秋田から帰ってきました。まずは目的の第一「西馬音内(にしもない)盆踊り」から。
心配した天候は快晴続き、東京に負けない暑さの中を二夜ともたっぷりと観賞した。この盆踊りの起源・沿革については全く記録がないらしいが、「伝承によると正応年間(1288~93)、修行僧源親が蔵王権現を勧請し境内で豊年祈願として躍らせたもの」(Wikipedia)といわれているようなので、700年の歴史を持つ踊りだ。
一般には、五穀豊穣の祈りと先祖の霊を慰める踊りとされている。衣裳はすでに書いたように「端縫衣裳」か「藍染浴衣」を身にまとい、顔は編み笠か「彦三頭巾」で隠す。先祖の霊とともに居ることを願う姿といわれ、特に彦三頭巾は黒い布で顔を覆い目だけが見えるように穴が開いている姿は神秘的である。
西馬音内盆踊りというと「優雅」とまず言われ、確かに流れるような優美さに包まれているが、特に男踊りなどはダイナミックで、むしろ逞しさ、荒々しさを感じた。何人かの男性の踊りが強く印象に残っている。また11時ごろからの終盤に入ると、囃子の歌はだんだん卑猥な歌になってくるようだ。方言で歌われるのでほとんど聞き取れず、聞きとれたのは「〇〇タマ」ぐらいであるが、かなりきわどい内容のようで、地元の女性が「クスッ」と笑っているのも聞こえた。
しかし、たんに優美だけでない様々な要因に、この踊りが長い歴史を生き抜いてきた生命力を感じた。
わが一行の中の五人も、二夜とも元気に踊った。この日のために修練してきただけあって、その水準は私の想像をはるかに超えるもので、地元の人たちに決して負けない立派な踊りであった。
踊り終えた一行5人