(つづき)
中森明菜と松田聖子については、エラそうだけど、公募&オーディションで選ばせてもらった。
中森明菜は、とにかく、こだわりの強いお母さん。
モノマネ? でも、ルックスも含めると、もしかしたら、お笑い芸人・友近よりも上手いのかもしれない。
それより、この方、当日の衣装の話をしている時、"玉虫色に光る和風テイストで…ウィッグの形はこうで…"とか、こういったこだわりが、とどまることを知らず、僕が、"そこまでは…"って、途中で言ったら、叱られました…"それじゃ、明菜に失礼だ!"と。
そして、なんか、間があくと、"五木タテ振りガクンガクン"の振り部分の目線チェックをやってるお母さん。聞くと、"ずっと、生バンドで明菜の曲を歌いたかったから、メッチャ張り切ってんねん!"…。
なんとか、力になりたい。
松田聖子は、20代前半の女の子。
彼女が持っていた「松田聖子全曲歌詞ノート」なるものを見せてもらったんだけど、これが、スゴかった。
例えば、「赤いスイートピー」の場合だと、Aメロの歌詞の部分を"薄い桜色"の色鉛筆で囲ってある。同じように、Bメロは、それよりも少しだけ濃い桃色で、さらに、サビの部分は、深すぎないピンク…。そして、大サビは、Aメロと同じく、"薄い桜色"なんだけど、囲っているその周りを、さらにお花(スイートピー?)の絵で埋め尽くしてあった。つまり、歌詞を4連に分けて、なおかつ、その連ごとに歌い方を少しだけ変えているという…。
実は、僕、松田聖子という歌手の本当にスゴイところは、(歌詞もそうだけど)「場面」を歌えるトコだと思ってた。
特に、「赤いスイートピー」なんかのように、起承転結が、わりとハッキリしている楽曲の場合は、そうすることによって、劇中の彼の姿が(顔は、ぼやけてて、見えないんだけど)、画として浮かび上がってきているように思う。
それに、この人は、基本、"歌詞や旋律をより忠実に!"という意識が高いので、作詞家,作曲家の本当に伝えたい想いが、その登場人物に乗せて、浮きあがってくることがある。 そこだと思う…松田聖子の本当のスゴさは。
そして、"松田聖子とは、絵本である"…僕の持論。
そういう事を彼女に言ってみたところ、
"私、赤いスイートピーが、一番可愛く見えるのは、バックが、薄いピンクの時だと思うんです"
僕は、"スゲェな、この子…いたよ、逸材!"…そう思いながら、"じゃ、当日の衣装、薄めのピンクで、ワンピース、こちらで用意出来ますけど、それでいいですか?"と、笑顔で、"はいっ!"…そのノートを大事そうに抱えて帰っていった。
何者?
ピンクレディーは、高校時代からの友人、ウチのバンドも度々お世話になっている男2人に頼んだ。
ちなみに、男2人、ヒゲ率100%! この2人の完全コピーぶりとその精度は、よ~く知っているので、今さら確かめる必要もない。
ただ、いい機会、前々からずっと聞きたかった事を思い切って、
"あのさ、自分ら2人、ピンクレディー踊ってる時、本当の女の子に見えるんよね。
でも、たいがい、テレビとかでも、女性アイドルの振りとかを男がやると、多少、オカマちゃん入るやんか?…"
即答だった。
"アホやなぁ、お前。
ピンクレディーってのは、元々、フォークなんやで。だから、声の張りとか、伸びとか、そっちやの! 踊りは、あ・と。歌が1番で、振りは2番なんや!"
