新年早々うれしいニュースが飛び込んできた。
このブログでも何度も書いてきたが、娘が一昨年に「オペラアリア集団ミャゴラトーリ」なるものを建ち上げ、オペラの普及活動を始めた。「オペラの素晴らしさを少しでも多くの人に知ってもらいたい」という趣旨も意気込みも良いのだが、なんたって金が無い。いわば無一文集団だから、歌手たちに満足なギャラも払えないし、会場ひとつとっても安いところを苦労して探す。
そうした状況を見てきて、先輩のオペラ関係者に相談したところ、とにかく国や企業の支援が色々あるので応募を重ね、資金援助を受けるしかないと言う。そんなことを言っても、名もなき集団がそう簡単に援助を受けることなど出来ないだろうと思ったが、娘は苦労していくつかの応募を試みた。
ところがその中の一つ、『親子でみる初めてのオペラ「愛の妙薬」』という企画が、ヤマハに認められ20万円の補助を受けることになった。
大喜びの娘は、採用通知が来た夜、嬉しさと、演奏する場面が次々と浮かんできて明け方まで眠れなかったと言う。20万円だけではもちろんこの企画は賄えない。その“わずか20万円”がそれほどまでに企画者を狂喜させるのは、裏を返せば日本の文化政策の貧しさを示しているよなものだが、しかしこの20万円は、娘に単なる喜びだけでなく今後を進める新たな糧を与えるだろう。
このような、市井の文化活動を支える支援の網は、どうすれば広げていくことが出来るのであろうか?