旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

九州列車紀行 はやぶさ車中

2008-11-07 17:00:11 | 列車の旅

B寝台(二段式)の車内
平成20年9月21日撮影

寝てみたものの、駅に停車するたびに気になって窓外を見てしまう。なるべく寝ようとするのだが、閉めきった寝台のカーテン内は何だか暑い。日付が変わって平成20年9月21日日曜日。まだ真っ暗だが、東広島市内を走行中に起きる事にした。自動販売機で缶コーヒーを買って飲む。白市を通過してゆく。セノハチの坂を下り、車窓に中国新聞販売店の看板が目に入ると帰ってきたなと思う。ただし今日はこのまま九州まで行く。定刻5時21分に広島着。昨日の東京は晴れていたが、今朝の広島の天気はよくない。通路にいた年配の御婦人と話をする。昔は〔あさかぜ〕などのブルートレインをよく利用されていたという。廃止となる前に懐かしんで乗っているようだ。よく揺れますね、とも。上段の別の御婦人は気分が悪くなったそうだ。乗り物酔いすると辛いだろう。

未明の広島を出発する。通勤・通学で利用していた区間を寝台特急で走るのは格別。海が見えた。まだ暗いが、対岸の宮島の灯りが見える。ちっちゃな子供が「きれい」と言っている。この子は声は午後9時過ぎても聞こえていたが、午前5時過ぎにもう起きている。カメラを持った人も朝から撮影している。海岸線が現れるとビデオを回している。大野瀬戸を見ているうち、次第に明るくなってきた。小瀬川橋梁を渡り、山口県に入る。減灯されていた車内の蛍光灯が、パッと明るくなる。和木を通過し、我が岩国市に入る。ただし今日は九州まで行く。定刻5時57分に岩国着。出発すると、おはようの放送が始まる。


寝台特急〔富士〕〔はやぶさ〕 1列車 (岩国)
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平成20年9月24日撮影 【乗車した日と異なります】


(チャイム♪に続いて)「皆様、お早うございます。今日は9月21日日曜日です。只今の時刻は6時、只今の時刻は6時丁度です。寝台特急はやぶさ・富士号、熊本・大分行は、只今時刻表どおり、定刻に運転しております。次は柳井に停まります。柳井でお降りのお客様、ありがとうございました。どうぞお忘れ物ございませんよう、お支度ください。柳井には6時23分に着きます。これから停まります駅、到着時刻をご案内いたします。柳井を出ますと下松6時45分。徳山6時53分。防府7時17分。新山口7時33分。宇部7時55分。下関8時32分。門司8時46分。門司で、はやぶさ号、富士号、切り離します。前側1号車から中程6号車まで、はやぶさ号です。はやぶさ号は熊本行です。門司を出ますと小倉9時5分。博多10時10分。鳥栖10時36分…」

藤生を過ぎると海岸線を走る。カメラの人はもちろん回している。天気がよければ瀬戸内海から昇る朝日が拝めるのだろうが、あいにくの曇り空である。それでも多くの人が寝台から起き出して、車窓の海を眺めている。大畠瀬戸に架かる大島大橋の下を列車は走ってゆく。確認できなかったが、橋の上には〔富士〕〔はやぶさ〕を撮影する人がいたであろう。


寝台特急〔富士〕〔はやぶさ〕 1列車 (神代-大畠)
平成19年9月23日撮影 【乗車した日と異なります】


瀬戸内海は曇り空…_| ̄|○ (大畠-柳井港)
平成20年9月21日撮影

海を離れるので寝台の山側の窓側に座る。柳井を出発すると、弁当屋のおばあさんがプラットフォームを一人歩いている。幕の内弁当の積み込みであろう。もう随分明るくなってきた。沿線には撮影する人が多く見られる。下松到着前には日立の工場に新車が停まっているのが見えた。鉄道車両のふるさとである。徳山から車内販売の売り子さん(おばさん)が乗ってきた。外は滝のような激しい雨となった。列車が運転とりやめとならなければよいが。戸田-富海間の車窓も、この天気ではいまいちである。


