夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

寂しさはその色としもなかりけり

2008年09月22日 21時16分37秒 |  気になる詩、言葉


三夕の歌は西行の

心なき身にも哀れは知られけれ
      鴫立つ沢の秋の夕暮れ

を、椎木堰の紹介のときに使っているだけでした。

この歌の他は、藤原定家の

見わたせば花も紅葉もなかりけり
      浦の苫屋の秋の夕暮れ

寂連の
          
寂しさはその色としもなかりけり
      真木立つ山の秋の夕暮れ
           
があることはご存知だと思います。


秋は花や紅葉で飾られます。
でも秋の寂しさはその花や紅葉の色から来るのではない、
杉や檜のような常緑の山にも、夕暮れとともに、秋の寂しさは忍んでくるのだ、、、

三夕の歌の中で、寂連法師のこの歌はともすれば軽んぜられる傾向があるようです。上の二つに比べれば、ストレートに響いてくるものではないかもしれません。でも、噛み締めていると、この歌の詩情があなたの心にじわっつと沁みてくるかもしれませんよ。


死んで花実が、、、

2008年09月21日 20時31分30秒 |  岬な日々

岬では夜、道を車で走っていると、無数のアマガエルがぴょんぴょんと横切ってきます。本当に多数のアマガエルをひき殺したのだと思います。何とかならないかとは思いますが、どうしようもないですね。もう地獄への切符が確約されたようなものかもしれません。

ところで、このアマガエル、世の中を悲観して今にも飛び込もうとしておりますが、アマガエル君に声をかけようとして、はたと思い至りました。

死んで花実が咲くものか、
死んで花実が生(な)るものか

死んで花見がなるものかっていうのは誤用みたいですけど、上の二つ、果たしてどちらが正しいのでしょうね。



ニホンアマガエル;
体長3-4センチ、雌の方が大きいのだそうです。
背中が黒っぽくなることもある。
きれいな緑色の小さな蛙なので、女の方などでも嫌やがる人がすくないのですけど、背中などからは分泌物が出ていて、これは有毒。目などに入ると痛い、場合によっては失明の危険さえあるそうですので注意が必要です。

我輩は猫である

2008年09月21日 17時37分24秒 |  岬な日々


我輩は猫である。
名前は、、、、、、名前は、、
人に言わないでくれる?
鼻黒 万之助
笑わないでよ。

我輩の飼い主がこんな名前をつけたのだ。
我輩は、改名を申請したいと思っておる。
いくら飼い主だからといって、こんな名前をつけるなんて、横暴すぎる。

今はまだいい、でもあと半年もして、かわいい雌に出会ったときにも、この名前じゃ、成就する恋も笑いの中に崩れてしまうと不安を感じておる。


名前   鼻黒 万之助
生年月日 2008年6月27日生まれ
性別   男性
住所   いすみ市岬町だるま庵気付け

天つ空なる人をこふとて

2008年09月21日 10時53分29秒 |  気になる詩、言葉


ゆふぐれは
    雲のはたてにものぞ思ふ
  天つ空なる
      人をこふとて
           古今集
           読み人知らず


夕暮れの雲の果てを見ながら思いに沈む
  手の届かぬあの方を思い焦がれながら


今の若い人にとっても、片思い、あるいはそのほかのいろんな理由で心に思うだけで、手が出せない人を思う気持ちは分かるでしょうね。

彼岸花  壱師(いちし)なのかな?

2008年09月20日 21時52分45秒 |  気になる詩、言葉


彼岸花、この花のことを調べているとなんて別名の多い花なんだろうって吃驚する。
彼岸花、曼珠沙華は誰もが知っている名前、
でも、死人花(しびとばな)、幽霊花(ゆうれいばな)、地獄花(じこぐばな)、剃刀花(かみそりばな)、葬式花、仏花、手腐花(てくさればな)、かぶればな、、、
どうも、日本では忌み嫌われている花のようです。
なぜなんでしょうね???

