この年、大雪山系の山上部の紅葉は
猛暑の影響などでひどい状況で
ここ赤岳・銀泉台も例外ではなかった
紅葉が大幅に遅れたおかげで
車両通行規制解除後まで見頃が持ちこたえた第一花園
朝の光を加味することでアラを隠し
どうにか体裁を整え仕上げた作品
【早朝銀泉台にて 2023.09.25 撮影】
先の北海道への旅の道中読み終えたのが、「悪魔の寵児/横溝正史著」です。
行き帰りの船内で半分ずつ読みました。帰宅後外していたカバーを取り付けた際、
「こんな登場人物いたっけかな?」と思ったのが、外国人風(南方系、あるいは
アフリカ系?)に見える男です。これが人形師・猿丸だと気づくまでだいぶかかり
ましたよ。絵を担当した杉本一文さんの目には、猿丸の姿は、こんな筋骨隆々の
外国人っぽい容貌に映ったのでしょうか。
~寵児は当時、名作「悪魔の手毬唄」と並行して雑誌連載されていたことに
まず驚きます。~手毬唄は、戦後すぐに発表され好評を博した一連の本格推理
もの(本陣殺人事件、獄門島などなど)のテイストを久々復活させた傑作で、
対して~寵児は、その頃横溝さんが多数発表していた大衆向けの怪奇ロマン色
の強い作品です。両作品の振り幅があまりに多きすぎて、それらが同時期の作品
とは、なかなか理解が追いつきません。格調高い文章にトリックを散りばめた
完成度の高い~手毬唄に対し、~寵児は一応推理小説の範疇を保ち、死体喪失
など異彩を放つ展開を見せつつも、エログロ専行気味なのは否めません。
それでも食傷させず読ませるのは、横溝さんのお手並みの鮮やかさでしょう。
金田一耕助は早くから登場するもあまり目立った活躍はできず、関係者が
容赦なく次々血祭りに。犯人以外ほとんど誰もいなくなる展開は、さすがに
どうかと思いますよ、金田一さん。
留守中に届いていたのがこの、谷山浩子さんの新譜「タニヤマヒロコノピアノアルバム」です。
セルフカバー・ピアノインストゥルメンタルアルバムの第2弾となります。ボーナストラック
の2曲を含め25曲、収録時間が80分近い大作です。
さらにすごいことに、セルフカバー第1弾の「Mezzo Piano」のリマスター音源が
特典CDとしておまけされています。このアルバムは、私の大のお気に入りで、その理由
の一つが、オリジナルのボーカル入りの作品よりも、むしろこのインストのほうが
完成度が高まっている曲がいくつも収録されているからで、たとえば、『ふたり』
『遺跡散歩』『クルルカリル』『悲しみの時計少女』『マイケルという名のパン屋さん』
『さかなの言葉』等々多数あり、聞きどころ満載だからです。
それがさらにリマスターされたということで、いったいどんな音になっているのか
とても楽しみなのです。
まとまった時間がなかなかとれず、ゆっくり聞けるタイミングが少し先になりそう
なのが残念です。
ニンニク、お店で買うとお高いですよねえ。その点我が家は、今期に関しては
在庫が潤沢で、贅沢に使えています。昨年庭で栽培して収穫したのがたくさんある
上に、ニンニクと似た臭いがするので代用もできる山菜・行者ニンニクを大量に
手にしたことでさらに領域拡張、ありがたいことにニンニクに関しては使い放題
だったのです。
収穫したニンニクは、計四軒におすそ分けしましたがそれでもとても使い切れず、
傷んだり芽が出てももったいないので、一部を種球根として再利用、もう一度
ダメ元で植えてみることにしました。残った在庫から、立派そうな一片を40個
セレクトし、本日、そのうちの32個を畑に直植えしてみました。
元々我が家は冬場日照時間が極端に短くなるし、市販の種球根よりは一片の
大きさも小さめなので、結果はそんなに期待しないほうがいいでしょう。
でもまあ万が一金田一、一年間お店で買わなくてもいいくらいとれたなら
大助かり、万々歳なのですがね。
事情が重なり、予定よりはちょっと早めの帰宅となりました。
