この3月13日で、10年間使ってきたパスポートの期限が切れる。めくってみると10年間に10回の海外旅行に行っている。ちょうど年1回の割合だ。2回の年が一年あり、ゼロ回の年が一年、あとは年一回ずつ行っているので、「年に一度は海外に行こう」という年来の夢を果たしていることになる。
内訳を見ると、延べ16ヶ国を訪ね、足跡を残した町は40市町村を越える。16カ国に入ったり出たりした記録が、ページのあちこちに乱雑に記録され、手垢も含めてさすがのパスポートも薄汚れてきた。「・・・もう疲れたよ。いい加減に机の引出しの隅にでも休ませてくれよ」と言っているかに見える。
言われるまでもなく、更新しなければならない。今年は3月に「『トスカ』を巡るローマの旅」が予定されていたので、昨年内にも更新の予定であったが、その旅が延びたのでゆっくりしているのだが、いつ何が飛び込んでくるかわからず、明日にでも手続きに行くつもりだ。
ところで、今度の期限をいつにするか? 10年後は85歳になる。どうもそこまで生きているとは考えにくい。親父が54歳で死んだとき、「いくらなんでも早すぎる。おれは60歳までは生きたい」と思ったことを記憶する。当時、55歳定年制であったので、退職後5年ぐらいはゆっくりしたいものだ、という思いを根拠とした。しかしその後、定年も平均寿命も延びたし、何となく「70までは生きるだろう」としてきたが、気が付けば4月で75歳になる。
明日死んでもおかしくない。しかしガンの宣告を受けているわけでもないし特に持病があるわけでもないので、何も無ければまだ生きるだろう。85歳は全く自信がないが、まあ10年で更新することになるのであろう。分別くさく5年か何かで更新し、またまた更新するなんて何だかみっともないから。