寝台特急〔富士〕〔はやぶさ〕 1列車 (島田)
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平成20年9月23日撮影 【乗車した日と異なります】


さて、車内販売は1号車から回るという。時間が掛かるので、お急ぎの方は1号車へと放送で案内がある。後ろの〔富士〕の方から人が続々と歩いてゆき、弁当を買って戻ってくる。ここは6号車で〔はやぶさ〕の最後尾だが、売り子さんを待ってみる。防府に続いて小郡(新山口)に停車。売り子さんが積み込まれた弁当を運んでいる。しかしまだワゴンを押してこない。今日は満席に近く、よく売れているのだろう。弁当は諦めて、下関のプラットフォームでうどんでも買おうかと思っていたら、宇部でようやく売り子さんが回ってきた。幕の内とビールを購入。柳井、徳山の弁当は売り切れ、先程の小郡(新山口)で積み込んだ弁当である。


幕の内弁当(800円) 新山口駅・小郡駅弁当
以下、平成20年9月21日撮影


中身はこんな感じ!
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800円という価格でフグだけでなく、ウニもちょっぴり入っている。さすが山口県。自画自賛。牛肉の味付けも甘くて山口県らしい。A社のビールしかなかったが、美味しく頂戴する。


EF66 53号機はこれまで! (下関)


関門トンネルはEF81 410号機が牽引! (下関)

本州を西の端まで走り、下関に到着。東京から乗務されたJR西日本広島支社の車掌さんはここまで。JR九州の車掌さんと交替する。機関車も直流のEF66から交直流のEF81に付け替えで6分停車する。作業は迅速で、6号車から先頭に見に行くと、EF66はすでに切り離されていた。写真を撮る人で大盛況である。付け替えを見て6号車に戻っていると、うどんの丼(車内持込用)を持った人がいる。ふく天うどんも食べてみたかったな。定刻8時38分に下関を出発。本州と九州を結ぶ関門トンネルに入っていった。 (つづく)

【動画】 寝台特急〔富士〕〔はやぶさ〕(岩国-南岩国)
[[youtube:evfYtpVyv7A&hl=ja&fs=1]]

九州列車紀行 はやぶさ出発

2008-11-03 23:59:59 | 列車の旅

列車を牽引する電気機関車 EF66 53号機 (東京)

平成20年9月20日土曜日。久しぶりに東京駅からブルートレインに乗ろうと思う。しかし、東京駅を出発するブルートレインは今や1本だけ。選択の余地はない。18時03分発の1列車、寝台特急〔富士〕〔はやぶさ〕である。特急券・B寝台券は8月28日に購入してある。列車に乗る日を心待ちにしていたが、出発日が近づくにつれて台風13号(シンラコウ)も接近してきた。運休になりはしないかと気を揉んでいたが、前日の列車は運休となった。シンラコウは20日未明に関東に接近。今日も運休かと思ったが、台風一過の晴天となり、運転されるようだ。駅で鹿児島本線八代駅までの往復乗車券を購入する。往路は在来線経由、復路は小倉-東京間で新幹線経由とした。発券に随分と手間取ったが、往復割引となるから発券してもらわないと困る。何とか希望の経路の乗車券が購入できたが、東京駅で〔富士〕〔はやぶさ〕の入線を見るには間に合わない時間となっていた。急いで常磐線に乗る。

常磐線(緩行) 普通 新松戸(16:40)→松戸(16:49) 6820
常磐線 快速 松戸(16:55)→上野(17:15) モハE230-100

上野での乗り換え時に弁当を買って行く。上野駅だが品川駅の常盤軒さんのお弁当を買う。

京浜東北線 普通 上野(17:21)→東京(17:29) クハE233-1009

東京の10番線に列車は入線していた。入線時刻は17時21分だから仕方がない。列車先頭には下関まで牽引する電気機関車EF66が連結されるところで、多くの人がカメラを構えて待っている。さて、これから乗る列車の編成を見てみよう。列車後方から先頭へ順に記す。