僕は、すごく合点がいったよ。
そして、納得しながら、ファミレスのトイレ…、席に戻ると、2人、なにやら揉めている。
で、その原因は、当日の衣装であるピンクのホットパンツをラメ入りのにするか?スタンダードなやつにするか?…ここは(この2人組は)、大丈夫やな。
おまけに、会計の時、ケイちゃん役のやつが、ドアに映った自分の姿でチェックしてた。
チェックポイントは、ケイちゃんが、振りの途中、服を触るタイミングと髪をチョット直すタイミングなんだって…。
もう、僕の想像の域をはるかに超えてる。
しかし、どんだけ、ピンクレディーが、好きなんだ。
芦田愛菜ちゃん&鈴木福くんについては、メンバーとこのチビ2人にまかせた。この姉弟、「マルモのおきて」を観た直後のテンションは、いつも凄まじく、よく、その模様を映像で見せてもらい、笑かしてもらうんだ。
しかし、1つだけ、気がかりな事…。
とにかく、布団の上、はだけたパジャマ姿で跳びはねてる…あの感じでやらせてあげたい。
ヘッドホン型マイクは、そら、気持ち悪いだろうし、なんとか、ハンドマイクを演出っぽく近づける方法を思案中,模索中…。
今回、僕は、裏方と演出の動きもしていたせいで、一瞬、こんな気持ちに襲われたよ…
"この人たちに恥かかせられない"
奏者だけ,指揮者だけの役割だったら、ここまで思わなかったのかもしれない。
でも、いろんな人と深く関わっていくうちに芽生えた不思議な感情…。
それに、僕は、楽譜に音を足したり、書き換えたり出来る立場でもあるので、一瞬だけ、こんな想いが頭をよぎったんだ。
"(歌う人の)真後ろにいるフルートの1人に、メロディーライン吹いてもらおうかな?"…なんて。
それは、すぐに思ったよ。
"もしかしたら、これが、「口パクへの第一歩」…最初に、そういうことを考えた裏方の人間の気持ちって、こんなだったんだろうか?"って。でも、この時、なぜか?"明菜に失礼だから"…この言葉が蘇り、思いとどまったんだ。
っていうか、"演奏技術と指揮の技術で、なんとかせぇよ!"って話なんだよね。でも、こう思えたのは、いい経験。
あ、そや! 昨日、最後の「アイドル」候補に会ってきました。大きい音、OK! 大勢の人の前、OK!…でも、僕の持っていたモスバーガーの入った袋に体当たりし続けた彼。
いや~、犬って難しいね。
玄関あけたら5秒で失格! 情報をくれた飼い主さんと爆笑したわ…"お前は、夜店の誘惑に勝てないね!"って。
「ミニチュア・シュナイダー」…カッコイイのは、犬種名だけか!?
"ムック、アウト~"…昨夜は、ダウンタウンの日テレ大みそか風に繰り返される声が、いつまでも、いつまでも、僕の心の中、響いてました。
(おしまい)
中森明菜と松田聖子については、エラそうだけど、公募&オーディションで選ばせてもらった。
中森明菜は、とにかく、こだわりの強いお母さん。
モノマネ? でも、ルックスも含めると、もしかしたら、お笑い芸人・友近よりも上手いのかもしれない。
それより、この方、当日の衣装の話をしている時、"玉虫色に光る和風テイストで…ウィッグの形はこうで…"とか、こういったこだわりが、とどまることを知らず、僕が、"そこまでは…"って、途中で言ったら、叱られました…"それじゃ、明菜に失礼だ!"と。
そして、なんか、間があくと、"五木タテ振りガクンガクン"の振り部分の目線チェックをやってるお母さん。聞くと、"ずっと、生バンドで明菜の曲を歌いたかったから、メッチャ張り切ってんねん!"…。
なんとか、力になりたい。
松田聖子は、20代前半の女の子。
彼女が持っていた「松田聖子全曲歌詞ノート」なるものを見せてもらったんだけど、これが、スゴかった。
例えば、「赤いスイートピー」の場合だと、Aメロの歌詞の部分を"薄い桜色"の色鉛筆で囲ってある。同じように、Bメロは、それよりも少しだけ濃い桃色で、さらに、サビの部分は、深すぎないピンク…。そして、大サビは、Aメロと同じく、"薄い桜色"なんだけど、囲っているその周りを、さらにお花(スイートピー?)の絵で埋め尽くしてあった。つまり、歌詞を4連に分けて、なおかつ、その連ごとに歌い方を少しだけ変えているという…。
実は、僕、松田聖子という歌手の本当にスゴイところは、(歌詞もそうだけど)「場面」を歌えるトコだと思ってた。
特に、「赤いスイートピー」なんかのように、起承転結が、わりとハッキリしている楽曲の場合は、そうすることによって、劇中の彼の姿が(顔は、ぼやけてて、見えないんだけど)、画として浮かび上がってきているように思う。
それに、この人は、基本、"歌詞や旋律をより忠実に!"という意識が高いので、作詞家,作曲家の本当に伝えたい想いが、その登場人物に乗せて、浮きあがってくることがある。 そこだと思う…松田聖子の本当のスゴさは。
そして、"松田聖子とは、絵本である"…僕の持論。
そういう事を彼女に言ってみたところ、
"私、赤いスイートピーが、一番可愛く見えるのは、バックが、薄いピンクの時だと思うんです"
僕は、"スゲェな、この子…いたよ、逸材!"…そう思いながら、"じゃ、当日の衣装、薄めのピンクで、ワンピース、こちらで用意出来ますけど、それでいいですか?"と、笑顔で、"はいっ!"…そのノートを大事そうに抱えて帰っていった。
何者?
