光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
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ジャンクの玉手箱から・「103系の大量入線(驚)」

2014-05-16 21:31:05 | 車輌・電車
 今回もジャンクの玉手箱から
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 今回は関水の103系です。
 じつは当鉄道のラインナップでは103系は少数派でした。

 GMのATC仕様の完成品の他は仙石線仕様のラウンドハウスのモデルが目立つ程度。
 ましてや初期の低運転台モデルなどは殆どありません。

 私がこの趣味に入った1975年当時はNゲージの電車と言うと後にも先にも関水金属の103系しかなかったのですから考えようによっては異常とも言えなくもありません。
 ですが当時の私にとっては4扉で鮮やかなモノカラーの103系と言うのは無条件に「大都会の象徴」以外の何物でもなく当時から私が志向していた「地方都市~近郊ローカル線」というシチュエーションからは0系新幹線と並んで最も遠い存在でした。

 実際旅行などで上京しても「むやみに人を詰め込んだベンチシートの4扉電車。車内には吊皮と雑誌広告の群れ」というのは「絶対に田舎では見られない」ものでした。
 (大体当時の私の故郷の普通列車はオハ47とかオハフ61ばかりで吊革どころか車内広告にも縁のないハコでしたし)

 そんなわけで103系と言うのは私にとっては空白区みたいな存在でした。
 ところが今回のジャンク箱の中には103系が出るわ出るわ。
 スカイブルー9両、オレンジとイエローが4両づつ、何と4編成17両の大量増備となったのです。

 ただ、どれもこれも40年以上前のモデルの上に前のユーザーが手を加えた部分も多いので「骨董品」としての価値はまずありません(笑)
 尤も私もそんな値打ちは殆ど期待していないのですが。
 重要なのは「これらは走るのか?」ですし、将来的には色差しやパーツ追加なども考えています。

 それでもこれらのモデルが「どんな時期に作られたどういう特徴を持ったモデルか」には少なからず関心があります。
 前のEF70みたいに現行品と違いすぎる中身だとレストアの時に悩まされますし(笑)

 例によってこういう時には非常に役立つ「鉄道模型考古学N」をひっくり返してチェック。
 オレンジの中央線仕様ですが車体表記が「クハ103-1」と言った具合にファーストナンバーになっている事から見て1970年代初めから中期のモデルと思われます。
 他の編成もスカイブルーのサハ103のナンバーが異なる位でおおむね同じです。

 実はこの103系も関水の最初期のモデルはカプラーはドローバー、動力は片側台車伝達と機構的に癖の強いモデルとされ、コレクターでない運転派にとってはやや厄介な編成のひとつと思えます。
 が、今回増備された物は私も持っているキハ20系とほぼ同じ機構な上に当時の科学教材社の「Nゲージ」にも詳細な動力分解図が掲載されているので動力系の調整はやりやすそうです。

 簡単なチェックの範囲ではオレンジはスムーズ、イエローとスカイブルーはやや引っ掛かりが感じられますが走らない訳ではないようです。
 その意味では掘り出し物かもしれません。

 外見上では前のユーザーの趣味なのか、ほとんどの車両で中央部の決まった位置のグローブ型ベンチレータが外れたり欠落しており、そこに当時のGM製の集中式クーラーが付いたり、ついていた形跡があったのが面白いと感じます。
 これも70年代後半には誰でも出来る103系のグレードアップの定番でしたし、後にGMがクハ103のATC仕様を出した時にも中間車を揃えるためにクーラーを追加していたユーザーが多かったと思います。
 おまけに実質GMのエンドウ103系の編成までありますし。
 今回のジャンク箱にはGMのクハはありませんでしたが幸いな事にGMのクハ103は私の手持ちにもありますので(オレンジのみ)当時の編成の再現は容易です(笑)

 なお、ここで言う「当時の編成」というのは実物に乗っ取ってと言うよりは「70年代のNゲージャーがよくやっていた事の再現」と言う程度の意味ですが(汗)

 それにしてもここに来て103系も一気に世帯を増やしました。
 実物のみならず、当鉄道でも103系の「偉大なる凡庸」の殿堂(爆)入りは確実でしょう。

ジャンクの玉手箱から・「Nゲージ最古のコキフ10000」

2014-05-16 21:27:50 | 車両・客車・貨車
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 ジャンク袋の骨董品シリーズ。
 今回は私にもやや意外な掘り出し物です。

 前回紹介した関水金属のEF70ですが記述の通りカプラーは今のカプラーと全く互換性のないX2Fです。
 ですが同じジャンク箱に入っていた他の車両で同じカプラーの付いたものが殆どありません。
 事によると前のユーザーは単機回送で使っていたか牽引していた客車や貨車をなくしていたのかもしれないと思えました。
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 そんな折にジャンク箱を整理していたところ中にあったコキフ10000の車掌室側の片方がX2Fを装備していたのを発見して謎が解けました。
 実はこのジャンク箱にはコキ10000、コキフ10000も何両かあったのですが殆どがアーノルドカプラーを装備していたので一つだけX2Fだったのを見逃していたのです。

