昨日、一昨日と秋田に出張した。
空港に降り立って先ず感じたことは、最高気温が氷点下という寒さは、東京とは質を異にする寒さであるということであった。
迎えに来てくれたH氏の運転で八郎潟に向かったが、H氏によれば、その日の2~3日前の寒さはものすごく、地吹雪が吹きすさんだと言う。しばらくの間もっぱら地吹雪の話となったが、その様は、降り積もった雪が地を這う強風に吹き上げられ、車のフロントガラスを襲って視界は数メートルになるという。大型車は運転台が高いので上から見下ろすかたちのなるが、スポーツカーや乗用車はまともにその吹雪の中を突き進むことになるらしい。
加えて、吹きつける雪はランプを覆い、指し示す明かりが小さくなって恐怖感を増すそうだ。北国でしか味わえない恐怖といえるのだろう。
同時にH氏は、「・・・しかし、もう2月の中旬・・・、これは最後の寒気で、一週間もすれば春に向かうでしょう。」と話した。そして二日間に出会った何人かの人が、同じように「春は近い」と語ったのが印象的だ。
夜明け前が一番暗いように、極寒のピークは春がそこまで来ていることを知らせている、と言えるのであろう。
その夜、八郎潟の行きつけのすし屋に立ち寄り、当地ゆかりの「浦城本丸」(福禄寿酒造)や「天の戸」(浅舞酒造)の燗酒などを飲みながら地吹雪の話などをしていると、店のママさんが粋な言い伝えを教えてくれた。
「女子(おなご)の酒飲みと地吹雪は大したことはない」
猛威を振るう地吹雪も、いつまでも続くことはなくむしろ春の前触れと言うのか。もっとも、最近の女性の飲みっぷりは、そう一過性のものとも思えないが・・・。