旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

慌ただしくなった政局 … 声高な保守化の動きを憂う

2012-11-16 15:05:26 | 政治経済

 

 政局はついに“民主党政権崩壊”の時を迎えようとしている。3年前に多くの期待を受けて発足した民主党政権は、早くも潰え去ろうとしている。半世紀に及ぶ自民党支配に見切りをつけて、国民は民主党政権に多くの期待を寄せた。しかし当初の公約の多くをかなぐり捨てて、保守政権多年の夢であった消費税増税の先陣を切るようでは、国民に見放されても仕方あるまい。

 恐ろしいのは、その間隙をぬって保守化の動きが勢いを増していることだ。
 自民党政治の総仕上げのような小泉・竹中路線(いわゆる新自由主義思想に基づく政治)で、日本が戦後築き上げた分厚い中間層は一挙に貧困化し、格差の拡大を伴って国民の生活基盤は揺らいだ。国民はすがる思いで、民主党にリベラルな政治を期待した。
 ところが、民主党は自民党と変わらなかった。リベラル色はかなぐり捨てられ保守に帰った。いや、それどころではない。自民党の保守勢力は民主党の自壊に自信を持ち、むしろその間隙をぬって本来の保守の牙をむき出しにしてきた感がある。
 安倍総裁の改憲論、石破幹事長の集団的自衛権論、海兵隊装備論、はては、第三極を語りながら結集を図ろうとする石原、平沼、橋下の右翼連合……。
 それらの火を煽っているのが中国だ。中国には申し訳ないが、私は中国は資本主義や民主主義を十分体験してない、それ以前の遅れた段階にあると思っている。外国企業の破壊や略奪を公然と行うような国だ。そのような国に煽られて、「軍備を強化せよ」、「海兵隊を創設せよ」などと叫ぶような人を、平和憲法下の日本の指導者としていいのか? 海兵隊などというものは、戦時における相手国への殴り込み部隊のことだ。かなり不穏な空気が日本をおおっているといえるのではないか。

 アメリカも、オバマが勝つには勝ったが支持率ではかなり共和党に詰められた。政治、経済あらゆる分野の行き詰まりが、むしろ保守化の動きを強めている。諸課題の解決は、国民本位に、つまりリベラルな方向で解決さるべきが歴史の前進と思ってきたが、逆に保守化、中央集権化、絶対主義化の方向に向かおうとしている。来るべき選挙で、国民はいずれの道を選ぶのだろうか?


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