旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

ロンドンの印象

2007-11-15 15:22:32 | 

 

 ロンドンについては計画未消化に終わり未充足感が残ったと書いた。ついでにロンドンについての大雑把な印象を書き加えておく。

 車で駆け回っただけのロンドンの町は、いたずらに混雑しているという印象を受けた。案内してくれた友人も勝手が分からないらしく、「一方交通ばかりでやりにくいなあ」としきりにぼやいていたが、どこに行っても渋滞と遠回り、という感じであった。
 リヨンやフランクフルトの町は、歩きが主体であったからか実に落ち着きを感じた。しかしこれが「世界の大都市ロンドンの活気」というものかもしれないので、どちらがいい、なんていう水準の話ではないのかもしれない。そういえばロンドンの雰囲気はニューヨークのそれと等しいのであろう。まず「美しい」という感じが先行したリヨンや、大都市ながらも「落ち着き」を感じたフランクフルトとは異なったものがあった。
 ニューヨークと同じ、といえばテロとの関係でも共通するのではないか? 最近ニューヨークに行っていないので分からないが、ロンドンの街中にはいかにもテロリストが住み着きそうな雰囲気があった。
 第一、ミュンヘン空港からロンドンに向かう英国機の、搭乗検査から違っていた。私は国内でも、また今度の旅の他の飛行機への乗り込みの際も同じ服装であったが、検査に引っかかり、椅子に座らされて足の先から靴のそこまで検査された。
 「ああ・・・、かなりテロに怯えているな」と思った。

 ヨーロッパの街に行くと「石の文化」をまず感じるが、ロンドンの町はそれに加えて、道がそれほど広くなく曲がりくねっていることも混雑な印象を受けたのかもしれない。反面この雰囲気は、そこに長く住み着いているロンドンっ子には、たまらなく魅力のあるものかもしれない。私たちが浅草などの雑然とした下町に、むしろ心の安らぎを覚えるように。
 そして、ちょっと郊外に出ると雰囲気はまったく違う。アウトバーンは広く、それにつながる丘陵地は美しく、その中の町々には「テロのにおい」などまったくない。
 そのどちらも「イギリス」に相違なく、すべて一局面で判断してはならないのであろう。
                            


投票ボタン

blogram投票ボタン