小樽発のフェリー、台風崩れの熱低にまともに向かっていくようなタイミング
での出航なので、過去最大級の揺れを覚悟しましたが、幸い波は思ったほどは
高くなくて、船酔いに悩まされず、20分ほど遅れて舞鶴港に到着しました。
地上波のテレビが映らず、ネットがつながらない船内は、情報量が極端に
落ちます。船は能登半島沖を回り込むように進路をとります。できるだけ
被害少なくとの祈り空しく、先の地震の被災地に無情な記録的豪雨、浸水など
で追い打ちをかけるような被害、犠牲者が出ていることを、のち知りました。
被害にあわれた方々に、心よりお悔やみ、お見舞い申し上げます。
本日和歌山市はカラッとした秋日和、遅ればせながらのお彼岸の墓掃除
&お参りを済ませた後は、旅道具をせっせと片付けました。
9月22日(日) 雨のち曇り時々晴れ
早朝目覚めると青森県沖、すでに風雨が強まり、白波が立っている。この先さらに天気は
荒れる一方なのだろうと考えると気が滅入るが、食べられるときに食べておこうと、朝食の
パンを胃に詰め込んだ。
しかし意外なことに、その後あまり変化がなく、海域にもよるが、むしろ全般穏やかな傾向に
向かうのが不思議な気がした。台風から変わった低気圧は足早に通過し、日本海側には当初
予想されたほどの影響はでていないのだろうか? 陸にいるときとは違い、頻繁にネットなど
で情報を得られないので詳しことはわからず、あとは基本乗組員一堂にお任せするしかない。
西に進むにつれ海はますます穏やかに、青空も広がり始めた。朝日新聞の別冊版を二冊、
往きに読みかけていた文庫本も読み終えられた。これは、まったく意外なことだった。
こんなラッキーもあるのだ。
赤いきつねうどんと赤い夕陽とのコラボレーション。
結局船は約10分遅れで舞鶴港に到着した。ただし、船内には車両がぎちぎちに
詰め込まれている(こんなに壁際までびっしりなのは珍しい)ので下船が思うよう
には進まず、船外に出ることができるまで、さらに10分以上要したと思われる。
まあでも、これくらいで済めば御の字だろう。
若い頃はあまり気にならなかったのに、このところ年々夏を過ごすのに辟易する
ようになった。昔と比べはるかに気温が高まったことと、自身の体力が落ちたこと、
両方の相乗効果なのだろう。今期は、夏中微頭痛が収まらず、気力が湧かず、
一日中眠気に襲われ、便通も好ましいものでなかった。パソコンに向かう気になれず、
テレビも長時間は見続けられないので、一日のうちボ~っと過ごす時間が大半を
占めることになり、実りのない無駄な時間ばかりが過ぎるのがとても空しかった。
こんな体調で本当に長期間の旅に耐えられるのだろうかといぶかしんでいたら、
数日で「寒さ」に順応すると、以降はすこぶる体調が良くなった。体調が良く
なったからと言っても体力がすぐ戻るわけではないけれど、体が動き、気持ちが
前向きになり、自宅でゴロゴロしているときとは見違えた自分がうれしかった、
完全にポンコツになったわけではなかったのだと。便通も改善、長距離運転する
ことで、腸の扇動運動が活性化されるからなのだろうか。
このところ私の北への旅は、ほぼ一か所に滞在しあまり動かないので、はたして
これが旅と言えるものかどうか少々疑わしくなっている。しかし、高貴な身分の方が
避暑地で静養されるのに似かよった移動を、下々の一般人がやれているのだとすると、
まんざら捨てたものでなく、これも立派な旅のスタイルなのだと言えなくもなかろう。
胸を張って言えるのではないか、これがいわゆる一つの「避暑地への旅」なのだと。
♪ 暖かい日溜りに 誰かの足音 それは風 忍びよる秋の気配
あなたは枯影を恋しがり 陽気な夏にあきあきしたと
まるで大人の仕草で 煙草を揉み消すの
暮れてゆく避暑地には あなたへの想いが残るだけ
暮れてゆく避暑地には あなたへの想いが残るだけ
