犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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言語学オリンピックは謎解き

2022年11月25日 | パズル

とある、名前を聞いたことも無いような言語で、
いくつかの訳文付きの例文が示されている。
それを見て、法則を見付け出す。
そして、問題を解く。

問題は、日本語の文をそのナンチャラ語に訳しなさい、といったもので、
そんなのできっこないよー!と思っても、
案外できるもんなのが、言語学オリンピックの醍醐味なのだろう。



難易度低めの問題が、「お試し問題集」としてまとめられている。
https://iolingjapan.org/sample-problems/
まずはここから解いてみる。

最初はインドネシア語だ。
脳裏ではジャルジャルの漫才「国名わけっこ」のテンポ良い掛け合いが響く。
「インド!」「ネシア!」「イン!」「ドネシア!」
静かにしてくれ。私はこれから問題を解く。

6つのインドネシア語と日本語訳が提示されている。
jalan 道
berjalan 歩く
berkeringat 汗をかく
keringatan 汗びっしょり
nafas 息
duri とげ

ほほう。
「歩く」も「汗をかく」も「ber」から始まっている。
この「ber」って部分が動詞なんだろう。
「歩く」という語は、「ber + jalan」つまり「道を〇〇する」で、
「汗をかく」は「ber + keringat」だから、「keringat」のところが「汗」なんだろう。

そして、「keringatan」の意味が「汗びっしょり」ということは、
「an」が「びっしょり」とか「たくさん付いている」とかいう意味なのだろう。

さて。問題はまず「keringatを日本語訳しなさい」という。
へっへ。もう分かってるもんね。「汗」。

次の問題は、「息をする」「とげまみれ」をインドネシア語にしろという。
へっへ。「〇〇する」は「ber」だもんね。「bernafas」。

「まみれ」は「びっしょり」の部分だろう。
じゃあ「durian」か。

解答を見ると、全部正解で気持ちよくさせて貰えるのだが、さらに、
この「durian」「とげまみれ」は果物のドリアンのことだと解説してある。
うわああ。そうか!納得。

今後ドリアンを食べることが有ったら、「とげまみれ」だなと思うだろうけれど、
まずドリアンを食べてみたいとあんまり思わない。
噂によるとすごく臭いらしい。
そんなに臭いのなら「臭い実」とかいう名前が付いても良さそうだ。
しかし「とげまみれ」という名前であるということは、
この実に名付けた人たちは、ドリアンを剥いてみていないのである。
食ってみよう剥いたぜ「くっせええ!」
となっていない。
見た目で名前を付けている。
「とげまみれ」が有った、どうせ臭いから見るだけね。
ということが起きていたんじゃなかろうか。

などと思いめぐらす。



イタリア語の作問者は岡本沙紀さんとある。
テレビのクイズ番組「東大王」に出演していた人だな。
これも、解いていく中で既に知っている事と気持ち良く繋がる。

イタリア語 日本語訳
tira giù la leva   レバーを下げて
tirami giù     私をこき下ろして
tira su la manica 袖をまくって
tira giù la manica 袖を下ろして
tiraci su     私たちを応援して
問題。「私を応援して」は?



トンガ語は数式がいくつか提示されている。
これだけで、数字の呼び名を導き出すことができる。
つまりこれは、言語学と言いながら実は覆面算なのだ。

この問題がトンガ語であるのには理由が有ると思う。
外国語を学習していて思うのは、
日本語の数字の表し方がわりとシンプルなことだ。
「52」は「五十二」、「1984」は「千九百八十四」など、
上の位から順番に、数・桁を言えば良い。

日本語に慣れていると、これが合理的であり、当たり前だと思うけれど、
言語によっては「52」を「十五二」と言ったり、
「80」を「四二十」と言ったりという言語も有る。なんのこっちゃ。
ついでに、28より大きい数は無いとか、3桁の数は無いとかいった文化も有るそうだ。
12進法が混ざる文化も有る。

トンガ語の数字の表し方はいたってシンプルである。
「117」なら「百十七」ではなく、「一一七」と言う。
桁?位?並んでんだから順番に言えばいいじゃーんてなもんである。

だから、覆面算にして解きやすい、というわけだ。



ワルピリ語で「Maliki ka parnkami.」は
「犬が走っている。」なんてのを解く。
地球上の一体どこやらとも知らぬ言語で、
「犬が走っている」という自分が毎朝のように見ている光景を表現して
なんだか不思議な気持ちになる。

過去問も解いてみようか。
お試し問題よりぐっと難しそうだ。

難易度で並べ替えたり絞り込んだりできる。お便利なり~
https://kotohazi.netlify.app/problems/

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (令和の少年)
2023-12-14 22:15:47
まるで暗号解読コンテストみたいですね。
返信する
そうなんです (す~さん)
2023-12-15 10:26:30
暗号好きにはたまらないです。
そう考えると、世界はなんとお楽しみに満ちていることか。

バベルの塔バンザイ
返信する

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