と、常連のご婦人が声をかけてきた。
「ご専門なの?」
いえいえ、ただの酒好きです。
「瓶を持つ手つきが違うわ」
あははは。
さて。
不思議なのは、深酒に酔った辺りから記憶を失くしているのなら分かるのだが、
たくさん飲むその前のところから記憶が無いのだ。
初対面の画廊主と、常連さんたちと連れ立って、
マンションの外に出たところまでは憶えている。
ここではまだ小さなカップに3杯しか飲んでいないのだから、
記憶していても良さそうなのに。
それに、初対面の人たちと一緒にいて、
しかも自分より年配の方々の中にあって、気を遣って緊張しているはずなのに。
挨拶して帰ろうとすると、常連さんの一人が
「たくさん飲んでね」と声をかけてくれた。
いやいや、帰り際じゃなくてもっと早く言ってよー、と思いつつ。
あはは、飲み足りないです、火だけ着いちゃった、
なんて言ったら、
「どうですご一緒にこれから。ちょっと歩くけど、隣の五反田に
日本酒を安く出す店があるんですよ。」ときたもんだこりゃ。
飲めるし、書の話も聞けるかもしれない。
乗った。
結局なーにもかも忘れている。
なんせ初対面の年上の方々との行動なんだから、
いちいち気を遣っているはずなのに、何も思い出せない。
10分ほど歩く道すがら、店に入って席に着くとき、飲み物を選んで注文するとき、
好きなつまみを注文するとき、ではそろそろ帰りましょうというとき、
会計するとき・・・
そうだ、会計はどうなっているんだろう。
ちゃんと払っただろうか。
ご馳走になっていやしないか。
うーむ、しかたない、後でお礼の電話をしよう。
恥ずかしくって話したくないけど。
酒飲みなら経験があるのではないかと思う。
まったく記憶が無いのに、ちゃんと自分の部屋で寝ている。
ただ、やたらに残る酒気が昨夜のお楽しみを思わせる。
この日は、午前中に本郷三丁目でサンスクリットの講座に出席し、
そこから一駅だけ乗って上野御徒町から鶯谷に歩いて書道博物館へ。
見学後は浅草寿町までバスに乗って、そこから蔵前まで歩き浅草線に乗った。
そして五反田で降りてひと駅歩いて大崎へ。
なんで不便な移動をしているかと言うと、都営の一日券を使っているからだ。
都営地下鉄と都バスだけで移動している。
本当は都営地下鉄だけの切符を買おうとしていたのだが、
なぜか新線新宿駅ではその券は無く、間違ってバスも乗れる700円の券を買ってしまった。
だから意地でも一回はバスに乗った。
都営の初乗りは180円、一日乗車券は500円なので、
間違えて買わなければかなりお徳である。
うっかり、浅草線で眠った。
気付くと、列車は地上に出て、駅をぶっ飛ばしてぐんぐん走っている。
京急に乗り入れているのだ。
呆然と景色を眺め、京急蒲田まで連れ去られる。
戻る。
品川で乗り換えて大崎へひと駅乗れば簡単だが、
都営一日乗車券の意地があるので、もうひと駅、泉岳寺まで戻って、
浅草線に乗り換える。
そして五反田で降りてわざわざひと駅歩く。
乗り過ごしのせいで気分的にも疲れた。
それに、行き先の地図を忘れて来てしまった。
私はスマホを持っていないので、家にいる間に地図で調べて、
メモをして出かける。旧態依然である。
しかたない、調べたときの記憶を頼りに、会場を探すしか無い、
たぶんこんな感じのマンションの何階かだったよなー、
と見ると、展覧会の看板が出ていた。
すんなりと見つかって、元気回復。
「酒の書と酒の文化展」
好きなものと好きなものの組み合わせですわよ。
入場無料。各地の酒の試飲あり。
行かざなるまいエエ。
マンションの3室にわたって、日本と中国の
酒にまつわる書作品が、ところ狭しと展示してある。
すごい量だ。
見ごたえがある。
そしてさらにもう一室が開放してあり、ずらりと一升瓶が並び、
ご自由に試飲なさってくださいなんて夢のような
あ、はい、小さなそのカップに3杯までですね、はい。
愛媛の酒は初めてだ。
まずはこれから。「伊予 賀儀屋」無濾過純米吟醸
愛媛県産 松山三井100%使用 精米歩合50% alc.15.5%
うおう。ほどほどの酸味によい香り。
いろんな地方の酒が飲みたい。次は関東。
「まつのことぶき」
とちぎ酒14 100%使用 精米歩合88%! alc.16-17% 酸度1.6
酸味強い。それにしてもご飯食ってるかのような精米歩合だこと。
味が濃いというより味が強い。
ひとやすみしてテーブルについて飲んでいると、声を掛けられた。
「酒販関係の方ですか?」
妙に熱心にメモなど取っているので、商売かと思われたようだ。
いえいえ。酒も好き、書もただ好きなだけです。
「あまり広く宣伝していないので、書道関係の方か
うちのギャラリーのお客さんくらいしか見えないんですが」
へえ、もったいない、面白い企画なのに。
「十月一日が日本酒の日ということなので、来年もこの時期にやろうと思っています」
ほっほーー!楽しみにしています。
佐久の天来記念館と、大澤酒蔵の書道美術館の話などをちらっとする。
テーブルを囲んでギャラリーの常連さんらしき人たちがワイワイしゃべっている。
その人たちが指して、みんなあれがおいしいって言う、と噂している一本を最後に。
「白木久 BASARA」 純米大吟醸
コシヒカリ100%使用 精米歩合50% alc.16-17%
無濾過原酒 一回火入れ 瓶囲い
わー、なんというとろみ。舌触りがたまりません。
「それおいしいわよね」
と、常連のご婦人が声をかけてきた。
「ご専門なの?」
いえいえ、ただの酒好きです。
「瓶を持つ手つきが違うわ」
あははは。
さて。
不思議なのは、深酒に酔った辺りから記憶を失くしているのなら分かるのだが、
たくさん飲むその前のところから記憶が無いのだ。
初対面の画廊主と、常連さんたちと連れ立って、
マンションの外に出たところまでは憶えている。
ここではまだ小さなカップに3杯しか飲んでいないのだから、
記憶していても良さそうなのに。
それに、初対面の人たちと一緒にいて、
しかも自分より年配の方々の中にあって、気を遣って緊張しているはずなのに。
挨拶して帰ろうとすると、常連さんの一人が
「たくさん飲んでね」と声をかけてくれた。
いやいや、帰り際じゃなくてもっと早く言ってよー、と思いつつ。
あはは、飲み足りないです、火だけ着いちゃった、
なんて言ったら、
「どうですご一緒にこれから。ちょっと歩くけど、隣の五反田に
日本酒を安く出す店があるんですよ。」ときたもんだこりゃ。
飲めるし、書の話も聞けるかもしれない。
乗った。
結局なーにもかも忘れている。
なんせ初対面の年上の方々との行動なんだから、
いちいち気を遣っているはずなのに、何も思い出せない。
10分ほど歩く道すがら、店に入って席に着くとき、飲み物を選んで注文するとき、
好きなつまみを注文するとき、ではそろそろ帰りましょうというとき、
会計するとき・・・
そうだ、会計はどうなっているんだろう。
ちゃんと払っただろうか。
ご馳走になっていやしないか。
うーむ、しかたない、後でお礼の電話をしよう。
恥ずかしくって話したくないけど。
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