一応外来種。でも一説によると米と一緒に入ってきたといわれているそうで、歴史は古代まで遡るわけで、ほとんど在来種と同じようなものなのでしょうね。

鱗茎に有毒成分を含むので、ねずみとかモグラよけなどとして田んぼの畦やお墓の周りに植えられていたらしいのです。

もしかしたら以前取り上げたかもしれません鍾馗水仙(しょうきずいせん)は彼岸花の黄色の変種ですね。



ところでもう一つの別名、、、それが私にはちょっと大変なんです。それが壱師(いちし)。

道の辺の壱師の花のいちしろく
     人皆知りぬわが恋妻は 
           万葉集
           柿本人麻呂

道端に咲いている壱師の花のように
     私が妻を恋していることを人は皆知っている

この壱師の花がなんだろうというのがずいぶんと問題にされていたらしいのです。
それに対して、彼岸花の漢名、石蒜(せきさん)は今でも彼岸花の鱗茎を使う生薬(鱗茎は有毒だと上に書いていますね、その毒の成分が薬としても作用するのです。ただ毒性が強いので、素人が処方するのは危険です)の名前として使われています。この石蒜が「いしし」とも読める。そしてそれが「いちし」に転化した。だから壱師の花は彼岸花であるとする説があります。この説では「いちしろく」は明白にという意味で使われているというのですけど、、、、はて?

それはともかく、毎年彼岸花をアップしているのに、今年は彼岸になっても彼岸花をアップしていない。それはまずいということで、畦に咲いている彼岸花を撮ってまいりました。



秋明菊(貴船菊)  Anemone hupehensis var. japonica

2008年09月19日 11時57分46秒 |  あなたの鼓動、華


秋明菊。
今花壇を飾っている花で、かなり古い時代から日本に入っている花。
京都の貴船の秋明菊は特に有名で、貴船菊との別称もあると図鑑などには書かれていますけど、貴船菊は赤の八重の秋明菊のことを指すという人もいますね。
別名を秋牡丹とも。

非常に知られた花なのに、なぜか大和詩に歌われることが少ないのではないかな?
というのか、私が知らないだけかもしれないけど。
うろ覚えでもキーワードを覚えていないとググることもできないですよね。
なにか、ご存知の詩がありましたら教えてください。




菊の名前がついているけど、菊ではなくアネモネの仲間; Anemone hupehensis var. japonicaです。 
キンポウゲ科イチリンソウ属シュウメイギク。
ところで花弁に見えるのは、萼の変わったもので、花弁ではないそうです。
でも、こんな知識は学者さんには興味があるでしょうけど、私のような素人には「花弁でもいいじゃん」ですよね。

半日陰でも咲きますし、丈夫なので、お勧めの花。
多年草なので、毎年花を咲かせてくれます。
私は、一日陽のあたる、からからの庭に白の秋明菊を植えていたことがありますが、隣の侘助を脅かしていました。



それにしても、木の陰などで密やかに咲いている秋明菊なんて風情がありますけど、台風が近づいてきている曇りの日に撮った写真なのですが、ずいぶんとくっきりと色がでていますね。リサイズ以外の現像処理は何も加えていないのですけど。

共通データ
D300
MicroNikkor 200mm F. 4
ISO 400
WB Auto


我はけさうひにぞ見つる花の色を  バラ  ゴールドストライク  

2008年09月19日 10時28分53秒 |  気になる詩、言葉


もともと日本には古来種のバラ、ノイバラの系統があったのだそうです。その後中国から新しいバラが入ってきて定着し、さらに近年は西洋のバラが入ってきて、いろんな系統が存在しています。

ノイバラは万葉集では宇万良(うまら)と呼ばれ、荊とか荊棘と書かれています。
これが後に 「うばら」「花うばら」「野うばら」「野いばら」と転化して行ったそうです。
中国原産の薔薇は、最初はその訓をとって「そうび」と呼ばれていたらしい。
これが庚申バラ、つまり日本の園芸種のバラの母体になったとのこと。

我はけさうひにぞ見つる花の色を
          あだなる物といふべかりけり
                           紀貫之

これは「けさ」と「うひ」にぞに「さうひ」を読み込んであるのですね。

トップの画像は現代の園芸種。ゴールドストライクです。
存在感のある黄色と、しっかりした花びらが優しい中にも毅然としたものを感じさせる種類ですね。




この日記のオリジナルは2007年の5月31日に書いたものですが、トップのバラがあまりにもひどくて、写真を変更し、日記のてにおはを変えました。
日付も今日に変更し、カテゴリーも変えています。


