広島カープがようやくAクラス入りを果たした。何とも16年ぶりということだ。70年代後半から80年代にかけて、カープの黄金時代を広島で暮らした私にとって、この16年は、淋しく、哀しい、重い年月であった。
昨年は3位で9月を迎えながら見事に失速、力はつけてきたと思いながら、どうしてもAクラスの壁は厚かった。
ところが今年は8月の後半から借金を返し始め、9月に入っても好調を維持してきたので、私は毎日勝ち星を数えながら、4位中日と5位横浜との差を気にしてきた。
そしてついに、あと6ゲームを残して4位中日に6.5ゲームの差をつけた。黒田(ヤンキース)、前田健などいい選手を育てながら層の薄さに泣いてきた。なにせ平均給与で巨人の半分程度の貧乏球団だ。それを、唯一の市民球団として、地元企業マツダと広島市民が支えてきた。
さて、クライマックスシリーズであるが、今の勢いからすれば阪神には勝つのではないか? そして、ひょっとすると巨人にも……?
まあまあ、あまり調子に乗ってはいけない。ここはひとつ、はやる心を抑えて冷静に行方を見守ろう。