🌸戦後外交の総決算2
⛳安倍晋三北方領土交渉を語る
☆ロシアのソチで日露首脳会談が行われ、平和条約交渉
☆ロシアのソチで日露首脳会談が行われ、平和条約交渉
*「新たな発想に基づくアプローチで交渉を精力的に進める」ことで
*プーチン露大統領と合意した安倍政権
☆積極的に北方領土交渉に取り組む起点となる会談だった
*領土の帰属問題を優先させず、経済活動で協力する
☆領土問題解決の機運を醸成していく判断基準
☆日露の領土交渉では、昔から入り口論と出口論があった
☆領土問題解決の機運を醸成していく判断基準
☆日露の領土交渉では、昔から入り口論と出口論があった
☆入り口論は
*4島の日本帰属を確認してから、平和条約を締結する
☆出口論は
*日露関係を改善することで、領土問題の着地点を探る考え方
☆日本は、根底では入り口論強硬な姿勢にこだわってきた
*私は入り口論にこだわるべきではないと考えた
*原理原則にこだわれば、永久に返還されない
*原理原則にこだわれば、永久に返還されない
☆日本がロシアに経済協力などを行っても、領土が返ってくる保証はない
*落としどころは色丹島、歯舞群島の2島返還と考えていた
☆1956年の日ソ共同宣言には
☆1956年の日ソ共同宣言には
*平和条約の締結交渉を行い
*条約締結後に歯舞群島、色丹島を引き渡すとしか書いていない
*当時の鳩山一郎政権で歯舞、色丹の2島返還は実現できると踏んだ
*2島が返還され、抑留者も帰ってくる
☆米国務長官のダレスに2島返還を受諾してはならない
*「待った」をかけられた「ダレスの個喝」
*米ソ冷戦時代ですから、日ソが関係を大幅に改善するなんて
*米国は全く望んでなかった
*祖父の岸も日米関係の重要性を考慮し、2島ではダメだとなった
☆その後、日本は、領土返還は不可能だろうと考えるようになった
☆だから、日ソ共同宣言を棚上げして
*目いっばい4島返還を要求していく
☆外交の縣案、脅威を抱える中
☆外交の縣案、脅威を抱える中
*対露関係を大きく改善する必要があると思った
*北方領上の返還を現実問題としてとらえ、俎上に乗せようとした
☆4島には今、 ロシアの住民が住んでいる
*日本はいいね、と思ってもらわなければ
*領土交渉への理解が得られるはずがない
* ロンアの国民全体にも、極東地域の開発などを通じて
*日本との関係を強化した方がいいと思わせる必要があった
☆その後合意する4島での共同経済活動も
*島民や極東地域の人々に、日本に対する理解を深めてもらうため
*伝統的なロシア外交の専門家からは批判された
*伝統的なロシア外交の専門家からは批判された
☆オホーツク海はロシア軍の重要な航路
*中国の海洋での力が強まることは、ロシアにとっても懸念材料
*中露の分断を考えながら、領土交渉をしようとした
☆私は中国の問題を相当時間を割いてプーチンに話した
*だが、プーチンの真意は見えませんでした
☆私は中国の問題を相当時間を割いてプーチンに話した
*だが、プーチンの真意は見えませんでした
*彼は米国の批判はするけれども、中国についての物言いは慎重でした
☆ロシアの外交当局は基本的に中国と仲が良い
☆ロシアの外交当局は基本的に中国と仲が良い
*私が「中国は不良ですよ」と言ってもロシアも不良だからと
*不良仲間は大切にするという感覚なのかなと思った
⛳安倍晋三日露の接近の米国の反応語る
☆オバマ米大統領には、私がソチに行くことに反対された
☆オバマ米大統領には、私がソチに行くことに反対された
*訪米した時の首脳会談で、ソチでプーチンに会うことを伝えると
*オバマは「私があなたの立場だったら行かない」と言う
☆ウクライナのクリミア併合以来
*日本は欧米とともに対露制裁を行っていました
*日本は欧米とともに対露制裁を行っていました
*その足並みが乱れることを警戒したのでしょう
☆私は日本はロシアと平和条約を結んでいない
*この状況を変えなければいけないから
*行くことを決めさせてもらうと言ったら雰囲気が悪くなった
☆オバマは怒ったらしく、米国の外交当局からも反対された
☆オバマは怒ったらしく、米国の外交当局からも反対された
*ソチ訪問は、米国の意向を振り切る形で行った
☆オバマの任期切れは近かった
*次期米大統領が選ばれるまでの間隙を狙って
*日露を前に進めようと考えていた
☆トランプ米大統領は、日露交渉に反対しなかった