共通データ
D300
MicroNikkor 200mm F. 4
ISO 400
WB Auto

招かれざる客  台風13号

2008年09月19日 02時16分33秒 | 日記
今日の夕方から岬(いすみ市)なのだけど、台風が追いかけてくるようですね。
このままいけば20日には台風の暴風圏内に入りそう。
いや、困った。
20日の夕方には5-6メートルの波になりそう。
私はきっと「波を撮りに行きたい」なんて騒ぐんでしょうね。

あらら、たいへん   生命保険のこと

2008年09月18日 11時15分14秒 |  姥捨て山は大騒ぎ

AIGの経営が悪いということをよその山の話だって聞いていましたけど、気が付いたら、アリコやAIUはその傘下なのですね~

学生時代から入っていた生命保険があったのですけど、担当者から新しい保険に書き換えて欲しい、こちらのほうがいろいろと有利だからということで以前の保険の積み立てたものを組み入れて、新しい保険にしました。
ところが、60になったら、それまで月々1万ちょっとだったのが、急に3倍近くに保険料が跳ね上がるという通知が来ました。

いくらなんでも、保険をかけている人々が、これから年金だけが頼りになる時期に、ただでさえ生活費を締めなければいけない時期に、なぜこのような保険料の設定ができるのか、保険者のことをまるで考えていない保険。そしてそれをよく知らせないままにこの保険を勧誘した保険会社に嫌気がさして保険を解約してしまいました。40年近く支払ってきた保険料からすれば一割にも満たない額しか戻りませんでしたけど、この保険会社に嫌気がさしていたので諦めました。

ちょうどそのころ、保険料が一生変わらない、保険料も今までのものと比べるとはるかに安い入院保険などを外資系の保険会社がさかんに宣伝していました。
世界の荒波にもまれた経験のある外資系は保険をかける人たちのことをよく知った設定、宣伝をするなとかなり食指が動いたのですけど、支払う保険料とカバーするものを見ていると、果たしてこれで会社がやっていけるのだろうか、どこかに落とし穴があるのじゃないだろうかって気になって、契約までは行きませんでした。
友人も、外資系の場合、支払条件が非常に厳しくて、思ったほどの保険がおりないことが多いと注意してくれましたし、、、、

それが、今度の金融不安で、AIGがおかしくなってきている。
どうしようかと思い悩んでいた保険会社がその傘下にあるということで、さて私の保険はどうしたものかと、またまた悩みが増えました。

入院などの保険よりも、むしろ葬式くらいは出せる程度のものを残したいというのが一番の望みなんですけどね~

さてさて、三途の川への道をとぼとぼと歩いていかなければならないこのときに、渡し賃すら用意できないのじゃ、どうしようもないですよね。
どうしたものかね~


それにしても、金が敵の世の中になりましたね~
金を持っていれば、犬や猫でも老人(老犬)ホームに入れるんですよね。
私は人間だけど、老人ホームは高すぎて、払えないよ。

ご案内 ブックマークを3っつ追加しました

2008年09月18日 09時14分23秒 | 日記


昨日一つと今日二つブックマークを追加しました。
昨日のは、Akiさんとおっしゃる歌手の方のブログ。「空気色のアルバム」です。
写真と一行の言葉で綴られたフォトブログですが、とても感性が素晴らしいので、ご紹介したくて追加しました。

今日の二つは、恥ずかしながら身内のHPです。

一つは弟のもの。「芦塚音楽研究所
弟はマーラーの最後の弟子の一人、プリムスハイムにつき、その後ミュンヘンでしばらく学んでおり、帰国後は大学などで教えていましたが、今は音楽教室をやっているようです。

もう一つは、兄弟同様に育ってきた従兄弟の会社のHP。「有明ホテル」です。
有明はユウメイと読みます。そばに有明海があるのでまぎらわしいですが、本来はアリアケを意図しようとしたらしいのですが、香港などからの避暑客が多く滞在していたために、彼らが発音しやすく、覚えやすいからとユウメイになったそうです。


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