軽いものばかりを読んでいるが、実はアメリカの重い現実の一端を照射したもの。
林壮一の経歴は、本人のいうところのあまりよくない高校・大学を卒業し(そうでもないと思うが…)、ボクシングのプロになるものの挫折。週刊誌の記者を経て、ノンフィクションライターへ。渡米し、アメリカの大学で学習。スポーツ紙のライターをしつつノンフィクションを手がける。『アメリカ下層教育現場』は、アメリカ在住で、スポーツライターをしつつ、ちょっとしたきっかけでかかわった教育現場での経験を記したもの。
教育現場は、チャーター・スクール(レインシャドウ・コミュニティー・チャーター・ハイスクール)。日本でも、このチャータースクールを作れなどといっている人たちもいるので言葉だけは聞いたことがある人もあるだろう。アメリカで、1992年、はじめて創立され、「荒廃する公立校を避ける親たちの解決策」と評されたが、「今日、チャーター・スクールは一般の公立校より水準が低く、劣等生の集団に過ぎない」と紹介されている。
学校に来ている高校生の家庭は崩壊家庭が一般的で、格差社会の中で底辺層の生徒たちだ。貧困や無気力が生徒を押しつぶしている。「トイレといって、授業放棄」「しゃべり」「トラブル」などなど、その生徒たちに対してメッセージを投げかけつづけた筆者の姿が描かれている。また、筆者にしても、有色人種として差別を受けるという体験も記されている。
終盤に、「ユース・メンターリング」の経験も記されている。要するに、兄貴として小学生とかかわって、支える時間を持つというもの。これにしても、ヒスパニック系の子どもの問題が見えてくる。
アメリカの教育は、すさまじい格差の中にある。今日の新聞に、竹中平蔵が「京大・東大も民営化して云々」という発言をしたようだが、日本もまた、貧困が再生産され、金がなければ成功しない世の中になっていくようだ。それを受けて、学校という社会も、アメリカのようになっていくのだろうか?
林壮一の経歴は、本人のいうところのあまりよくない高校・大学を卒業し(そうでもないと思うが…)、ボクシングのプロになるものの挫折。週刊誌の記者を経て、ノンフィクションライターへ。渡米し、アメリカの大学で学習。スポーツ紙のライターをしつつノンフィクションを手がける。『アメリカ下層教育現場』は、アメリカ在住で、スポーツライターをしつつ、ちょっとしたきっかけでかかわった教育現場での経験を記したもの。
教育現場は、チャーター・スクール(レインシャドウ・コミュニティー・チャーター・ハイスクール)。日本でも、このチャータースクールを作れなどといっている人たちもいるので言葉だけは聞いたことがある人もあるだろう。アメリカで、1992年、はじめて創立され、「荒廃する公立校を避ける親たちの解決策」と評されたが、「今日、チャーター・スクールは一般の公立校より水準が低く、劣等生の集団に過ぎない」と紹介されている。
学校に来ている高校生の家庭は崩壊家庭が一般的で、格差社会の中で底辺層の生徒たちだ。貧困や無気力が生徒を押しつぶしている。「トイレといって、授業放棄」「しゃべり」「トラブル」などなど、その生徒たちに対してメッセージを投げかけつづけた筆者の姿が描かれている。また、筆者にしても、有色人種として差別を受けるという体験も記されている。
終盤に、「ユース・メンターリング」の経験も記されている。要するに、兄貴として小学生とかかわって、支える時間を持つというもの。これにしても、ヒスパニック系の子どもの問題が見えてくる。
アメリカの教育は、すさまじい格差の中にある。今日の新聞に、竹中平蔵が「京大・東大も民営化して云々」という発言をしたようだが、日本もまた、貧困が再生産され、金がなければ成功しない世の中になっていくようだ。それを受けて、学校という社会も、アメリカのようになっていくのだろうか?