旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

今回の旅で読んだ本

2024-11-14 17:13:30 | 図書館はどこですか



今回旅先で読んだ本は、「夜の黒豹/横溝正史著」です。長編の推理小説を
往きと帰りの船内で半分ずつ読めました。~黒豹は雑誌掲載時は短編だった
ものを、のちに書き改めて長編作品として刊行されたようです。

金田一ものとしては、この作品も大衆向け寄りな作風で、犯人はトリックを
使い犯行を企て、自身への追及を免れようとし、物語は犯人探しに重きを
おかれている一方で、センセーショナルな犯行現場、街娼が次々手にかかる
エログロ趣味的な殺害手法などに目を奪われがちです。

それでも金田一耕助はコツコツと推理を組み立て、犯人の正体に迫るものの
物的証拠に乏しく、最後はおとり捜査の力技で犯人が尻尾を出すのを待ち
構えます。確かに、横溝さんの他の傑作群と比べれば物足りなさは覚えますが、
なんだかんだで体裁を整え、最後まで読み切らせるのはさすがです。

コメント
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