「山びこの会」は十数年の歴史を持ち、当初数名で発足したが年ごとに会員が増えて、いまや70数名のメンバーを誇る今時珍しいサークルである。(このことは既に09年12月13日付で触れた) メンバーは多彩な顔ぶれで心豊かな人たちばかり、それぞれが互いの自由な参加意思、自主性を尊び、かつ創意工夫を惜しみなく発揮し合う…。
初日大宮駅から新幹線に乗り込むと、幹事から「首などに巻いてください」ときれいなスカーフが配られた。多くの人はそれを折りたたみネッカチーフにして首に巻いた。中には帽子に巻く人、腕に巻く人いろいろいたが、これは、混雑する夏の白馬一帯で、35名に及ぶ我がメンバーを識別する絶妙なマークとなった。
第一班のメンバー(みんなスカーフを巻いている)
旅行会社のツアーでもメンバーを識別するためにリボンなどをつけさせられる。しかしそのようなものに比べればこのスカーフははるかにしゃれている。このような発想を生み出す豊かな心がうれしい。しかもこのスカーフ(ネッカチーフ?)はいつまでもこの旅を思い起こさせる記念となる。
記念といえば、白馬五竜高山植物園がくれた「日光キスゲのブローチ」もうれしかった。たくさん咲いていた日光キスゲは、私の知っていた数少ない花の一つであっただけに印象深く、さっそく帽子に着けて毎日愛用させてもらっている。
配られた日光キスゲのブローチ
旅はその場の楽しみだけではない。いつまでも思い出の中に生き続ける。それは関わる人たちの心遣いや、ふとした触れ合いが生み出してくれるのだ。
岩陰にひっそりと咲く、白と紫のコマクサ