ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

米沢富美子『人物で語る物理入門(上)』岩波新書

2008年02月22日 12時39分33秒 | 
以前、「下」を読んでいた米沢富美子の『人物で語る物理入門』の上を電車の中で読んだ。
目次は以下。
第1章 人類と科学とで出会い-アリストテレス、アルキメデス、プトレマイオス
第2章 近代科学の夜明け-コペルニクス、ガリレイ、ケプラー
第3章 月とりんごを統一する法則-アイザック・ニュートン
第4章 光の本質を求めて-クリスティアン・ホイヘンス
第5章 電気と磁気の謎を追う-ジュエームズ・C・マクスウェル
第6章 エネルギーとエントロピー-ルートヴィヒ・ボルツマン
第7章 「時空」への旅-特殊相対性理論-アルバート・アインシュタイン

流し読みなので、物理の理論はわからないが、哲学や心理学などの歴史と重ねるとおもしろいと思う。ニュートンなどが、自分でレンズを作り、それで光学理論を実証したり、宇宙論を展開したりしたこと、光の実験など、それを知覚する心理学の実験に直結する。草創期の実験心理学はそのような物理学などの発達に伴って引っ張り上げられてきたのだろう。また、ルートヴィヒ・ボルツマンの論敵は、哲学者のマッハで、マッハは実証主義的経験批判論を主張し、経験的に検証されない言明は無意味として、原子論を退け、ボルツマンを激しく攻撃した。このマッハ主義は、エンゲルスの自然の弁証法などでも取り上げられていたのでは…(反デューリング論だったか?)
ついでに、『タイム』誌が20世紀のキーワードとして「民主主義」「市民権」「科学・技術」をあげて総括したとの記述があり、考えさせられるものがあった。