ピンクレディーは、高校時代からの友人、ウチのバンドも度々お世話になっている男2人に頼んだ。
ちなみに、男2人、ヒゲ率100%! この2人の完全コピーぶりとその精度は、よ~く知っているので、今さら確かめる必要もない。
ただ、いい機会、前々からずっと聞きたかった事を思い切って、
"あのさ、自分ら2人、ピンクレディー踊ってる時、本当の女の子に見えるんよね。
でも、たいがい、テレビとかでも、女性アイドルの振りとかを男がやると、多少、オカマちゃん入るやんか?…"
即答だった。
"アホやなぁ、お前。
ピンクレディーってのは、元々、フォークなんやで。だから、声の張りとか、伸びとか、そっちやの! 踊りは、あ・と。歌が1番で、振りは2番なんや!"
僕は、すごく合点がいったよ。
そして、納得しながら、ファミレスのトイレ…、席に戻ると、2人、なにやら揉めている。
で、その原因は、当日の衣装であるピンクのホットパンツをラメ入りのにするか?スタンダードなやつにするか?…ここは(この2人組は)、大丈夫やな。
おまけに、会計の時、ケイちゃん役のやつが、ドアに映った自分の姿でチェックしてた。
チェックポイントは、ケイちゃんが、振りの途中、服を触るタイミングと髪をチョット直すタイミングなんだって…。
もう、僕の想像の域をはるかに超えてる。
しかし、どんだけ、ピンクレディーが、好きなんだ。
芦田愛菜ちゃん&鈴木福くんについては、メンバーとこのチビ2人にまかせた。この姉弟、「マルモのおきて」を観た直後のテンションは、いつも凄まじく、よく、その模様を映像で見せてもらい、笑かしてもらうんだ。
しかし、1つだけ、気がかりな事…。
とにかく、布団の上、はだけたパジャマ姿で跳びはねてる…あの感じでやらせてあげたい。
ヘッドホン型マイクは、そら、気持ち悪いだろうし、なんとか、ハンドマイクを演出っぽく近づける方法を思案中,模索中…。
今回、僕は、裏方と演出の動きもしていたせいで、一瞬、こんな気持ちに襲われたよ…
"この人たちに恥かかせられない"
奏者だけ,指揮者だけの役割だったら、ここまで思わなかったのかもしれない。
でも、いろんな人と深く関わっていくうちに芽生えた不思議な感情…。
それに、僕は、楽譜に音を足したり、書き換えたり出来る立場でもあるので、一瞬だけ、こんな想いが頭をよぎったんだ。
"(歌う人の)真後ろにいるフルートの1人に、メロディーライン吹いてもらおうかな?"…なんて。
それは、すぐに思ったよ。
"もしかしたら、これが、「口パクへの第一歩」…最初に、そういうことを考えた裏方の人間の気持ちって、こんなだったんだろうか?"って。でも、この時、なぜか?"明菜に失礼だから"…この言葉が蘇り、思いとどまったんだ。
っていうか、"演奏技術と指揮の技術で、なんとかせぇよ!"って話なんだよね。でも、こう思えたのは、いい経験。
あ、そや! 昨日、最後の「アイドル」候補に会ってきました。大きい音、OK! 大勢の人の前、OK!…でも、僕の持っていたモスバーガーの入った袋に体当たりし続けた彼。
いや~、犬って難しいね。
玄関あけたら5秒で失格! 情報をくれた飼い主さんと爆笑したわ…"お前は、夜店の誘惑に勝てないね!"って。
「ミニチュア・シュナイダー」…カッコイイのは、犬種名だけか!?
"ムック、アウト~"…昨夜は、ダウンタウンの日テレ大みそか風に繰り返される声が、いつまでも、いつまでも、僕の心の中、響いてました。
(おしまい)