昨夜10:45からのNHK番組「世界街歩き」は、フランスのリヨンであった。既に2年半近く前になるが、2007年9月にリヨンを訪ねた。わずか2泊2日の短い旅であったが、昨夜の番組がほとんど私たちの歩いたコースであったので、昨日のことのように美しいリヨンが思い出された。
絹織物の町、美食の町、映画を生み出した町・・・、またギリシャ、ローマの遺跡から近代金融・産業街までをそのままの姿で保存してきた重層的な町が、丘と川の織りなす美しい自然と調和して佇んでいる。
第二次大戦中はパルチザンの有力な拠点でもあった。商業、文化の発展とともに生きたリヨン人は、まさに自由の気概を持ち、パルチザンを戦い抜いていっそう高い自由の精神を育んできたのであろう。
番組の幾つかを拾うと・・・、
街の交差点で10人ぐらいの若者がスケッチをしている。指導している先生に「画家の卵たちか?」と問うと、「建築科の学生だ。建物の勉強には『空間を捉える力』が要る。そのために『建物と街とのかかわり』を描かせているのだ。特に今日はむつかしい旧市街に挑戦させている」とのこと。
旧市街は道は曲がり、建物は丘に重なり合って建ち、全体の空間感覚をつかむには難しい課題と言うことだ。
いい教育をしているなあ・・・と思った。
ローヌ川(ソーヌ川? 未だ区別がつかない!)沿いの野外市場では、お菓子、果物、野菜など何でも売っている。花屋のおばちゃんがシャンソンを唄いながら花を並べている。そして通りかかる人々に
「太陽をいっぱい受けた花だからよい香りを放つよ。あなた自身へのご褒美に、綺麗なお花をあげてはいかが?」
と呼びかけていた。花も綺麗だが、唄うシャンソンも呼びかける言葉も綺麗だ。どんな生き方をしていれば、こんな素敵な言葉が生まれてくるのだろうか?