昨年の今日、私はフランクフルトに居た。9月19日(昨年の昨日)に日本を発ち、フランクフルトの友人宅でその夜を過ごし、最初の旅程であるヴェツラー(ゲーテゆかりの地、恋人ロッテの街)に向かうために、そろそろ目覚める時間だ。(現在午後2時半。現地時間で午前6時半)
その後17日間、友人にお世話になりフランクフルトを根城に、ミュンヘン、ハイデルベルク、ライン川周辺、果てはロンドン、リヨンなどを旅した。
あれから早くも一年が経ったのか・・・、と感慨をもよおす。
実は、その時の膨大な旅の資料を段ボール箱に詰めたままにしていたが、先週やっと整理して大きなファイルに収めたのだ。つまり整理に1年かかったということだ。
思い起こせばこの1年、折にふれてこの旅のことをブログに書き続けた。それをすべてアウトプットして上記ファイルの国別の資料に収めたが、それなりの量になった。しかし、それでもまだ書き足りないことがたくさんある。
ファイルをしながら思い出すことばかりで、あれも書きたい、これも勉強したい、と思うことばかりである。
こうして旅は、二重にも三重にも楽しみを与えてくれる。
そして同時に、次の旅心がそそられる。
奥深く重厚な味わいのドイツを、もっとゆっくり歩きたい。イギリスの湖水地方とロンドンにじっくり構え、田舎のパブと都会のパブを梯子(はしご)したい。フランスはリヨンだけであったので、あの美しいリヨンと共に周辺の街も旅したい。
などと欲望はきりがない。また井上ひさしの『ボローニャ紀行』などを読むと、「死ぬまでにボローニャだけには行こう」などと思ったりする。(ついでにナポリを見れば本当に死ぬのかも知れないが)
とにかく旅はすばらしい。『旅のプラズマ』の帯に書いた「これまでに、つまらない旅は一つもなかった」という思いをいっそう強くする。