ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

リスク回避

2008-07-20 17:55:55 | 時事(海外)
「革命税」なるものがある。

しかしこれは、税は税でも(いや、税ではない)一般の税金とは違い、
税務署が庶民からいただくものとはちと違う。

簡単に言うと、主に途上国にいる武装組織だとか反政府組織が
その地域で操業している一般企業にたいして恐喝気味に要求する
お金のことである。もちろん払う、払わないはその企業の自由である。

以下は、それを払わなかった一例である。

場所はフィリピン、ミンダナオ島。この島を拠点とする共産主義武装勢力
が政府発注の基幹施設工事を請け負っていた外国企業の現地法人に対し、
工事総額の約1割に相当する約4,370万円の革命税を要求した。
しかしこれに対して、同企業は支払いを拒否。

さて、その結果は…

その後、武装勢力によるものと思われる小型ロケット弾3発が、
この企業のプロジェクト、サイト内に命中。また、同組織のメンバー30人が
この企業の宿舎を襲撃。警備員から武器を強奪後、数台の車に放火したほか、
手製爆弾で会社施設を爆破した。

結局、要求された革命税より、高くついてしまったこととなった。

では、この企業は革命税を支払うべきだったのか?1度払えば再度
要求があるのではないのかなど…、様々な意見があろう。

しかし、テロリストが暗躍するような危険な土地で事業を行う場合に
限っては、革命税を支払うことによって逆に、安全かつ安心して
業務遂行できる場合もあるのである。

会社の安全管理やリスク回避を考えると、正論だけでは済まない場合も
多分にあるような気がする。

完全なる予防策などはないが、平時の予防策としては、現地の
コミュニティーとの良好な関係構築や地域発展への貢献が必要
だと、専門家は説いている。

「所変われば品変わる」とはよく言ったもので、同じアジアといえども、
地域によりさまざまなビジネスリスクがあるのである。





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