夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

冬? 横浜 三渓園の冬景色(?)

2007年01月17日 10時04分18秒 |  写真
上京して最初のころは季節の移り変わりに凄く違和感があった。
長崎では6,7,8月、、、などとその時期その時期に咲く花があり、周りを飛び交ったり、鳴いたりしている昆虫にも時期による棲み分けがあった。
6月ころに鳴きだした蝉は、盛夏の時期にはひそやかになるし、盛夏に鳴く蝉は7月には鳴かない。
これは花も同じだった。あの花とこの花が一緒に咲くことはないはずが、、、
東京(正確には静岡以北、、、最近はまた温暖化などの影響か、そのカレンダーが乱れてきているので、その当時はということだけど)では、私の頭にある5月くらいから10月くらいの花がいっぺんに咲いている。
これが東北に行くと、本当に早春から晩秋の花が一度に咲いているのをみて、もっとおかしくなったりしていた。(今年のお正月の日記の写真を見てください)

逆に言えば、北国や高地の寒いところにで自分の季節感を植え付けられれば、長崎なんかの冬の自然に違和感を覚えられると思う。11月の終わりに茶花にする野の花がもうないよって北海道の方が言われていた。10月の晩秋、11月はもう冬、十二月から3月くらいまでは雪に覆われる地方だから、冬の景色ははっきりとしているのでしょうね。

南北に長い日本。どこに季節の基準を置くのだろう。

なんてことを昨日は痛切に感じていた。
昨日は、横浜の三渓園に行ってきました。



夏と見まがうばかりの光陽に照らされた青葉。





その下では冬の水仙や白梅が咲き、







梅にはお約束の鶯が来て、、、なかった。
紛らわしい目白め。



黄葉や紅葉の傍には新芽を出してきている木々がある。









葉っぱを剪定された紫陽花は新芽を吹いているけど、剪定されなかった紫陽花はまだ緑葉をつけている。



ムラサキツユクサが近くで咲いていることは日記に書きましたが、陽もろくに当たらないベランダにはまだナデシコが花をつけ、たくさん蕾をつけている。岬ではスィートピーの花が満開の紅梅や蝋梅に混じって咲いている。
近間に行くと、ちょっと回り道をしてこれらの花を見ていくけど、元気旺盛な姿を見ると嬉しくなるのと同時に、心配になる。愛があっても、環境がなければ、愛はまっとうできないかもしれない、それが現実なんだけどってね。

ということで今日の日記はお終い。


アーティスト・イニシアティブ

2007年01月17日 00時12分07秒 | 芸術・文化
随分前にアーティスト・イニシアティブに関して、ちょっとネガティブなコメントをかいた。
残念ながらこの思いは今でも変わっていない。

アーティスト・イニシアティブの理想は、これによりアーティストが新しい視野、経験、そして人とのネットワークを作っていくことができるということだろう。

アメリカのことはあまり判らない。でもヨーロッパではある程度それが可能かもしれない。そこには国や財団、そしてメセナなどの助成金の制度があり、それさえ受けれれば作家は後はあくまでアーティスト同士での運営的な努力を傾ければいいし、確かにこれはアーティストにとってはかなり有益な経験を与えることになると思う。

でも、そのヨーロッパでも、これをやっているアーティストは運営、経営で手一杯になり、自分の作品を作れなかったり、継続的にやっていくプランであると、自分が作家であることを諦めるしかないような状況も見聞きしてきた。

まして、資金的な援助が殆どない日本の場合には、かなり有名になって来た企画であっても、企画、運営に携わるアーティストにとってお金をかき集めるだけで、自分たちにとって何のメリットもない状況で終わってしまうケースを見てきている。

今、これを横浜市がやろうとしている
横浜市はこのほかにもさまざまな文化活動の実績があり、それ以上に市民のボランティアの環境が素晴らしいところ。横浜のケースは旨く行くだろうとおもう。
でも、そこで学んだことが果たして他の場所で再現可能だろうかということになるととてもまず無理だろうなという気がしている。

むしろアーティスト・イニシアティブを啓蒙するよりも、きちんとしたマネージャーを育成していくことの方がより、有効な活動ではないかと思えるのだけど。

きちんとしたマネージャーとは、アーティストの求めているものを把握でき、アーティストが持っていない実務的な能力を持っている人。
これは単に学校で椅子に座って勉強するだけでなく、それ以降の実際の経験が物を行ってくる。
アート・マネージメントを教える学校や塾のようなものは多いが、実務を経験させるところは殆どない。
というより、教えている教授スタッフが無名の段階から、一歩ずつネットワークを築き、経験を積んできたという人は殆どいないのだから、教えようにも教えられないかもしれない。
でもこのようなスタッフをもっと研修させるようなシステムを横浜が作れば、アーティスト・イニシアティブを推し進めるよりももっと素晴らしいと思えるのだけど。