落葉松の林には 赤いサンダル 賑わった一夏の 名残りの様に
あなたはテニスのボールを 追いかけて汗を流してた
まるで夜のあなたとは 違う人みたいに
暮れてゆく避暑地には あなたへの想いが残るだけ
暮れてゆく避暑地には あなたへの想いが残るだけ
(避暑地にて/詩・曲:天野滋 歌:NSP)
さて今回は、新米まつりへの参加、お米購入を優先させたため、ほぼ自動的に帰宅日が
固定されてしまった。あとはそれに従い着々と帰宅準備を進めるだけなのだが、どうにも
雲行きが怪しい。台風から変わった熱低が、日本海上をスピードを上げつつ接近してきそう
なのだ。今回冒頭でお話した乗船日を選ぶ条件のうちの、②航海上の気象状況がまさしく
それで、どうやら日本海の波が高く荒れるのは必至で、それがわかっていて、それでも
あえて今夜の船に乗るべきなのかどうかを思案した。
最終チェックを美瑛町の公共駐車場に車をとめて確認した。新日本海フェリーのHPでは、
本日は通常運行とあり、気象庁の予報でも、波の高さも、5~7メートルとかの大しけには
ならない見込みだ。ただしそれはあくまで沿岸での予報、船はけっこう沖合を進むので
参考程度にしかならない。迷ったが覚悟を決めて再び走り始めた。こうなったら俎板の鯉、
運を天に任せるしかない。
土井商店で買った「磯自慢」は自分あての土産、「三千櫻」は船内用(お酒が飲めるくらい
波が穏やかなら儲けものなのだが)。
おやつは柳月のおはぎ・つぶあん。
新潟便が出航する頃の小樽港上空、面白い雲が出ていた。
焼けそうな気配も漂ったが、逆サイド、東の空の雲が少し赤くなった程度で終わった。
それにしてもだ、なんで今日の船はメチャ込みなのだ。三連休がらみとはいえ、本日の
南行きがここまで込み合う理由がまったくわからない。乗客が300名ほどいるらしい。
船国自衛隊ご一行もいるにはいるがそれほど大所帯でないのに。バイク、車もムッチャ
多い、夏のハイシーズン並みだ。そろそろ気温が下がり始め、バイクツーリングには
少々厳しい季節となり、ライダーたちが皆いっせいに北から引き揚げ始めたのだろうか?
今夜の私のベットは、中央の窓のない大部屋。ほとんど閉鎖されていて、この部屋が
解放されているのは、ハイシーズンに団体さんがいるときなど、ほんのわずかしか
これまでに記憶がない。まさかここを利用する機会が訪れようとは、思いもしなかった。
出航前からすでに到着30分遅れがアナウンスされている。地獄へ道連れじゃ~
9月21日(土) 曇り時々晴れ
本日帰宅と相成ったのは、今日、東川新米まつりに参加し、予約した新米のゆめぴりかを
受け取ることになったのが一番大きな理由だった。受取日を明日に順延したり、あるいは
注文を取り消すことも可能だし、仮に受け取っても、車内をやりくりして、あと数日くらい
車中泊旅行を続けることもできなくはないのだが、諸々いったん今が引き時だと判断した。
山積みにされた入荷したゆめぴりかの新米。こんな特設会場が、町内に三か所設けられた。
ただしここで買えるのは、事前予約した人のみ。
私は「粒選・東川米ゆめぴりか5㎏」を3袋購入した。5㎏毎に「大雪旭岳原水・
2リットル入りペットボトル」が1本おまけについてくる。また、10㎏毎に一枚、
お祭り広場で使える抽選券がもらえる。今期は、新米が店頭に並び始めた時点でも、
まだかなり例年と比べお米の価格が高いようだ。予約したことで、店頭での実勢価格
よりも、一袋あたり1000円くらい安く買えたと思われる。
このご時世、皆さんの購買意欲は半端なく、私の前に並んだ方は、一人で15袋
購入されていた。一人当たりの購入数に上限が設けられておらず、企画段階ではまだ、
ここまでの米不足、価格高騰が予想できなかったからかもしれない。しかし理由は
不明ながら、このお祭りは今期限りとなるみたいで、とても残念に思う。