【7~12号車は〔富士〕大分行】
12号車 B寝台(客車二段式) スハネフ15-1
11号車 B寝台(客車二段式) オハネ15-1122
10号車 B寝台(客車二段式) オハネ15-1202
9号車 B寝台一人用個室(ソロ) オハネ15-2002
8号車 A寝台一人用個室(シングルデラックス) オロネ15-3004
7号車 B寝台(客車二段式) スハネフ15-20
【1~6号車は〔はやぶさ〕熊本行】
6号車 B寝台(客車二段式) スハネフ14-5
5号車 B寝台(客車二段式) オハネ15-3
4号車 B寝台(客車二段式) オハネ15-4
3号車 B寝台一人用個室(ソロ) オハネ15-2005
2号車 A寝台一人用個室(シングルデラックス) オロネ15-3002
1号車 B寝台(客車二段式) スハネフ15-2
【東京-下関間を牽引】
電気機関車 EF66 53号機  

〔富士〕は日豊本線経由、〔はやぶさ〕は鹿児島本線経由で、いずれも西鹿児島行の列車だったが、走行距離も編成も短くなり、東京-門司間では1本の列車に纏められている。食堂車もロビーカーなく、ブルートレインブームの頃の華やかさはない。平日は乗客もほとんどいないようだが、今日は多くの旅行者の姿がプラットフォームに見られる。


東海道本線 東京駅 (東京都千代田区丸の内)


寝台特急〔はやぶさ〕 1列車 (東京)
※門司-熊本間は41列車


55・10・1改正 弘済出版社「大時刻表」より抜粋

昭和55年(1980)、18時台には次々と出発していた。
〔あさかぜ1号〕〔あさかぜ3号〕(´;ω;`)ウッ… 


08・9・20訂補 JTBパブリッシングJTB時刻表」より抜粋

平成20年(2008)の今ではこれだけ…_| ̄|○


特急券・B寝台券


後(左)の〔富士〕と前(右)の〔はやぶさ〕の併結!

売店で冷えたビール等を買い込み、いよいよ車内へ。ちゃんと進行方向の下段の席を購入している。個室より二段式の方が、寝台列車を味わえるだろう。向かいの下段のニイチャンに軽く会釈する。今日は上段にも御婦人の乗客がいる。窓外を眺めながら発車時刻を待つ。こんなに、わくわくしながら列車の出発を待つという事は初めてである。プラットフォームでお孫さんを見送るご家族に写真を撮らせて欲しい頼んでいる青年がいる。なんだか演技しているふうな見送りになった。そして定刻に出発。弁当を開き、ビールをカップに注ぐ。山手線・京浜東北線の通勤客を見ながら一杯やるのがいいのだが、今日は土曜日で通勤客は多くない。


常盤軒 わくわく洋食弁当(900円)
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いずれも平成20年9月20日撮影(時刻表を除く)


JR西日本広島支社の車掌が検札に来る。上段の御婦人が下段への変更を申し出ているが、下段に空きはないらしい。飛び石連休で、昨日の金曜日は運休しているから、今日は満席に近いそうだ。手洗に立ったときに車内を見てみると、上段が三つ空いているだけだった。カメラを持って動いている鉄道好きも乗っているが、年配の御婦人も乗っている。小さな子供も乗っている。上段の方はお気の毒だが、なかなか盛況でいい。夜汽車の雰囲気を楽しみたかったが、明るくなったらずっと車窓を楽しむつもりである。ちっちゃな子供よりも早く寝ることにした。 (つづく)

寝台特急〔はやぶさ〕 東京(18:03)→熊本(11:49) スハネフ14-5