まだ、蓮の花にはちょっと間がありますが、未草はもう咲いているのではないかと、トンボの沼を訪ねました。
たくさんのヒツジグサが咲いておりましたね。下の写真の白いのがヒツジグサの花です。ちょっと見難いですね。
今日は雨だったので人もいなくて。鳥の声だけの静かな池に、雨に洗われた周りの緑が写りこみ、湿った空気の中に新緑の香りが漂い、すばらしい雰囲気を作り上げていました。
トンボの沼はその名前のようにさまざまなトンボが生息していますし、花や、木々の移り変わりもすばらしい。
鳥も多く、特に冬場のコハクチョウは、必ず撮影に訪れる被写体になってくれています。
こんな場所へ家から10分もしないで行けるのですから、岬を選んで大成功でした。

ところでヒツジグサですが、スイレン目、スイレン科、スイレン属にぞくしています。日本に自生するスイレンはヒツジグサだけだということです。
ちなみにハスは、同じスイレン目ですが、ハス科の植物になります。
ハスとスイレンの違いは以前にかいておりますので、そちらを参照してください。(本文ではなくて下のレスの部分にかいていました)
ただ、私的には、ハスだろうとスイレンだろうと同じジャンって感じで見てしまいます。
どうも、小股の切れ込みがぐっと深いとか、水面から身を乗り出しているなんてのは、私にはどうでもいいことなので、、、、
なので、ヒツジグサを見ても、いつもの、
蓮の葉にたまりし水は釈迦の涙かありがたや、
ところへ蛙がピョコト出て、それはわたしの尿(しい)じゃいな
なんて歌を思い出してしまうのですけど、、、、
ちなみに写真は蓮の葉です。紛らわしくってごめんなさい。
葉っぱの「小股の切れ込み」がないざましょ。おまけに水をはじいていますね。
上の詩、噂によれば、これは涅槃という地歌にあるのだそうですけど、その歌を聴いたこともないし、周りで地歌に詳しい人もいないので確認できておりません。

ところで、ヒツジグサの昔の名前がタワミズラ(多波美蔓)だという説があるのですけど、逆に昔のタワミズラは今のなんだろうと見ると、ヒルムシロ、ジュンサイ、ヒツジグサ、ミクリ、はてはツユクサ説までずいぶんといろいろな解釈があるようです。
万葉集には多波美蔓を使った詩があります。
安波峯(あはを)ろの峯(を)ろ田に生(お)はる多波美蔓(たはみづら) 引かばぬるぬる吾(あ)を言(こと)な絶え
万葉集 14-3501
詠み人知らず
そして、安波峯ろ の「ろ」は東方言という説がありますので、この歌は東歌。安波は阿波ではなくて、安房、房総の館山なのかもしれませんね。
ちなみに国分寺の万葉植物園では阿波をとっています。
安波峯にある田に茂っているヒツジグサのように、引き抜いても葉っぱや枝が抜けるだけで本体は抜けないように、私のことを忘れないで文を絶やさないで(つまり浮気はしかたないけど、私を忘れないでってことなのでしょうか?)
これから見ても、あまり未草って感じはしないかもしれませんね。
でも、この歌の解釈、自信がありませんので、あまり本気になさらないように。
えっ? 私のあなたに対する気持ちもお疑いですか、それだけは疑わないように、、、、
手も足ももがれても、あなたについてまいりますって、、、、
(と、言うことにしておきましょうね)