図書館前に設けられたお祭り広場。明日は町制130年を記念した「大黒摩季ライブ」
(観覧無料)も行われるみたいで、大盛り上がりが予想される。
抽選の長い行列に並ぶと、もう一本大雪旭岳原水が当たり、計4本となった。空くじも
多い中、ワンチャンスで健闘したほうだとは思うが、一等商品はゆめぴりか10㎏、
やっぱり少し悔しい。
9月20日(金) 雨のち曇り
今回旅先の図書館で読んだのは、「ABC 殺人事件/アガサ・クリスティ著」、
私が手にしたクリスティもの第三弾、エルキュール・ポワロが探偵役のもの
では「アクロイド殺人事件」に次ぎ二作目となる。
ポワロのもとに、ABCと名乗る奇妙な犯人から殺人を予告する挑戦状が届き、
この手紙を裏書きするかのように、Aの頭文字の人がAの町で、Bの人がBの町で…
とABC順に殺人事件が発生、死体のそばにはABC鉄道案内がいつも置いてある。
ポワロは事件の共通項を見つけ、捜査線上に犯人が浮かび上がるが…という筋書き。
実はこの作品に関しては、有名作ならではの功罪で、どこかで聞きかじってしまい、
トリック、設定の一部を事前に見知っていて、犯人は早々とわかってしまった。
なのでこの作品では、いかにしてクリスティが読者をミスリードし、犯人を隠し、
我々をけむに巻くのかに注目して読み進めた。
「犯人はわかった」と先に書いたが、クリスティの筆さばきは実に巧妙で、
事前に設定を知っていなければ、まんまと術中にはまっていたと思われる。
本筋に、「いかにも」なアディショナルをいっぱい練り込んでくるので、思考が
分散されるのがそのひとつの理由だと思う。
ただし、最後にポワロが謎解きする場面は、諸々少々強引すぎるようには
思えた。犯人、ホントにこんなにうまく立ち回れるのかと。まあ、それを
言っちゃあおしまいよ~で、多少無理やりだからこそ、「まさか!」と驚き、
最後のどんでん返しの鮮やかさが際立つのだから、それはそれとして、
なるべく単純に物語を楽しんだほうがよかろう。
9月19日(木) 晴れ時々曇り(山沿い雲多し)
予報通り下界は日差しがたっぷりなのに、山上、山沿いは厚い雲が掛かることが多く、
日が当たらないのでじっとしていると寒いくらいだ。この時点で明後日帰ることに
ほぼ決めていたので、内地との温度差が早や憂鬱になっていた。向こうは連日
猛暑日前後の厳しい残暑のままみたいで、こちらとは、最高、最低気温ともに
軽く10℃以上の温度差があると思われる。せっかくこちらに来て、ずっと
不調だった体調がすっきり回復したのに(体調がよくなっても、すぐに体力まで
回復はしないが)、また元の木阿弥になるのではないかと案ずるのだ。
この日クロちゃん現場では、クロちゃんが岩の隅でチラッと姿を見せたのと、
ノーマルらしき個体が二度鳴いたのみ、写真は一枚も写せずまたもや撃沈。
神奈川のSさん、東京のOさんともに上の現場へ移動するも、こちらでも
走る姿を二度チラ見しただけで終わった。Oさんは、その後二時過ぎまで
粘ったが、結局空振りに終わったという。あの「持ってる」と崇められている
Oさんでもそんな結果なのだから、納得するしかない。本当に手強い今期の
ナキちゃんなのだ。
ちょっと見づらいが、私のザックにとまり、捕まえたアブの仲間を食べている
赤とんぼ。悪いけど、ザックこれから背負うからいごかすで~。
ランチはごはん屋ことさんで。このお店はまことにマイペースというかルーズと
いうか、本来11:00開店のはずが、この日も11:30までずれ込んでいた。
サラリーマンなど時間が決まっているし、待ちきれず帰った客が数組はあった
はずだ。でも店側は気にせず、我が道を行くって感じ。
この日の日替わりは「肉卵とじ」。このボリューム、内容で、今時税込み600円は
やはり相当CPは高いと言わざるを得ない。いろいろ納得できない点はあるのだ
けれど、このお値段、内容にひかれ、ついついやってきてしまうのよねえ。