☆トランプ米大統領は、日露交渉に反対しなかった
*私が近くプーチンと会う予定だと伝えると
*トランプは「プーチンが何と言っていたか、後で教えてくれ」と
*よく言っていた
☆トランプからプーチンヘのメッセージも預かった
*プーチンに伝えるがプーチンはクールだった
*トランプがいくら協調姿勢を見せても
*米国務省や国防総省は甘くない、とプーチンは分かっていた
☆実際、トランプ政権
*米大統領選へのサイバー攻撃などを理由に
*ロシアに経済制裁を科しました
⛳安倍晋三G7伊勢志摩サミットを語る
☆新興国の経済の停滞が世界的な危機につながるのを防ぐため
☆新興国の経済の停滞が世界的な危機につながるのを防ぐため
*機動的な財政出動を協調して行うことで合意した
*実際に各国の経済に関する危機意識は高かった
☆サミット前に世界の景気に対する認識を一致させようと
☆サミット前に世界の景気に対する認識を一致させようと
*ゴールデンウィークに英独仏などを訪問した
☆サミット本番を含めて
*財政出動に真っ向から反対する首脳はいなかったけれど
*キャメロン英首相やメルケル独首相は、渋っていた
*そこまでの危機なのか、ということも言っていた
☆大切なのは、議長国の日本の方針に反対されないこと
*財政出動に反対しないという点で合意を取り付けた
☆この当時、アベノミクスに懐疑的な見方が出始めていた
*世界経済が危機的だと強調することで
*経済政策の失敗を糊塗しているとの見方もありました
☆アベノミクスは失敗だ、と言いたがる人もいる
☆アベノミクスは失敗だ、と言いたがる人もいる
*では、機動的な財政出動や異次元の金融緩和を行わずに
*円高や株安で低迷していた経済をどう立て直すかです
*経済状況は100点満点ではなかったかもしれない
*経済状況は100点満点ではなかったかもしれない
*だが、60点や70点だとしたら、それを失敗と言うのか
☆伊勢志摩サミットでは経済に焦点が当たりましたが
☆伊勢志摩サミットでは経済に焦点が当たりましたが
*私は、中国の問題を結構取り上げた
*中国が南シナ海に法的根拠のない境界線を設定して権利を主張し
*南シナ海を勝手に埋め立てていることを説明しました
*こうした一方的な現状変更は国際法に反していて許されないことを
*国際社会に理解してもらおうとした
☆私は中国との貿易が重要なのは分かるが
☆私は中国との貿易が重要なのは分かるが
*片目をつぶるのはいい、両目をつぶるのはダメだ
*しっかり結束して中国をあるべき姿に導かなければいけないと
☆欧州も米国も、当時はまだ中国の台頭について敏感ではなかった
☆欧州も米国も、当時はまだ中国の台頭について敏感ではなかった
*正直、足並は揃わなかった
☆サミット初日、オバマ氏は遅刻しオバマ氏は機嫌が悪かった
*サミット前日の日米首脳会談の影響でしょう
☆サミット初日、オバマ氏は遅刻しオバマ氏は機嫌が悪かった
*サミット前日の日米首脳会談の影響でしょう
*米軍属の男が沖縄県うるま市で女性を殺害した事件があった
*この事件を、私が日米首脳会談で取り上げ、抗議した
☆記者会見では軍属の事件について聞かれたので、
*私は「大統領に断固抗議した、厳正な対応を求める」と述べた
*私は「大統領に断固抗議した、厳正な対応を求める」と述べた
*オバマも深い遺憾を表明したのだけれど、彼は機嫌を損ねてしまった
☆翌日、オバマは宇治橋を歩いている間
☆翌日、オバマは宇治橋を歩いている間
*軍属の事件に関する私の言い方に不満を述べていた
*私が安倍さんの立場だったら、ああいう表現は使わなかった
*我々米国人は、「非常に傷っいた」と言う
*逮捕された軍属が黒人だったので
*特別厳しく対応しているんじゃないかと
*「黒人かどうかは関係ない、全くの誤解だ」と言った
*オバマはなかなかこの話をやめようとしない
☆オバマは報道陣の前では何事もなかったように笑顔を見せていた
(敬称略)
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⛳出典、『安倍晋三回顧録』
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「北方領土交渉」「伊勢湾G7サミット」
(ネットより画像引用)
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