旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

発言に見る「人の品格」

2008-03-03 17:22:23 | 時局雑感

 

 世間をゆるがせているイージス艦と漁船の衝突事故で,さまざまな人がテレビで発言するが、その中で二人の発言に,ひときわ際立った対照的印象を受けた。 
 
漁協の外記組合長と石破大臣の発言である。
 漁協組合長の発言とその態度には、実に心地よい品格を感じてきた。声を張り上げるわけでもなく強がりを言うでもないが、毅然とした態度が揺るがず発言も一貫していた。また吉清親子を語るときは「・・・いい船頭だった。せがれも心優しい好青年だった。」と涙を流し、前日捜索が打ち切られた時点では、「これまで精一杯やってくれた。感謝する」とお礼を述べて、捜索隊に清々しく頭を下げた。なんとも人倫に生きている人という感じを受けた。
 一方石破大臣の発言はひどい。国会での「現時点ではイージス艦の乗組員とは接触してない」という発言で、「現時点というのは“今の瞬間”のことで、事故直後に会ったことは別・・・」という説明は、あまりにも国民を愚弄していないか? 国会での前原議員の質問の真意が、「事故発生後から現時点まで」という意味であることを理解する能力がないとすれば、そのような低能力の人間に国を守る防衛を任せていいのかと、薄ら寒くなった。
 いくらなんでも最高学府を出て大臣までやる人間であれば、前原議員の質問の趣旨は理解出来ていたに違いない。それを都合のいいように言いくるめようとしているとすれば、あまりにも人間的に低俗であるといわざるを得ない。
 私は、外記組合長がどのような教育を受けて、どのような育ちをしてきたのかを知らない。しかし一国の一大臣よりも、はるかに優れた人格の持ち主であることだけは感じとれた。
 人間は、土壇場に立ち至ったときにその品格が現れるのだと思った。
                             


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