K6「夢の鐘」がAKB48の反原発ソング(KC)
AKB48の曲を聴いた感想を友達に話すと、「そんな感じ方をするのは、お前だけだ」と言われることが多い。私の感性は、世間一般とは違うようで、よく言うとユニーク、悪く言うと異端児。
こちらの記事では、A6タイトル曲「目撃者」は、天安門事件批判であり、秋元康はこの曲が原因で、中国市場から締め出されてもよいとの覚悟で、書いたに違いないという感想を、「これは異端児だろう」と自覚したが故に、私の妄想と断った上で、ブログに書いた。
この記事を書いたのは、1年前だが、最近、読者の方からコメントを頂いた。
コメントの趣旨は、私の記事では、指摘していない箇所に、明らかに天安門事件を感じ取れる箇所があると。それは、
わが子をなくした 母親は崩れるように 声もなく泣きながら 誰を責めているのだろう
から、天安門事件で亡くした青年たちの母親の事と考えるのは妥当でしょう。
これらの被害者の母親たちを中心に、天安門母親という民主化運動組織が実際に存在しており、詳しい記事はWikiでhttp://en.wikipedia.org/wiki/Tiananmen_Mothers
母親というフレーズから、私は天安門事件を連想しなかったが、指摘いただいた事実を知らなかっただけ。もう一ついただいた指摘は、
遠いささやかな記憶...怒りを思い出そう
この表現から見ると天安門事件のことに指すのはより自然かもしれない。
コメントを書かれた方は、天安門事件に切実にかかわった方なのかもしれない。実感がこもっている。
ブログコメントで知識が増えるのはありがたく、私の粗雑な文章に、真剣な反応を頂き、恐縮するとともに、勇気づけられた。
気持ちが大きくなったところで、もう一つの妄想「夢の鐘」は、反原発ソング説を。
この曲は、K6 RESET公演のアンコール2曲目である。
アンコール1曲目の「星空のミステイク」
youtubeリンク
は、A4「Only Today」と登場人物の設定が同じ。
恋人同士の彼とか彼女、その二人と共通の友人の私。
85年デビューの松本典子のセカンドアルバムの一曲
「星空のアリバイ」を連想させてくれて、沈黙のすき間で、波の音が静かすぎて、瞳を閉じた。
「星空のミステイク」、これ以上、切ない気分にさせてくれるAKB48の曲があったどうかという程、私は高く評価している。
その次の曲が、「夢の鐘」
youtubeリンク は陰惨な曲。
隣国から発射されたと思われるミサイルにより、街は廃墟になったが、夢の鐘を打ち鳴らすことで、希望を持ち続けろというのが曲のテーマ。
秋元康が、曲に込めたメッセージは、「廃墟から立ち上がれ」であるが、街が廃墟になる可能性は、ミサイルより、原発事故の方が高かったのだから、原発事故が起こってしまった今、この曲は、反原発ソングに進化した。
隣国を想定した曲は、ミサイルを発射した相手を、右頬を殴られても愛で許せるかと
問うているが、殴った東京電力を、殴られた被害者が許すのだろうか。
途方のくれている絶望のその先には何が見れるのか
福島という故郷の土地を愛し、そこに住みたいけど住めない絶望
傷ついた人は誰もこの世界の神の存在を疑った
この世に神がいると信じているがそれを疑うってしまう、原発事故が起きたから。
ブログでは歌詞を引用できないので、
歌詞 HPをリンク
歌詞には原発という一言は出てこないので、「夢の鐘」、私の解釈は邪推である。あえて、こじつけていることは認める。
制服向上委員会は政治メッセージがあり、AKB48には政治メッセージがないという、橋本美香の主張を否定するため、「目撃者」「夢の鐘」を紹介した。
制服向上委員会のような、ストレートな万葉集風歌詞だけが政治メッセージなのではなく、ひとひねりした古今和歌集的歌詞でも、政治メッセージは成立するのである。
補足:
あなたがのぞむなら私なにをされてもいいわと告白した山口百恵は、万葉集で、
私がそよ風ならばあなたは大きな花ねと喩えた桜田淳子は、古今和歌集というアイドル史学の故事をふんでいる。
KC