昨日のブログで、災害復旧の進まぬこと、中でも絶望的な原発事故処理についての不安を書いた。折しも、今日の毎日新聞トップ記事はその不安を裏づける記事を掲げた。題して「被災3県8万人減、30年後福島半減も」という「推計人口」の記事である。
それによれば、今年2月1日現在の東北3県の推計人口は561万4996人で、それは昨年3月1日(大震災前)に比して8万2901人の減少という。減少の内訳は、岩手1万6390人、宮城2万2924人、福島4万3587人。特に福島がひどく、この現象が続けば、福島県の人口は震災前の2010年に比し、20年には17%減、40年には49%減となるのではないかという出口恭子氏(政策研究大学院大学准教授)の予想を掲げている。30年後、福島県の人口は半減すのではないのかという悲しい推計である。
事実、チェルノブイリ事故からすでに26年が経つが、同原発周辺の現在の立ち入り禁止ゾーンは、「方向によっては60㎞を越えるところまで広がっており、その面積(3700㎢)は東京都の1.7倍に達している」(今中哲ニ『原子力資料情報室通信』第442号原稿)という現実がある。福島の場合半径30㎞となっているが、現実にはその立ち入り禁止ゾーンを越えて、放射能汚染による風評被害という、どこまで続くかわからない被害に苦しんでいる。
福島の人は、いつ故郷に帰れるのだろうか? 日本の原子力発電政策は、自らそれを御すことのできないまま原子力を使用して、多くの国民から「帰ることのできない故郷」を奪ってしまったのではないか? この取り返すことのできない過ちを、国や電力会社はどうすれば償うことができるのだろうか?
加えて、がれき処理、津波対策などによる抜本的町づくり方針を国を挙げて打ち出さない限り、悲しいことに被災地の人口減少は続くであろう。