旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

オペラは広まるか?

2012-08-10 15:24:55 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 オペラ評論家のS氏の言によると、日本のクラシック音楽ファンは総人口の1%に過ぎず、オペラファンはそのクラシック音楽ファンの1%だということだ。日本の人口は約1億2千万人であるから、クラシックファンは120万人、オペラファンに至っては1万2千人ということになる。
 既にたびたび書いてきたように、娘は「ミャゴラトーリ」というオペラ制作集団を起こして何とかこの素晴らしいオペラを多くの人に聞いてほしいと活動をつづけているが、全国民の中から探し出すのにも困難なほどの1万2千人相手では、ドン・キホーテが風車に挑みかかるようなものではないか?

 しかし、今回公演した『秘密の結婚』(7月28日、29日)には、猛暑の中を延2百3,40人の人が来てくれた。私の銀行時代からの先輩、友人、後輩たちは数十人規模で毎回参加してくれる。あるいは山の会の人々、あるいは読書会の人たちで、その中にはオペラは初めて見るという人もたくさんいたが、その人たちも毎回来てくれる。
  たまたま旅行先(シチリヤ)で一緒だった人たちで、6、7名の方々が毎年参加してくれる。そして「とても良い企画だから次も楽しみです」と言ってくれる。

    

 先月「白馬Alps 花三昧」に一緒に行った『山びこの会』の人たちは、毎回何十名規模で来てくれるのだが、その中のMさんは、今回ご子息夫妻とお子さん二人(つまりお孫さん二人)とともに来てくれた。そして次のようなメールをくれた。
 「息子夫婦とは離れて暮らしているので話すことも少ないが、今回は嫁も喜んでくれた。2歳の子は外に出たり寝たりしていたが、4歳の子はかなり興味深く見ていた。嫁からは次の公演はいつかと尋ねられている。私も親の面目を少しは果たすことができた…」

 何よりもうれしかったのは、4歳のお孫さんが興味深く聞いてくれたということだ。おそらく初めて目前で聞く歌手たちの声量に驚いたかもしれない。4歳ごろからよい音楽に触れることは、その子の将来にとって決して無駄ではないだろう。そのことをお嫁さんが重視してくれたとすれば、公演を企画した娘も冥利に尽きるものがあろう。

 もしかして、ここ数年の「ミャゴラトーリ」の公演で数十名ぐらいはオペラファンが増えて、1万2千とんで50人ぐらいにはなっているかもしれない。

     


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