 驚いて早速手持ちのRM MODELSの「鉄道模型考古学」をひっくり返してみたところ、初期のコキ、コキフの記事を見つけ出す事ができました。
 以下はそこで書かれていた記事を整理したものです。

 コキ・コキフはEF70の登場と前後して1967年頃にリリースされ、以後いくつかの改良を加えながらも形態上は今売られているKATOのコキと外見上は「殆ど」変わらないまま現在まで出続けているロングレンジモデルとの事です。
 ですが製造時期により様々な差異が存在しやはり旧製品には独自の特徴があるとの事でした。

 それを参照しながらチェックして見ると今回のコキフ10000の最初期型モデルはX2Fカプラーを装備していたそうですがごく短い期間でアーノルドに変更されたとの事です。
 そのアーノルドカプラーも最初のモデルは黒ではなく微妙に茶色っぽいパーツが使われているとの事。

 チェックして見ると車掌室側がX2Fなのは前述の通りなのですが反対側のアーノルドカプラーも茶色っぽいのが視認できました。
 X2Fの台車はカプラーポケットと一体なのは良いとしても形状が特殊な為手持ちのアーノルドとコンバートするのは不可能なようです。

 又、台車の取り付け方法がねじ止めなのも初期型の特徴で現行のASSYで代用するのは難しそうです。
 
 また、これも初期型の特徴だそうですがコンテナと車掌室が一体のパーツとなっている事、車掌室にガラスが無く内部に取り付け用のねじぶたが見えるという独特の構造があるそうです。
 これも実物を取って視認できました。
 コンテナのレタリングも今の物より単純でしかもかすれが目立ちます。
 不思議な事にこの個体は車掌室側と反対側の手すりの取り付けが逆になっているのですが製造上のエラーなのか前のユーザーがカプラーをコンバート(後述)した際にミスったのかは不明です。

 このコキフは車掌室側のみX2F、反対側はアーノルドという特異な構造ですがこれはメーカー品ではなく前のユーザーが手を加えた可能性が濃厚です。

 というのはX2Fを装備したコキは登場後のごく初期の時点しか存在せず、後に冷蔵コンテナ仕様が追加された頃には全てアーノルドになっていた(以後の貨車も全て同様)ためそのままではEF70に使えない問題が生じ、コキフをカプラーコンバート用の控え車に改造したのではないかと思われるのです。
 同じジャンク箱にはコキ・コキフと共にこれまた初期バージョンのワキ10000やス二40(いずれも形式番号がファーストナンバーでこれも最初期製品の特徴のひとつです)があったのでこれらと組み合わせるにはこういう貨車の存在が不可欠だったはずです。
 (時代は下りますが、私自身貨車の中に何両か片方アーノルド、反対側にKATOカプラーと言う控え車を何両か作っています)

 さて、このコキ、全般に現行製品と比べると見劣りするポイント(特にレタリング)が多いのですが、
 この「東」の表記だけは後の製品に見られない美点と思います。

 それにしても
 最古のEF70のみならず最古の高速貨車群まで入っていたとは恐るべしジャンク箱・ですね。

ジャンクの玉手箱から・「Nゲージの流線形客車・ほか」

2014-05-16 21:23:16 | 車両・客車・貨車
 ジャンク箱の中に外国形のモデルがかなり入っていた事は既述の通りですが今回はそれらのラインナップから。

 この箱の中にはトータルで9両のボギー車の外国形客車がありました。

 アメリカ仕様としてはコルゲート仕様の流線型客車4連。
 展望車まで繋がった見た目に豪華な客車であります。
 が、現行品の同形の客車に比べると妙に寸詰まりな感じもします。
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 40年くらい前のNゲージでは運転用に客車のショーティ化が普通に行われていたようですが、おかげで日本型に混じっていてもそれほど違和感は感じません。
 当時のNゲージャーの間で日本型と外国形のちゃんぽんをよく行なう事が出来たのは、この辺りにも理由がありそうです。
 もしスケール通りのプロポーションと全長が再現されていたら物凄い落差だったでしょうから。

 欧州仕様は国籍・機種はよくわかりませんがこちらも適度のショーティ化された物のようです。
 見た目に「近代化されたオハ31系サイズ」といった趣なのでこちらも違和感はごく少ない方です。

 今だったら外国形とのちゃんぽんなどはあまり行われない(というかそういうのを毛嫌いする向きも多い)と思いますが、今回のジャンク箱に入っていた外国形のラインナップを見る限りは違和感よりは楽しさの方が先に立ちます。
 特に流線型客車などは少し変わった形の機関車(例えばDD53とかEF55とか)などに牽かせてみても楽しそうですし、欧州風の方も「10系か50系の後継車」という設定でDE10やED72などと組み合わせても似合いそうです。
 或いは意表をついて(?)それぞれの国からの輸入機(C52、ED53など)と組み合わせても面白そうです。

 書き忘れていましたが、メーカーはアーノルドが主で一部にリマも混じっている様でした。

 ところで前述の流線型客車(B&Oの表記あり)ですが本来の牽引機として流線型のディーゼル機関車も入っていました。
 これについては少し興味ある資料があるので近いうちに改めて紹介する積りです。