東京目黒区に住む56歳の主婦が裁判で負けた。負けたというより勝てなかったということか。 群馬大学医学部の試験に不合格。
本人は自信があったから、内々に大学事務局に問い合わせたところ点数は合格圏であったが、年齢で落とされたと教えられた。それで前橋地裁に合格とするように訴えたが、地裁は認めなかった。法律的な論点は色々あるようだが、本質的には、年齢問題が合否の基準になるかどうかというのが本当の核心点である。
裁判所は実質的にこれには触れなかった。さもありなん。
医学部側から見れば、卒業するのに6年、それからインターンを経て、ひよこ医師になるまで10年はかかる。そうすれば御歳65になる(合格時55歳)。
人の命を預かる商売で、かつ経験がものをいう職業であるから、老眼鏡をかけた新米医師に診てもらいたい患者はいないと思うがどうだろう。常識的に不合格にするのは理解できる。 税金を使って医師を育てるのであるし、今、地方の内科開業医の数は足りているが病院の勤務医師が不足しているから若い医師を育てなければならない。また地方の医師不足を補うために、来年から地元高校出の優先枠を作ろうとする動きが国立大学医学部に出てきているほどだ。
余談だが、病院勤務医で40歳くらいになると腕を磨いて開業するか、有名病院へ高給で移籍するのだという。
開業医の平均月収は270万円だそうな。
さて、この件は、最初から年齢制限を明記すればよかったと思う。
フーム、調べてみたら、03年には66歳の男性、06年今年は64歳の女性が医師国家試験に合格しているそうな。
向上心が強いというか、根性があるというのか、一度お話を拝聴したいものである。 デデンデン